東野圭吾のガリレオシリーズの最新長編。
と言っても刊行されたのは1年半も前で、
予約したのも忘れる位待って、
漸く順番が回ってきた(笑)
さてこの話、読んでいて、
ちょっと容疑者Xの献身を思い出した。
どこがどう、という訳では無いのだけれど、
湯川のプライベートが明かされたりして、
こういう背景を、
最初に湯川学という人物を造形した時から、
東野圭吾は設定していたのだろうか?と、考えてしまった。
タイトルの、透明な螺旋、とは、
勿論、DNAを表しているんだろうが、
そういえば、表紙の黒バックに赤い薔薇、は、
容疑者Xの献身とも共通している。
読み進めると、そうだったのか、と、
ストンと腑に落ちる所もあって、
変人、と言っていい湯川の、
屈折した部分の謎が解けた気がした。
この本が刊行された2021年は、
シリーズ第1作から23年が経過していて、
34才で登場した湯川が、
57才、とまではいかなくても、
それなりに年を重ねて、
多少なりとも丸くなっている様子が窺える。
今後どういう展開になるのか。
そのうちに、湯川の父が、
天才物理学者として出てくるんじゃないか、と、
ちょっと期待している。