ZWO AM5赤道儀問題点と強化策(その1) | 今夜も快晴!★koheiの天体写真★

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自分の撮った天体写真をメインに日記代わりに載せていきたいと思います。あまり無理をしない画像処理で、自然かつ精細な美しい天体写真を撮ることが目標です。忌憚のないコメント、いいね大歓迎です。

ZWOのAM5はハーモニック減速機を使用し、軽量でしかも精度もいい、速度も速いし力持ち、もちろんASIAIRもシームレス対応とスペック上はいいことづくしの赤道儀ですが、使用してみて色々問題が発生しました。お持ちの方もしくは購入しようとされている方の参考になれば幸いです。(下の写真は改善前)

 

1.搭載重量について

MT-160を搭載し過積載でギアがストール(脱調)、断末魔の叫びをあげたことは以前記載しました。(ストールしても1~2回だと全く問題はない)AM5の公称スペックは単に

・搭載重量13kg(カウンターウェイト未使用時)
・搭載重量20kg(カウンターウェイト使用時)

となっており、あまり考えずに、これはパワフルだ!、EM-200並だ、MT-160(8.2K)は余裕だ、と喜んで買い、調子に乗って重い望遠鏡を載せたのですが、協栄産業さんに確認すると実態は下の資料があって(公表されているのかどうかは未確認)、

 

・極軸中心から20cmで搭載重量13kg

(カウンターウエイト無しの場合)

・5kgウエイトを25cm位置に追加すると搭載重量20kgが最大限界

・ウエイト無し有りの場合でも、その限界のギアに掛かるモーメント力は一緒 260 (kg・cm)

 

だそうです。

 

う~ん文系の私にはいささか難しいですが(物理は赤点でした)一応私のトラブル時の重量、モーメントを試算してみました。

 

重量(トラブル時点)

MT-160                                                 8.2kg

鏡筒バンド+プレートM+アリガタ+フード  4.2

冷却CMOS+FMA180+ガイド鏡÷ASIAIR    2.6

総重量                                              15.0kg くらい

(FMA180は付けなくていいので0.8kgはすぐに減量可能)

 

重心位置(概測)

極軸~アリミゾ                                          12cm

アリガタ~トッププレート                           27cm

予想される重心までの距離 12+(27/2)+2? 28cm  くらい?

 

確かにモーメントは420kg・cm(規定は260)ですからとんでもない超過ですね。3.7kgのウエイトをつけておりそのモーメントは25cmと仮定して92.5kg・cmですので、それを差し引きしても330くらいですから3割オーバーです。計算合ってますか?

 

軽量化策

(1)鏡筒バンドの軽量化・純正プレートは使用しない(MOREBLUE)

 →合計2kg減量、背も低いのでモーメントにも効く

(2)カウンターウエイトの追加(ビクセン1.5kg)

 →合計5kg

 →これでようやく200~240kg・cmくらいに減量できているはずです。

 

最近ASIAIRがバージョンアップ(V2.1.2)してAM3/AM5のメニューにヘビーデューティーモードのボタンができましたね。最大スピードを遅くしてトルクを上げるのでしょうか、おそらくニーズ(クレーム)があったのでしょうね。(それまでは最大スピードは一定)これだともう少し粘ってくれそう。

 

【追加情報】

ヘビーデューティーモードはやはりそのような機能のようです。やりとりを翻訳すると

 

「Jan75さん」
Can you explain what "AM3/AM5 Heavy Duty Mode" is and when to use it? Thank you!

(AM3/AM5 Heavy Duty Modeはどんなものでいつ使うか説明してもらえますか?)
「Kevin_Aさん(ZWOの人)」
It is for using the mount in cold weather and also with a borderline heavy payload or both. It basically reduces the slewing speed significantly while allowing an increase in payload.

(それは寒いコンディションや最大荷重をかけている場合、もしくはその両方の場合に使われます。基本的には搭載重量を増やしている間 旋回速度を顕著に下げてます)

 

 

 

 

2.風対策について

もう一点、現在は軽量用ハーフピラーPE160を中華ジッツオ互換三脚に載せていますが、風が吹くとガイドがひどく暴れるのが気になっていました。

 

AM5は背が低いのでハーフピラーは必須なのですが、これが華奢で安定を悪くしているのは間違いなく、同好会の方は早々にPE160を捨て、独自でアダプターを調達し強化されました。

 

私はどうしたもんか...と考えているとタイミングよく最近重量用ピラー新型PE-200が発売されたので、それを購入しました。またskywatcherの三脚対応アダプターも添付されており、そちらの三脚も使用可能です。こちらもユーザーからのニーズがあって再販売が始まったものと思われます。

 

新規で買われる方は搭載重量にかかわらず重量の方をお勧めします。せっかく軽量のAM5を買った皆さん(私もですが)、結局ウエイトやしっかりした三脚は必須です。重量は必要悪です。

 

 

こちらに続く。

発売してからニーズを聞いて完成形に近づけていくのは中国メーカーらしいです。

(必ずしも悪いこととは言えないですが)

以上ご参考まで。