天体写真の手返し ~M100銀河 と おとめ座銀河団~ | 今夜も快晴!★koheiの天体写真★

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「手返し」ってわかりますか?釣りをする人ならすぐにわかるのですが、ネットでは「魚を釣ってから魚をはずし、再度エサをつけ仕掛けをポイントに投入する一連の動作の事」と説明されています。私は釣りが下手なので、地合がきて一匹釣れても針を外すのに時間がかかったり、エサをつけるのにモタモタしたり、ひどい場合は糸がお祭りしたりして次の一投に中々入れず、その結果ベテランの方との釣果の差は歴然です。

 

釣りと違って天体写真は数を競うものでもないのですが、やはり限られた晴れた星空のもと、準備の時間を減らして露光時間(量)の比率を増やすかは重要じゃないかなと考えます。のんびりやればいいという考え方もありますが、彗星や日食などのイベントで時間の限られた場合は手返しの悪さが死命を制することになりますし、そうでない場合でも、幸いにも今は自動化されているので、スタートボタンを押し、そのあとは星空観望したり仮眠でもした方が余程のんびりできると思うのです。

2001.8.16木星食(次回好条件は2034年)懐かしい写真!

 

手返しを短縮する方法は何といっても周到な事前準備です。現地の夜にするのではなく、自宅や昼にできることはしておく、当日の持ち物チェックや撮影シナリオを考えておく、できるだけ明るいうちに現着して準備しておく、天気など当日条件が変わった場合の代案も考える...等々準備の重要性とそのスキルアップを最近本当に感じています。

 

今回彗星の大御所、津村さんの手返しを拝見、わずか15分くらいで3台の撮影用望遠鏡を設置完了、日没で明るさが刻々変化する中なのに涼しい顔で自動で撮影、ご自分はゆうゆうと望遠鏡で彗星を眼視観測しておられ、やはりプロのスキルはすごいな...そう思った次第です。

 

さて先日の西はりまで一つ画像処理し忘れていたのが残っていました。銀河祭りのフィナーレにふさわしいおとめ座銀河団です。この周辺には数え切れないくらい銀河が密集しています。フェイスオン銀河のM100(場所はかみのけ座)とNGC4312、それ以外にも無数の銀河が見えています。

 

【M100(右側)とNGC4312(左側)かみのけ座】(拡大(トリミング))


オリジナル(アノテーション)

鏡筒: タカハシMT-160 MEYON 1XCLT(1000mm f6.3)

カメラ:ZWO ASI 2600MC DUO(オートガイド)

赤道儀:ZWO AM5

フィルター:なし  画像処理:PIXINSIGHT(BXT)

日時: 4/14 1:43~ 300sx10FR (50分)

撮影地:兵庫県作用町(西はりま天文公園)