佐賀のオッサン星にハマる2 -11ページ目

佐賀のオッサン星にハマる2

このブログはある星空に戦いを挑んだオッサンの記録である。
天文界において全く無名の冴えないオッサンが星見の中から健全な精神を培い、
わずか数年でメシエマラソン完走をなし遂げた妄想を通じて、その原動力となった信頼と愛を余すところなくログ化したものであるかも。

昼間の天気は悪かったのですが、夜になって晴れ間が出ていたので、例の組立天体望遠鏡+PENTAX Q直焦点撮影システムを組んでみました。


佐賀のオッサン星にハマる2


ちなみに、太くて白い円筒形の物体は雲台の一部です(^^;


狙うはオリオン座、馬頭星雲!




液晶画面に出てきた画像は、、、



佐賀のオッサン星にハマる2


組立天体望遠鏡+PENTAX Q直焦点

273mm(35mm換算1,501.5mm)、F6.825

ISO1600、30秒

JPEG撮って出し




馬の頭は写りませんでしたが、「燃える木」が写りました!

少しコントラストを上げてみます。


佐賀のオッサン星にハマる2


Microsoft Office Picture Manager

「明るさとコントラストの設定」でコントラスト+10、中間トーン+50



うーんあとちょっと、惜しいなぁ。空が暗ければ、馬頭星雲も引っかかってくれそうですが。。。

何だかブームが来そうな自作赤道儀。ご多分にもれず、私も自作したことがあります。


佐賀のオッサン星にハマる2


こんな赤道儀(+コンデジ)でも、広角の1分間程度の星野写真であれば、



佐賀のオッサン星にハマる2



この程度には写っていました。


佐賀のオッサン星にハマる2


線を引くとこんな感じです。




自作赤道儀も、仕組み自体は単純です。



星の日周運動は、


1日=24時間では360度

1時間では360度÷24時間=15度

1分間では15度÷60分=0.25度


だから、1分間に0.25度動かせばOK。


あとは三角関数で計算すればどのような寸法で作ればいいかわかります。


私はねじ山ピッチが1mmのM6ネジを使った赤道儀を作りました。

M6ネジを手動で1分あたり1回転すれば(秒針と同じ速さで回せば)、追尾できるというものです。



佐賀のオッサン星にハマる2


これを元に、


佐賀のオッサン星にハマる2


材料を購入して、



佐賀のオッサン星にハマる2


木材を切断して、


佐賀のオッサン星にハマる2


組み上げていきます。



佐賀のオッサン星にハマる2


100均で売っている三脚から自由雲台を拝借して、



佐賀のオッサン星にハマる2


できあがりはこんな感じです。



佐賀のオッサン星にハマる2


三脚のクイックシューに固定して使います。


佐賀のオッサン星にハマる2


佐賀の緯度に合わせて、



佐賀のオッサン星にハマる2


三脚にしるしをつけておきます。



佐賀のオッサン星にハマる2


これまた百均の方位磁石をマジックテープで取り付けて、極軸合わせもバッチリ(!?)




佐賀のオッサン星にハマる2


当時、この自作赤道儀で撮影したオリオン座。


ピクセル等倍で見るとイビツな星像だったりしますが、ブログネタにするくらいなら十分です。

もっとも、広角での撮影なので要求精度はかなり低いです。望遠レンズいわんや望遠鏡を載せて撮影するとなると、大変そうだなぁ。

組立天体望遠鏡+PENTAX Qの何の工夫も無い直焦点撮影システム。



佐賀のオッサン星にハマる2


KQアダプターの外径が鏡筒より大きいため、組立天体望遠鏡オリジナルの照準が使えなくなっちゃいました。


月のような明るく大きな天体であれば、このままでも楽に導入できますが、せっかくなのでファインダーを装着してみました。



佐賀のオッサン星にハマる2


いわゆる親子亀です。



で、早速、


佐賀のオッサン星にハマる2


実戦投入!


佐賀のオッサン星にハマる2


組立天体望遠鏡+PENTAX Q直焦点

ISO1600、30秒×3枚をYIMGで合成→NeatImageでノイズ除去→MSペイントでリサイズ。


一枚目、背面ディスプレイに表示された時、マジでビビりましたよ。

画角について、



佐賀のオッサン星にハマる2


直焦点って、つまりこんな光学系ですよね。



無限遠の光源からの光が届きました!



佐賀のオッサン星にハマる2


正面からの光(無限遠なので対物レンズのどの場所でも平行を保ったまま入射)は、焦点距離にある撮像素子の真ん中に結像します。



佐賀のオッサン星にハマる2



画角÷2の角度で入射した(これも無限遠なので平行に入射)光は撮像素子の端に結像します。



佐賀のオッサン星にハマる2


ちなみに無限遠ではない対象にピントを合わせるには、焦点距離よりも遠いところまで撮像素子を引く必要があります。

幅広い知識(!)をお持ちの池袋駅北口さん


組立天体望遠鏡+PENTAX Qの直焦点では、「画像の1ピクセル、角度の1秒、月面上の距離2km」 なんてことをサラっと書いちゃうわけですが、私には何が何でそうなるのかサッパリ。


でも、レンズが交換できるコンデジを入手したことだし、せっかくなので自分で計算してみました。



佐賀のオッサン星にハマる2

使う数字は、デジカメの撮像素子のサイズとレンズの焦点距離だけです。


PENTAX Qの撮像素子は1/2.3型。横幅6.2mm、縦幅4.6mmです。

組立天体望遠鏡の焦点距離は273mmです。


後は高校で習った三角関数タンジェントを使います。

実際の計算は逆関数であるアークタンジェントを使いますが、それもこれもエクセルを使えば簡単にわかります。


で、結果は、横画角は約1.3度、縦画角は約1.0度でした。



佐賀のオッサン星にハマる2


月は、約0.5度ですから、なるほど写真もそんな感じです。



なお、画角を秒単位で表すと、

横、1.301167・・・×60分×60秒=4,684.201・・・秒

縦、0.965401・・・×69分×60秒=3,475.442・・・秒


PENTAX Qの撮像素子は4,000×3,000の1,200万画素ですから、


横1ピクセル=4,684.201・・・秒÷4,000=1.17105秒

縦1ピクセル=3,475.442・・・秒÷3,000=1.15848秒


と、1ピクセルあたり約1秒と考えてよさそうです。


月までの距離は約38万4,400kmですから、


tan(1.17秒)=x÷384,400km

x=tan(1.17秒)×384,400km

x=2.1618・・・km


ということで、1ピクセルあたり月面では約2kmと考えてよさそうです。


と、ここまでは確かに勉強したことがあるのですが、エアリーディスクやら回析やらは、その意味からチンプンカンプン。

我が相棒PENTAX Q



佐賀のオッサン星にハマる2



ネット上で大方の評判はズバリ、「レンズ交換できるコンデジ」に過ぎないと言うことで、どうも評判が芳しくない。



それでも夜空に向ければ、



佐賀のオッサン星にハマる2



これくらい写るもんね!フンガッ!フンガッ!


もっとも、我が家の旧来機のコンデジ


佐賀のオッサン星にハマる2


IXY20ISでも、



佐賀のオッサン星にハマる2


これくらいは撮れていたんですが(^^;



さて、PENTAX Qを天体撮影に使おうとすると、


苦其の壱 は、センサーサイズが小さいため高感度撮影や長時間露出が苦手。


苦其の弐 シャッタースピードに制約がある。


星雲・銀河といった淡い天体を撮影するには長時間露出が必要ですが、PENTAX Qは最長30秒間、バルブでも32秒です。


苦其の参 そもそもシャッター機構に制約がある。


本体に機械式シャッターがありません。レンズのシャッターを使います。レンズにシャッターが無い場合は本体の電子シャッターを使います。この電子シャッターは最長2秒間しか開けません。


という三重苦


今のところシャッター付きのレンズは高性能レンズシリーズ(Qマウント01、02、06)の3本。03魚眼を含むユニークレンズを使うと本体の電子シャッターを使うことになります。03魚眼で星野写真なんか面白そうですが2秒じゃねぇえぇ。。。


そういうわけで、Qマウント用Tリングというのは需要が少ないためか、製品として販売されているのは、ヤフオクで出品されている程度ですが、そのままでは2秒超の露出ができないため、太陽、月、明るい惑星程度しか対象になりません。


幸か不幸か、純正KQアダプターにはシャッター機構がついていますので、これを噛ますことで30秒まで開くことができるようになります。


そこで、純正KQアダプター+Kマウント対応Tリングという組み合わせになるわけですが、KQアダプターを購入した時点で結構な出費になっちゃいます。


電子シャッターは、ファームウェア次第でどうにでもなると思いますんで、CHDKみたいに誰か有志で組んでくれんかな。




追記

上の写真では、自作のソフトフィルターを使っています。



佐賀のオッサン星にハマる2


プラ板に100均クリアスプレーを一噴きしたものをゴムひもで固定しただけです。

汎用性(笑)があり、PENTAX Qにも取り付けることができました。

組立天体望遠鏡+PENTAX Qで直焦点撮影をやるには、


佐賀のオッサン星にハマる2


こんな感じで撮ればOK。


皆さん色々と工夫されています。


池袋駅北口さん

組立望遠鏡での撮影法

組立望遠鏡のセットアップ


惑さん

テーマ「組み立て望遠鏡」


競合他社がここまで先を走っている同じ土俵で四つに組んでも勝ち目は無いよね。




無理に張り合わず、安易な手段に走ります。そう、金で解決。



佐賀のオッサン星にハマる2


ジャーン!何だか部品が色々。



佐賀のオッサン星にハマる2


左から、


・31.7mmスリーブ>T2オスアダプター(スタークラウド扱いの拡大撮影用アダプターの先っぽ部分)


・ペンタックスKマウント用Tリング


・KQアダプター


を接続し、ボーグ4611接眼筒にブチ込みます。


ちなみにKQアダプターだけでカメラ本体の値段を軽く超えます。

まさに足元を見られたカモネギ状態。



佐賀のオッサン星にハマる2


天頂プリズム仕様にするため短縮した鏡筒で見事に合焦してくれました。



PENTAX Q購入時の下調べで目にした言葉。

「機材に金をかけてるくせに作品が残念なジジィが一番イタい。」

昨晩ブログにアップした月の画像が何かおかしい、と思っていたら、どうやらモノクロで撮影していたみたいです。


同時期にカラーで撮った月を再アップします。



佐賀のオッサン星にハマる2


まず、組立天体望遠鏡+PENTAX Q直焦点、JPG撮って出しのリサイズのみ。



佐賀のオッサン星にハマる2


トリミング。



佐賀のオッサン星にハマる2


ピクセル等倍で切り出し。色収差でしょうか?ピンボケでしょうか?



それにしても、筒は同じ組立天体望遠鏡でもすごい人たちがいます。


池袋駅北口さん惑さん に大きく差をつけられています。

昨年、サンタさんから頂いたPENTAX Q。


佐賀のオッサン星にハマる2


ちょうど同じ値段だけクレジットカードで引き落とされていたことに気付かない方が幸せだったわけですが、せっかくレンズ交換式カメラを手に入れたので天体写真にもチャレンジしたいよね!


と言うわけで、色々と自腹で買い込んで、


佐賀のオッサン星にハマる2


YES!直焦点!


佐賀のオッサン星にハマる2


さらっと言っていますが、カメラ本体以上の出費です。

そんな無駄遣い、旧ブログ時代には絶対できませんでした。へび年は脱皮して生まれ変わる年だと言います。私も新ブログに移行して生まれ変わったと同時に、何か大事な物をなくしてしまったのかもわかりません。



佐賀のオッサン星にハマる2


何はともあれ、十六夜物語by河合奈保子!


佐賀のオッサン星にハマる2


この画像はリサイズのみです。ISO125で1/320秒、JPG撮って出し。

組立天体望遠鏡は273mmで、PENTAX Qの直焦点では35mm換算で約1,500mm。ちょうど月がスッポリ入る大きさですね。(中心外していますが)


佐賀のオッサン星にハマる2


ちょっとトリミング。


佐賀のオッサン星にハマる2


2時方向、危難の海周辺をピクセル等倍で切り出し。

我が家の主砲は、15cm反射鏡(SE150N)です。


佐賀のオッサン星にハマる2



が、やはり大きくて重いので、自宅からのお気楽観望に重宝しているのが、



佐賀のオッサン星にハマる2


組立天体望遠鏡。が、しかし、


佐賀のオッサン星にハマる2


天頂付近はこんな状態になってしまい、体勢的に無理です。


そこで、天頂プリズムを付けちゃおうという話。


佐賀のオッサン星にハマる2


組立天体望遠鏡の鏡筒は左右2つの部品からできています。


佐賀のオッサン星にハマる2


この鏡筒をノコギリで切断します。


佐賀のオッサン星にハマる2


切断面を紙やすりで整えて接着剤で固定します。


佐賀のオッサン星にハマる2


鏡筒には架台固定用の穴を開けます。


佐賀のオッサン星にハマる2


鏡筒内には植毛紙を貼り、



佐賀のオッサン星にハマる2


対物レンズはコバ塗り。


佐賀のオッサン星にハマる2


接眼筒も切断して、



佐賀のオッサン星にハマる2


プラ板で内径を調整しつつ、



佐賀のオッサン星にハマる2


組立天体望遠鏡やるなら必携の200円ちょっとのボーグの4611延長筒。



佐賀のオッサン星にハマる2


0.5mm厚のプラ板をぐるっと一回り巻いて接着しちゃいます。


佐賀のオッサン星にハマる2


接眼筒内も植毛紙を貼りつけます。



佐賀のオッサン星にハマる2



角材を切って削って穴開けて色塗って、三脚のクイックシューに載せるアタッチメントを作ります。



佐賀のオッサン星にハマる2


こちらはプラ板を丸めて、内側には植毛紙、外側にはカッティングシートを貼ります。


以上を組立てると(ここから10分間(笑)


佐賀のオッサン星にハマる2


とても1,580円には見えません。海外のプレミアム鏡筒と言える出来。



佐賀のオッサン星にハマる2


遮光環はなくなりましたが、植毛紙のおかげで鏡筒内迷光も皆無です。(手前のテカリは4611=31.7スリーブ)


佐賀のオッサン星にハマる2


天頂プリズムを装着しても違和感がありません。



佐賀のオッサン星にハマる2



実戦投入!


かっこいいのですが、欠点もあります。


ピント合わせのヘリコイドが天頂プリズムの前にあるので、ピントを動かす度に天頂プリズムも回転してしまいます。これがなかなか厄介です。


まぁ、一度合焦したら動かさない(一人の観測者が一本のアイピースしか使わない)ようなシーンであれば問題ありません。組立天体望遠鏡で仰角を気にせず星空散歩できるのは快適です。


自宅からは5mmのアイピース55倍で月・惑星の観望がメインです。暗いところへ持っていき、25mm11倍で流すと、明るい散開星団だけでなく、M81&M82のようなディープスカイも楽しめましたよ。