【閃き】たとえ誰も来なくても | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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毎朝4時起き、スポーツと読書が大好きな税理士/公認会計士がお送りする税務・会計に関する本業ブログです。
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皆さま、こんにちは。
税理士・公認会計士(船戸明)の「本業ブログ」にようこそ。

 新しい事業を始めたい。たとえば経営者からそういう話を聞いたとき、税理士でありながらまず気になるのは「儲かるかどうか」ではなく、「その事業への思い入れがどれくらいあるか」です。

「うまくいかなくなっても続けますか?」
「たとえ誰も来てくれなくても続けますか?」

 新しい事業を始めるには、その事業を取り巻く関係者がいるはず。取引先なのか、協業者なのか。事業がうまくいっている間は、何も問題がありません。協力関係もスムーズに進むはず。

 揉めたり、空中分解したり、喧嘩別れになったりするのは、うまくいかなくなったときのことでしょう。それで辞められる程度の事業であるなら、最初からやらないほうがいいのではないか。そんな疑問を投げかけるのが、上の問いです。

 最近でこそ「パーパス」という言葉がしきりに喧伝されるようになりました。「存在意義」と日本語で言えばいいでしょう。かつ、そんなカタカナ語で語られるずっと前から、数字より大事なことは事業にかける熱意であると言われ尽くしてきました。思いがあれば伝わるとは限らない。でも、思いがなければ伝わらないのは確かです。

 日本経済新聞最終面の文化欄。時に、予想もつかない話が飛び出すことがあり、朝の楽しみの1つになっています。昨日は「もじゃハウス」でした。「植物がのびのびと育ち、緑でもじゃもじゃした家。私はそんな建物を「もじゃハウス」と名付け、愛している。10年以上にわたって独自に「もじゃハウス」を設計し、模型を作り続けてきた。昨年、作りためた模型を集めて東京、大阪で展覧会を開いた」(16日、日経)。

 樹木医の干潟裕子さんは、幼少の頃から植物に囲まれた家で育ったそうです。「社会人となり、東京のブラック企業に勤務し心身とも疲弊した夜。新宿のサザンテラスにある樹木の下で、毎日通っていた道なのにこの木の存在に気づく余裕すらなかったと大泣きしたのを覚えている」(同)。本当に気づいてよかったと思います。「木に、植物に救われた」と。

 その後、二級建築士の資格を取得し、「もじゃハウスプロダクツ」も立ち上げたのだとか。もじゃハウスの持ち主への取材を重ね、海外にも出かけ、小冊子もつくり、樹木医の資格も取得した。その熱意に驚かされます。最後のオチも、笑ってはいけないのかもしれませんが、笑ってしまいました。

「事務所を構えて12年、実際の設計依頼はまだゼロ。……私と同じくもじゃもじゃの建物を愛する皆さん。設計依頼をお待ちしています」(同)。誰も来なくても続けるくらいに思い入れが強い。その文章に惹きこまれました。もじゃハウスが似合いそうな山あいに、設計を依頼してみたいものです。




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