【対話】人の話を聞かない | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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皆さま、こんにちは。
税理士・公認会計士(船戸明)の「本業ブログ」にようこそ。

 とにかく話を聞く、というブログを数日前に書いておいてなんですが。

 昨日、住友重機械工業の下村真司社長が書いた文章が目に留まりました。「「人の言うことを聞いているようで聞いてないですよね」と周囲によく言われました。リーダーとして組織を率いるには、全員の言うことを聞いていては物事が進みません。私の方針についていろいろ意見が返ってくることもありますが、最終的には自分の信念を貫きます」(15日、日経)。

 ほんのわずかの会社員期間中、実感したことと同じです。会社において「話を聞く」ということは、何らかの対応をするということ。何社もの寄せ集めだったその会社で全員の話を聞いて対応したのでは、コストが半分どころか、2倍にも3倍にもなってしまいます。

 ただ、下村さんの言う「信念」を持っているかどうか。方針に反対されると、感情的になり反論してしまう場面もよく見ますが、反対されても貫き通せるだけの信念が組織の長には求められるのでしょう。単なる自分の思い込みではなく、何かあれば全責任を負うという覚悟を伴う信念です。

 先日来、北海道や青森でもオーロラが見られたのだとか。その話は家族がさんざん語っていました。へえ、ふーん、ああそう、といい加減な返事をしていた。頭に残っていたのは「北海道」「オーロラ」くらい。

 数日後の朝、日本経済新聞の『春秋』という小さなコラムを読んでいると、オーロラは太陽フレアが発生しているからと書いてありました。おー、そうなのか、と思い、オーロラの話に熱心だった家族に早速報告。すると、「この間、話してたやん! 人の話、聞いてないなあ」と呆れられた。

 いや、ビックリしました。話を聞いていないことがばれたことにではありません。そうではなく、明らかに聞いていないであろう生返事しかしていなかったのに、家族がそれに気づかず「話を聞いてもらっている」と思っていたことに、です。

 精神科医は語っていました。「相手の話へ熱心に耳を傾けることがモテるコツ、といった話はかなり知られているのではないだろうか。……でもそれを実践している人は案外少ない。だって相手の話はおおむねつまらないうえに「くどい」のである。聞いていること自体にうんざりしたり、つい「そんなに嫌なら、無視すりゃいいだけじゃないか」などと身も蓋もないツッコミを入れたくなるからだろう」(春日武彦、『鬱屈精神科医、占いにすがる』河出文庫、P.108-109)。

 税理士も、案外少ないほうに入らなければなりません。その反動が、家庭にしわ寄せとして現れているのかも、というのは都合のいい解釈でしょうか。




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