皆さま、おはようございます!

 

前回のブログ新函館北斗駅の訪問記をUPしました。函館本線・新函館北斗駅

新函館北斗駅は北海道新幹線の終着駅で、

平成28年春に竣工したばかりの真新しい駅舎を持つ駅でしたが、

ここで質問!

新函館北斗駅の隣りにある駅は、どんな姿を想像します?

街ナカの駅? 閑静な住宅街にある駅?

 

新函館北斗駅のお隣りにある

函館本線・仁山(にやま)駅は、こんな駅でしたのよ。

函館本線・仁山駅

マジすか?

ここの隣りが新幹線の終点とかマジで信じられん。

 

念のために駅名標を確認しましたが、

隣りは間違いなく新函館北斗駅だったみたいですね。

函館本線・仁山駅

それにしても2駅は3キロちょっとしか離れてないのに…

駅の造りに差があり過ぎやしません?

 

新函館北斗駅から下り列車(長万部駅方面)に乗ると

列車はどんどん急勾配(20‰あるらしい)を駆け上がってゆき、

その勾配の途中に現れるのが仁山駅でしたよ。

函館本線・仁山駅

 

それにしても、仁山駅の駅舎の様相にも驚きましたけど、

それ以上に驚愕したのは駅前の閑散さ。

温泉宿とその先にスキー場があるだけで民家はありません。

3キロ先に新幹線の終点があるとはとても思えないのですけど。

それでも1日に20人近くの乗車客数があるのですから

仁山駅、頑張ってますよ。

函館本線・仁山駅

 

名所案内によれば仁山高原の最寄り駅みたいですけど、

徒歩1時間はちょっとキツイなぁ。

函館本線・仁山駅

 

駅前には観光客を迎え入れる「歓迎塔」が立ってますが、

そこに記されてる文字は高原やスキー場ではなく、

なぜか「ようこそ仁山駅へ」。

函館本線・仁山駅

こんな仁山駅だから降りてくれただけでも大歓迎ってことでしょうか?

 

さてさて、こんな仁山駅は生い立ちがとても面白いのです。

元々は列車を行き違いさせるために設けられた仁山信号場

昭和11年に開設、勾配上にあったことから

スイッチバック構造だったようですね。

昭和18年になると仁山仮乗降場へと変わり客扱いを開始。

昭和19年に現在の場所に移設されたとのことです。

ん? 昭和19年に移設とな?

駅前に立つ顕彰碑にその経緯が記されてましたよ。

函館本線・仁山駅

 

駅舎には昭和19年に建てられたことを示す建物財産票が貼られてました。

顕彰碑に記された仮乗降場の「移設年」と見事に一致してますね。

函館本線・仁山駅

 

ここで気になるのは、仁山駅の前身である仮乗降場(信号場)が

昭和19年に移設されてたという事実。

…となると開設当時の信号場は別の場所にあったということです。

元々信号場があった場所のことが気になりません?

そこでチェックしたのが、

国土地理院のサイトに掲載されてた昭和19年撮影の航空写真でした。

函館本線・仁山駅

先にも書きました通り、仁山信号場はスイッチバック構造で

本線を挟むように双方に横取線が伸びてますが、

注目は本線と横取線が交わる画像の中央部分です。

国鉄官舎らしき建物が写ってますけど、

ここに当時は信号扱い所があったのではないでしょうかね?

 

信号場が仮乗降場に変わったのが昭和18年で

現在の場所に駅(仮乗降場)が移されたのは昭和19年のこと。

移設される以前から客扱いが行われているので

現在の仁山駅とは別の場所にもホームがあったはずなのです。

そこでチェックしたのが昭和22年撮影の航空写真でした。

横取線にホームらしきモノと、そこに繋がる道が見えますので、

以前はここで客扱いが行われていたのではないでしょうか?

函館本線・仁山駅

昭和41年に函館本線のバイパス線である

平坦な藤代線(七飯駅-大沼駅間の支線)が開通したことから、

スイッチバックを利用していた下り貨物列車は

藤代支線経由に改められたためにスイッチバックは廃止された…

などと妄想しながら航空写真を眺めてましたが、

史実はどうだったのでしょう?

こんな謎解きが楽しめるから駅巡りは止められません。

 

それでは駅を眺めてみます。

駅前にはレトロな駅便(駅の便所)がありましたが、

こちらも駅舎と同様に戦前に造られたモノではないでしょうかね?

函館本線・仁山駅

 

駅舎の中はご覧の通りです。

函館本線・仁山駅函館本線・仁山駅

昭和61年まで出札業務が行われていたようですが、

当時の面影は何も残ってませんでした。

仁山駅は国鉄がJRに移行した昭和62年に

それまでの仮乗降場から駅に昇格したそうですけど、

仮乗降場時代は駅員が配置されてたのに

駅に変わった時点では無人駅だったとか、稀なケースではないかしら?

 

駅舎を抜けてホームに入りますよ。

函館本線・仁山駅

 

仁山駅は列車の行き違いが可能な相対式ホーム2面2線構造でした。

函館本線・仁山駅

函館本線・仁山駅

ホーム自体が急勾配上に設けられているので

ホームに立ってっても、どこか落ち着きません。

平地に建ってる駅舎と見比べて、

ホームが傾斜しているのがわかりますでしょうかね?

 

ここでは新函館北斗駅方向に注目です。

現在は廃止されたスイッチバックですけど、

下り列車の加速線として使用されてた横取線付近に

今でも線路が残っているのです。

しかも近くに舗装道路が伸びてるじゃないですか!

函館本線・仁山駅

そうとくれば、見に行くっきゃありませんよね!

 

駅から7分ぐらい歩いたかな?

スイッチバックの遺構である保線車両の留置線にやってきましたぜ☆

奥に見えるのが、列車が運行されてる本線です。

函館本線・仁山駅

 

留置線から仁山駅方向を見ます。

函館本線・仁山駅

線路が本線に向けて真っすぐ伸びてました。

蒸気機関車時代はこの勾配を利用して一気に加速、

その先にある急勾配を駆け上がっていたわけですね。

 

留置線の途中に分岐器がありましたが、

平成25年製造の銘鈑が付いてましたので、

現在でも保線車両の留置線として機能してるのではないでしょうか。

函館本線・仁山駅

 

最後は再び仁山駅に戻り、勾配を下ってきたキハ40を見送りました。

函館本線・仁山駅

函館本線・仁山駅

…仁山駅、面白すぎる!

最新の新函館北斗駅よりも楽しく感じたのは自分だけでしょうかね?

重ねて言いますけど、ここの隣りは新函館北斗駅。

北海道新幹線の終点に着いて

わずか3キロ先にこんな駅があるのですから驚きです。

 

 

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