核戦争が発生し北半球は人間が住めない場所になってしまった。ドワイト・タワーズが指揮する原子力潜水艦ソウフィッシュ号はまだ人間が住んでいると思われるメルボルンに向かった。
製作年:1959,監督:Stanley Kramer,脚本:John Paxton,原作:On the Beach (1957,Nevil Shute)
■ はじめに
◆ 登場人物(キャスト)
ドワイト・タワーズ(グレゴリー・ペック) 艦長
シャロン・タワーズ(-) ドワイトの妻、すでに死亡
ドワイトの子供(-)すでに死亡
ピーター・ホームズ(アンソニー・パーキンス)
メアリー・ホームズ(ドナ・アンダーソン) 妻
ジェニファー・ホームズ(?) 二人の娘
ラルフ・スウェイン(ジョン・メイロン)
サンダーストロム(ハープ・マグワイア)
アッカーマン(ジョー・マコーミック)
ジュリアン・オズボーン(フレッド・アステア)
モイラ・デイヴィッドソン(エヴァ・ガードナー)
ビル・デイヴィッドソン(ルー・ヴァーノン) モイラの父親
◆ 補足
「渚にて」では内容を想像できないが、露骨な題名をつけるわけにはいかないか。この題は最後にデイヴィッドソンが原潜を見送る場面を意味していると思われる。
ドワイト・タワーズは少佐となっているようだが、原潜の艦長であれば、もっと上位なのでは?と思う。なので他の人物も含めて階級はすべて無視した。
グレゴリー・ペック(1916年4月5日-2003年6月12日:87歳)は彼が表現する抑制的なキャラクターがいつも問題である。そんなことを言いながら彼の映画はわりと見ていたりもする。だが本作では、このキャラクターがむしろ生きている。
今回は「(1948)廃墟の群盗/Yellow Sky」を推薦作としておく。共演はアン・バクスター(1923年5月7日-1985年12月12日:62歳)。グレゴリーは強盗団のリーダー。小柄なアンがライフルを持って銃撃戦を展開している。
エヴァ・ガードナー(1922年12月24日-1990年1月25日:67歳)はミッキー・ルーニーやフランク・シナトラと結婚していた。グレゴリー・ペックとは「(1952)キリマンジャロの雪/The Snows of Kilimanjaro」でも共演している。
アンソニー・パーキンスは「(1960)サイコ/Psycho」のイメージが強烈だが、本作の方が先に撮影されている。
■ あらすじ
◆ 核戦争
1964年の核戦争の結果、北半球は人類が住めない場所になってしまった。
原子力潜水艦「ソウフィッシュ号/Sawfish」は太平洋で潜航していた。
艦長のドワイト・タワーズは生存者がいるかもしれないとの希望からオーストラリアに向かい、メルボルン港に入った。
そこではまだ人々が住んでいたが、今後は次第に放射能に汚染されていくことは間違いがなかった。
◆ 北半球の状況を調査する
オーストラリア政府は南半球や南極ならば今後も生存が可能かもしれないという希望を抱いていた。
それでタワーズに北半球の放射能の状態を調査するように依頼した。
連絡将校としてオーストラリア海軍のピーター・ホームズが乗り込んで、ソウフィッシュ号は北に向かうことになった。
◆ モイラ・デイヴィッドソン
タワーズの妻のシャロンや子供のジェニファーは当然ながら死亡しているものと思われた。
出港準備が続けられている時、タワーズのことを気の毒に思ったのかホームズは、タワーズを元気づけようと妻のメアリーと共にバーティを開いた。
出席者の中にモイラ・デイヴィッドソンがいた。ホームズ夫妻がタワーズの気分を少しでも紛らわせるようにと招いたものである。
タワーズはデイヴィッドソンに惹かれたが、コネティカットに残してきた家族のことも深く思っていた。そして艦長という立場もあつた。
◆ 出港した
だがタワーズの精神状態は次第に混乱してくる。そしてある時はデイヴィッドソンをシャロンと間違えるということも起こった。
それを見たデイヴィッドソンは「シャロンになっても良い」と伝えたが、それもタワーズには受け入れられるものではなかった。
出港の準備が整った。タワーズはデイヴィッドソンには知らせずに出港し、彼女は後ほどそれを知った。
◆ アラスカからサンフランシスコ
ソウフィッシュ号は北極海まで進み、アラスカのポイント・バローに到着した。そこは放射能濃度がむしろ強まっていた。
次にサンフランシスコ沖に進んだ。
家族を残してきたラルフ・スウェインは耐え切れずに脱出ハッチから抜け出して泳いで陸地に向かった。
ソウフィッシュ号は浮上してタワーズが潜望鏡から覗くと、スウェインが小舟にのって釣りをしていた。
スウェインと話をすると、家族はすでに亡くなっているとのことで、持ち場を離れたことを謝罪した。
彼は「ここで死にたい」と述べて別れた。
◆ 地上からの信号
ソウフィッシュ号は少し南下してサン・ディエゴ沖に来た。
ここでは陸上から不規則な信号が発信されていた。
調査のためにサンダーストロムは放射線防護服を着て酸素ボンベを背負って艦から離れて上陸した。タワーズは「一時間以内に戻れ」と指示した。
サンダーストロムは上陸して信号の発信源を調べて発見した。
それは生きた人間が発信していたのではなく、発電所の無線室で割れた窓から吹き込んだ風で電信機のキーが動き、無意味な信号を発信していたものだつた。
◆ オーストラリアも安全ではなくなった
生命の痕跡を発見できなかったソーフィッシュ号はメルボルンに戻った。
タワーズはデイヴィッドソンと再会し彼女の父親の農場に行った。
ここで「ブリスベンのアメリカ海兵隊の全将兵が死亡した」との連絡が入った。
オーストラリアも安全ではなくなった。
アメリカ海軍の生き残りは、ソーフィッシュ号の乗組員だけと思われ、タワーズはアメリカ海軍を指揮する立場となった。
◆ グランプリ・レース
オーストラリア・グランプリ・レースが開催された。知り合いのジュリアン・オズボーンが出場した。
もう失うものがない多くのレーサーが無謀なレースをして命を落とした。
オズボーンはレースで優勝すると言う長年の夢を叶えた。
◆ 釣り旅行
タワーズとデイヴィッドソンはメルボルンの北東のナーベソンに釣り旅行に出かけた。
世界が崩壊の瀬戸際にあると思えないように多くの人々で賑わっていた。
二人は夕食を共にし、その後は初めて一緒に寝た。
外では人々が楽しそうに騒いでいた。
◆ 潜水艦はアメリカに向かう
メルボルンに戻ったタワーズは乗組員のアッカーマンが放射線障害を発症したことを知らされた。
メルボルンも放射性物質を含んだ物質が飛来し、放射能濃度が高まっていた。
オズボーンはグランプリ優勝で授与された記念のナンバープレートをつけた車に籠って窓を閉めエンジンをかけて一酸化炭素中毒で自殺した。
メアリー・ホームズはこの事態に耐えられずにいたが、やっと正気を取り戻し、夫のピーターに感謝を表明した。
彼女は紅茶を飲みほした。それにはメルボルン市から配布されている昏睡状態を誘発する薬が含まれていた。彼女は永久に眠りについた。
タワーズは乗組員たちと話した。彼らは「故郷で死にたい」と話した。
それは出港してアメリカに向かうことを意味する。
◆ デイヴィッドソンはタワーズを見送った。
タワーズはデイヴィッドソンに電話をかけた。
デイヴィッドソンは埠頭で彼を見つけて抱き着いた。
タワーズは任務で出航しなければならないと告げて、彼女に別れを告げた。
デイヴィッドソンは崖の上に立ってソーフィッシュ号が出港し、さらに潜航する姿を見つめた。
◆ ラスト
ついにオーストラリアでもすべての人が死亡し、メルボルンの町も無人となった。
町の一角では救世軍の「まだ間に合う、兄弟よ」と記された横断幕がはためいていた。
■ 出演作
◆ グレゴリー・ペック
(1945)白い恐怖/Spellbound
(1947)パラダイン夫人の恋/The Paradine Case
(1962)アラバマ物語/To kill a Mockingbird
(1958)大いなる西部/Big Country
(1947)決死の猛獣狩り/The Macomber Affair
(1948)廃墟の群盗/Yellow Sky
(1952)世界を彼の腕に/The World in His Arms
(1953)ローマの休日/Roman Holiday
(1958)無頼の群/The Bravados
(1949)頭上の敵機/Twelve O'Clock High
(1968)レッド・ムーン/The Stalking Moon
(1946)白昼の決闘/Duel in the Sun
(1974)荒野のガンマン無宿/Billy Two Hats
(1976)オーメン/The Omen











