陸軍に勤務するハンクはアラバマに転勤となった。妻のカーリー、娘のアレックス、ベッキーとともに引っ越した。
ハンクはネヴァダに出張になり地下核実験の作業に加わった。ヘリから監視していると立ち入り禁止区域にカウボウイ姿をした二人がいた。慌てて実験中止を要求するが上司から拒否された。
一方、カーリーはハンクの上司ジョンソンと関係してしまった。アレックスに目撃され、責められてハンクに報告した。
ハンクは戻ってきて核実験の件でジョンソンに抗議した。ジョンソンは浮気のことかと誤解する。ハンクはジョンソンを殴り倒した。
上官に対する反抗でハンクは強制入院させられ、朦朧・痴呆状態となった。
カーリーは先般のカウボウイのところに行って証言を依頼するがダメだったので、実験場に入り込んだ。ちょうど報道陣に実験を公開しており、カーリーがテレヴィに大写しとなった。
カーリーは実験の責任者と対決したが拒否された。しかしテレヴィを見たジョンソンが慌てて、ハンクの除隊書類を作成。ジョンソンは降格された。
ハンクは除隊し、新たに大学に職を得た。一家四人は新天地に向かって基地を出ていった。
製作:1994年、脚本:ラマ・ローリー・スタグナー、アーレン・サーナー、ジェリー・レイクトリング、監督:トニー・リチャードソン
■ はじめに
◆ 登場人物(キャスト)
ハンク・マーシャル(トミー・リー・ジョーンズ) - 少佐
カーリー・マーシャル(ジェシカ・ラング) - 妻
アレクサンドラ・マーシャル(エイミー・ロケイン) - 長女、通称アレックス
ベッキー・マーシャル(?) - 次女
ヴィンス・ジョンソン(パワーズ・ブース) - 大佐、ハンクの上司
ヴェラ・ジョンソン(キャリー・スノッドグレス) - ジョンソン大佐の妻
グレン・ジョンソン(クリス・オドネル) - ジョンソン大佐とヴェラの息子
◆ 補足
時代設定は1962年。カーリーとハンクは結婚して18年。アレックスは15歳くらい。カーリーのキャラクタが本作の見どころ。「カーリー」のネーミングは最後に髪をカールするからか?
「ブルースカイ」はハンクが従事したネヴァダの実験の名称。
ジェシカは本作でアカデミー主演女優賞を貰った。ジェシカはキャラクタと感情を表現する俳優である。これが私がジェシカを好きな理由。
■ あらすじ
◆ ハワイ
誰もいない砂浜にカーリーがいる。上半身裸。寝そべったり、踊ったり、海に入ったり。大きな模様が描かれた布を持っている。それが目立つ。
上空を軍のヘリが飛んでくる。ハンクが乗っている。「あれが自分の妻だ」と同乗者に説明している。
ハンクは着陸してから「ちゃんと妻を管理しろ」と言われる。
NATOの軍人たちが来ている。その間でカーリーが踊っている。一人だけ浮いている雰囲気。
ハンクはカーリーと二人だけになった時、浜辺で裸になっていたことを注意した。「バルドーの裸に比べれば地味よ」と言うので、「君はバルドーじゃない」と言い返す。
さてハワイでの勤務が終わり、ハンクはアラバマへ転勤となった。
◆ アラバマ転勤
カーリーは飛行機の中では一人ではしゃいでいた。しかし基地内の宿舎に入ると、途端に不満を述べて暴れ始めた。
転勤のたびに何度も、このような状態のカーリーを見ているアレックスとベッキーは「また始まったわ」と言っている。
カーリーは家を飛び出して車に飛び乗った。ハンクも車で追いかける。車を走らせて基地内の売店に飛び込む。中で暴れ出す。
ハンクがカーリーを抱きしめて「誰よりも君を知っている」と言うとカーリーは静かになって頷いた。
家に戻ってきてハンクは子供たちに「彼女の本質を愛そうと決めてるんだ」と言う。アレックスは「パパもイカレテル」。カーリーが「ごめんね」というと、アレックスはまた「聞き飽きた」と切り返す。
◆ ヴェラ・ジョンソン
カーリーは家の中でたくさんの人形を飾っている。ハンクの上司ジョンソン大佐の妻のヴェラが訪ねてくる。
ヴェラは人形の数に感心する。この時はカーリーは機嫌がよい。
ヴェラが「夫人クラブの演芸会がある」と話すと、カーリーは早速「ダンサーはいらない?」とウキウキしだす。「独身だったら映画スターになるわ」。
ヴェラが帰ってから家の中で踊り出す。
ハンクの家族とジョンソンの家族が会った。息子のグレンは、アレックスと同じ年ごろ。お互いに気に入ったようである。アレックスは「10代の核兵器反対運動をしようか」と言っている。
◆ 基地の歓迎パーティ
他の新入者も含めて基地の歓迎バーティが開かれた。
ハンクは、他のメンバーと「地上ではなく地下核実験を支持する」というような話をしている。注、本作は1962年の設定。
カーリーはジョンソンに誘われてダンスをした。最初はジルバを踊っていたが、ブルースになり二人の体がくっついてきた。ハンクがそれを気にしている。
ハンクが二人に割って入って「帰るぞ」と言う。すとるカーリーは一人で勝手に踊り出す。皆の間を縫って踊りながら移動していく。ヴェラは「何とかしてよ」と言っている。
ハンクがカーリーを抱えて会場から連れ出す。
一方アレックスとグレンはマーシャル家の外にある長椅子に座って話している。なかなか良い感じ。アレックスが「座ってるだけで、何もしないのね」と言うと、グレンはアレックスに寄ってくる。
二人がキスしたら親が帰ってきたので、二人は慌てて離れる。
家に入るとカーリーはハンクにヒステリックに怒る。
◆ 手榴弾事件
ハンクはネヴァダの実験場に一時転勤となった。ハンクは「ダビデ王は臣下の妻を自分のものにするために、臣下を戦場に行かせた」と言って出発した。
グレンとアレックスは基地内の立ち入り禁止区域に入った。もう使われなくなった兵器などが雑然と置いてある。グレンは得意になってアレックスにいろいろと解説する。
二人は壊れかけた小屋の中に入った。アレックスが机の引き出しを開けて、丸いものを取り出した。手榴弾!グレンは手榴弾を取り上げて外に放り投げた。爆発!
軍の車両が何台も駆けつけて二人は取り囲まれた。しかし事情が分かり、二人は注意だけで済んだ。
カーリーは「何をしてたの?握ったのは手榴弾だけ?」と言うとアレックスは「ママは不潔よ」と反撃。
◆ ネヴァダ
ハンクはヘリに乗って、地下核実験場の上空を警戒している。
しかし馬に乗ったカウボウイを二人発見した。即座に報告し、実験中止を要請した。だが要請は無視されて、実験は行われた。
着陸して上官に抗議したが「外部に漏らすな」と言われた。その後同僚に「これは犯罪だ」と話した。
◆ カーリーとジョンソン
カーリーは夫人クラブで勝手に調子に乗って踊っていた。毎度のことなので、他の女性は、もう飽き飽きしている。
ジョンソンが来た。家まで送ってもらうことになった。
一方、アレックスとグレンは、相変わらず仲が良いようである。そして基地内を探検している。
二人は古い小屋に行って外から中を覗いた。しかしその中ではジョンソンとカーリーが寝ていた。
アレックスは「パパに言うわ、可哀そうよ」とカーリーを批判。カーリーはアレックスにせっつかれて、仕事中のハンクに電話する。
ハンクは巨大な建物の中で作業中。電話を取ったが、周りがうるさくて聞き取れない。聞き取れないので、受話器からスピーカに切り替えた。カーリーの声が建物中に聞こえる。
内容が分かって慌てて電話を切った。
◆ ハンクが戻ってきた
ハンクが家に戻ってきた。アレックスは「(ママとは言わずに)あの人はパーティよ」と言う。
カーリーはヴェラと喧嘩している。周りからは白い目。「誤解されやすいの、みんなから根も葉もないうわさ話ばかり」。
ジョンソンも見ている。そこにハンクが入っていた。ジョンソンの前に立った。怒っている。
ジョンソンは不倫の話と誤解する。注、我々も誤解する。
しかしハンクは「ブルースカイの話です」と言うが「寝取られた腹いせか?」と反撃されたので、ジョンソンを殴り倒す。上官に対する暴力である。
二人が喧嘩したときの反動でカーリーが倒れてガラスが割れてケガをする。入院した。
カーリーはベッドに寝ている。そばにハンクが来る。「君はやりすぎる」「深い意味はなかったの」「疲れた」。二日で退院できるらしい。
◆ 強制入院
ジョンソンは囚われているハンクのところに来た。「救う方法が一つだけある」と話す。「ストレスを理由にする」。ストレスが原因で上官に暴力を振るったことにする。
しかしハンクは拒否する。
ハンクは強制入院させられた。カーリーが面会に言ったが、すぐには面会できないとのこと。
しばらくして家族で面会に行った。しかしハンクは、朦朧・痴呆状態となっていた。まともに受け答えができない。
帰りがけにアレックスは「ママのせいよ」と非難した。
おりしも式典が行われていた。ジョンソンが壇上に立って演説している。
カーリーは車で乗りつけて、警備をかいくぐってジョンソンの前に来て、ジョンソンを指さして大声で批判した。
◆ 実験場
カーリーは朝早くアレックスとベッキーを叩き起こして、車に押し込んで出発した。ハンクが持っていたブルースカイの書類を持ち出していた。
実験場の近くの、例のカウボウイがいる場所についた。「メディアで証言してほしい」と説得するが、断られる。
カーリーはこっそりと馬に乗って実験場に潜入した。
おりしもメディアを招いて実験の模様を中継しようとしている。
実験場の様子が画面に表示される。馬に乗ったカーリーが画面に表示された。大騒ぎとなる。
その後カーリーは実験の責任者と対決する。テレヴィで中継されている。
「(ハンクが持っていた)書類は父親に渡している。対応しなければ公開する」「脅しは通用しない」「夫を返して」「君の素性はばれている」と押し問答となるが、責任者は応じない。
しかし家でテレヴィを見ていたジョンソンが慌てる。ジョンソンは電話で「大至急、ハンクの除隊申請書を作成しろ」と指示。ジョンソンが慌てたのは、むしろ浮気の件が理由と思われる。
ジョンソンの態度は自己弁護なので、グレンから批判される。しかしヴェラは「これはパパと、その浮気相手の戦いなの。単純なことよ」。
結果ジョンソンは降格された。そしてハンクは除隊となった。
◆ 再出発
カーリーが家に戻ってきた。暗い家の中にハンクがいるのを見つけた。「除隊した」。
カーリーは少しの合間をおいて「あの子たちが喜ぶわ」。二人は抱き合う。
ハンクは大学の教職が決まった。
カーリーは髪を切ってカールした。グレンが「エリザベス・テイラーだ」と言うと、カーリーは「その言葉を待ってたのよ」と喜んだ。
家族四人とグレンは車に乗って出発した。
■ 出演作
◆ ジェシカ・ラング
(1981)郵便配達は二度ベルを鳴らす/The Postman Always Rings Twice
(1984)カントリー/Country
(1988)熱き愛に時は流れて/When I Fall in Love/Everybody's All-American
(1991)ケープ・フィアー/Cape Fear
(1992)ナイト・アンド・ザ・シティ/Night and the City
(1992)開拓/O Pioneers!
(1994)ブルースカイ/Blue Sky
(1997)シークレット-嵐の夜に/A Thousand Acres
(1998)沈黙のジェラシー/Hush
(2016)素敵な遺産相続/Wild Oats
(1980)ひと妻窃盗団/How to Beat the High Co$t of Living
(2007)多重人格・シビルの記憶/Sybil