■ When I Fall in Love/Everybody's All-American(1988)
製作:1988年、脚本:トーマス・リックマンも監督:テイラー・ハックフォード 予告編 予告編
■ あらすじのあらすじ
ギャビンは大学のフットボールからプロの選手となった。恋人のバブスはマグノリア・クイーンに選ばれたが、その道には進まずにギャビンと結婚した。
ギャビンはプロとして活躍した。大学時代のチームメイトに任せてレストランをやり始めた。しかしチームメイトは金を使い込みギャビンに多額の借金ができた。
バブスは、ギャビンの名声を利用するあるレストラン経営者に雇われたが、こき使われた。
しかしバブスは別のレストランチェーン経営者の信頼を得て、チェーンの経営を任されるようになった。
この間に子供もできて、やがてギャビンは引退した。大学卒業の25周年の集会でギャビンはバブスに感謝の言葉を述べた。
■ はじめに
登場人物(キャスト)
ギャビン・グレイ(デニス・クエイド) - フットボール選手
バブス・ロジャース・グレイ(ジェシカ・ラング) - ギャビンの恋人⇒妻
ドニー"ケーク"(ティモシー・ハットン) - ギャビンの甥
ローレンス(ジョン・グッドマン) - ギャピンの大学時代のチームメイト
ナーヴェル・ブルー(カール・ランブリー) - 黒人、フットボール選手⇒レストランチェーンの経営者
ボーランド・キーリー(レイ・ベイカー) - レストラン経営者
ドリーン・キーリー(サヴァンナ・スミス・ボーチャー) - ボーランドの妻
レスリー・ストーン(パトリシア・クラークソン) - ドニーの婚約者
私としてはデニス・クエイドとジェシカ・ラングが出ていれば、当然見ることになる。本作は30年近くにわたってストーリーが展開する。
■ あらすじ
◆ ギャビンとバブス
1956年。ギャビンはルイジアナ州立大学のフットボールチーム「タイガース」の主力選手。ギャビンはプレイでライヴァルをすり抜けていく様子から「ゴースト」と呼ばれていた。
ギャビンの恋人バブスはマグノリア・クイーンに選ばれた。「マグノリア・グリーン」は「南部の女王」と紹介されているが、(私には)よく分からない。美人コンテストのたぐい。
バブスはミス・アメリカを目指そうとするが「その後二年間は未婚であること」という条件を突き付けられた。バブスはそれよりもギャビンとの結婚を選んだ。
ギャビンは、(いったんは躊躇するも)プロ選手となった。チームはレッドスキンズ。
◆ ナーヴェル・ブルー
ギャビン、ローレンス、ドニーは、スラム街のレストランで働いてるブルーに会いに行った。優秀なフットボールの選手である。しかし今はフットボールを止めている。
ギャビンとブルーは100メートルを走って競争する。ほとんど同着。ドニーは「ギャビン」と言ったが、周りは「ブルー」と主張した。しかしブルーは「ギャビン」と謙虚。勝負はともかく、二人はお互いに立派な人間であると認めた。
ギャピンはブルーに選手に復帰することを勧めたがブルーは断った。別の道に進むようである。
◆ レストランの経営が失敗する
ギャビンはレストランの経営を始めた。しかし実際はローレンスの発案でギャビンの名声を利用したものである。ローレンスが店を運営した。
店は順調に発展していった。かに見えたが、ある夜ローレンスが数人の男に襲われて殺された。
以前に(別の店で)黒人差別に抗議していた黒人が逮捕される事件があったので、ギャビンは情報を求めてブルーに接触した。その時にはブルーは自分の店を持っている経営者となっていた。
ブルーは「黒人は関係ないだろ、調べてみる」と返答した。
しばらくしてブルーが訪ねてきた。ローレンスは賭けをしており大きな借金があった。それに関するトラブルで黒人は無関係であった。
ローレンスは店の金を使い込んでおり、ギャビンとバブスには大きな借金が残った。
◆ キーリーの元で働かされる
しかたなくバブスは、キーリーが作った店で働くことになった。ギャビンは嫌がったが、他に方法がない。
この店もギャビンの名前を利用したもので、形式的にはバブスはマダムとなったが、実際はキーリーにこき使われた。
しかしここでバブスは店の経営を学んだ。
◆ ブルーの店で働く
バブスはキーリーを離れて、すでに大きく事業を拡大していたブルーに頼み込んだ。ブルーは「ギャビンの名前は必要ない」と断ったが、結局バブスは店を任されることになった。
バブスはブルーの信頼を得て、三州の店をすべて任された。そして買収もして事業を拡大した。収入も増えていった。
◆ ギャビンがリタイア
ギャビンは選手生活ですばらしい成績を残したが引退することになった。
引退してギャビンは人工芝の会社テラターフ社に就職した。しかしかといって実際にセールスなどをするわけではない。過去の名声に乗っかって、適当に喋ったりするだけである。
しかしギャビンは、あまり機嫌がよろしくない。
こんな時に再び他のチームからお呼びがかかった。デンバーのブロンコスというチーム。ギャビンは喜んだが、しかし実際に試合に出てみると、もう体が動かない。結局すぐにやめることになった。
その後、ギャビンはゴルフのアシスタントプロとなった。
◆ 卒業25周年
さてルイジアナ州立大学卒業25周年の行事が開かれることになり、招待状が届いた。
大きな会場に、多くの観客を集めた盛大なものであった。ギャビンはその中心。ギャビンの実績から言えば当然の位置ではあるが、ギャビンは現在の自分を思い、自己嫌悪に陥って会場を離れた。
夜にはパーティが開かれた。ギャビンは上記のような心境であったので、挨拶は断っていたのだが、挨拶をさせられることになった。
ギャビンはマイクを持ってゆっくりと話し始めた。「勝つために戦ったのではない。好きだったからだ。愛ある人生が送れたのはバブスのおかげ。私は世界で一番幸せな男だ」。バブスにキスをした。
■ 補足
◆ マグノリア・クイーン
マグノリア・クイーンが新しく選ばれた。(昔のマグノリア・クイーンなので)バブスが冠を頭に乗せた。
そしてたまたま会場にいたギャビンに声がかかり「新マグノリア・クイーンにキスを」と依頼された。
ギャビンは躊躇しつつも舞台に上がった。新マグノリア・クイーンに近づいた。しかしギャビンはバブスにキスをした。「僕の女王は一人だけ」。
◆ ドニー
上の紹介ではドニーについて、まったく書かなかったが、ドニーの出演場面は割と多い。最初は二人にくっつくようにしている。ギャビンは試合やチームメンバーとの付き合いがあるので、特にバブスと一緒にいる。
ドニーは歴史学者になり、時代を経るにしたがって、仕事の業績が積みあがっていき、二人との接触が減ってくる。
ドニーは実はバブスが好きである。しかしドニーは言葉や表情や動作では、その感情を表現しない。しかしバブスが好きであることが分かるようになっている。そのように作ってある。わりと不思議な映画である。
どのようにしてドニーがバブスを好きであることを表現しているかと言えば、人物の表示の順番。バブスを表示してドニーを表示する。これで表現している。いくつかの場面で繰り返されるので、見ていれば分かる。
一度だけドニーとバブスが関係する時がある。ギャビンがレッドスキンズを退団した夜。三人で過ごす予定だった。そのためにドニーはわざわざやってきた。しかしチームメイトと飲みに出かけることになり、二人は取り残された。
バブスが「なぜ結婚しないの?」と尋ねると「理想が高いからさ」と答えた後に、言葉を区切りながらゆっくりと喋る。「美女が第一条件」から始まって、ずっとリストが続いていく。最後に「理想は君だ」。
それを聞いてバブスはドニーにキスをする。ドニーは「そんなことはしちゃいけない」。再度バブスがキスをする。ドニーがバブスをソファに倒す。
ドニーは卒業25周年の時に、婚約者としてレスリーを連れてくる。映画の意図は分からないが、言ってしまえばレスリーはドニーの高い理想に合致しているとは、あまり思えない。わりと軽薄な感じのキャラクタだったりする。
■ 蛇足
デニス・クエイド。「アンダーカバー・ブルース/子連れスパイ危機一発/Undercover Blues(1993)」「オーロラの彼方へ/Frequency(2000)」「ディナー・ウィズ・フレンズ/Dinner with Friends(2001)」「ヘレンとフランクと18人の子供たち/Yours, Mine and Ours (2005)」。
◆ ジェシカ・ラング
(1981)郵便配達は二度ベルを鳴らす/The Postman Always Rings Twice
(1988)熱き愛に時は流れて/When I Fall in Love/Everybody's All-American
(1991)ケープ・フィアー/Cape Fear
(1992)ナイト・アンド・ザ・シティ/Night and the City
(1992)開拓/O Pioneers!
(1994)ブルースカイ/Blue Sky
(1997)シークレット-嵐の夜に/A Thousand Acres
(1998)沈黙のジェラシー/Hush
(2016)素敵な遺産相続/Wild Oats