The Glass Wall

ピーター・クバンはナチスの強制収容所から生き延びたが、難民となってニューヨークに来た。
彼は密航者として送り返されようとしたが「戦争中にアメリカ兵士を助けた者は入国を許される」とのことで、その経験を係官に話した。
だがピーターの記憶は非常に曖昧で、係官から否定された。彼は逃亡して、ニューヨークを彷徨った。失業中の女性などが彼を助けてくれた。
手配のニュースと写真を見たクラリネット奏者のトムは、戦争中の記憶が蘇ってきた。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1953、監督:Maxwell Shane、脚本:Maxwell Shane、Ivan Tors


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ピーター・クバン(ヴィクトリオ・ガスマン) ハンガリーからの避難民
 トム(ジェリー・パリス) 戦争中にピーターが助けた兵士
 ナンシー(アン・ロビンソン) トムの恋人
 マギー(グロリア・グレアム) 失業中
 ヒンクリー夫人(?) マギーのアパートの大家
 エディ(?) ヒンクリー夫人の息子
 ベイリー警部(ダグラス・スペンサー)
 ジャック・ティーガン(本人)
 ショーティ・ロジャース(本人)
 ターニャ(ロビン・レイモンド) ダンサー、本名ベラ・ザコイラ
 ターニャの母親(?)
 フレディ(?) ターニャの兄
 


■ あらすじ

◆ ビーターは密航した

ピーター・クバンはハンガリーの避難民。ナチスの強制収容所に入れられたが生き残った。

ピーターはイタリアからニューヨーク行の船で密航した。

ニューヨークで発見されて捕まった。

◆ 強制送還される?

ピーターは密航者として送還されるところであるが、彼は戦争中にアメリカ人の空挺部隊員を助けたことがある。

連合軍兵士を助けたものはアメリカの入国資格があるとのことであるが、ビーターが記憶しているのは「名前がトムで、ニューヨークのタイムススクエアのジャズクラブでクラリネットを吹いている」という曖昧なことだけである。

入国管理事務所のベイリー警部は「きちんとした証拠がなければ、送還する」と言い渡した。

◆ ピーターは脱走した

それを聞いてビーターは船から飛び降りて脱出した。その時にケガをして肋骨を折った。傷ついたままタイムズスクエアに向かった。

指名手配されて新聞に写真が掲載された。

レストランに入った。

ある女性がテーブルについて、前の客の食べ残しを食べて、さらに他人のコートを盗んで逃亡した。

ビーターは彼女を追いかけて、捕まらないように助けた。名前はマギーと言う。

この縁で二人でマギーのアパートに行った。

◆ マギーのアパート

マギーは失業中とのこと。ピーターはケガの手当てをしてもらった。

マギーは家賃を滞納しており、家主のヒンクリー夫人が彼女を追い出そうとしている。

ビーターは持っていた金をマギーに渡した。

◆ 二人はアパートから逃げた

ヒンクリー夫人の息子エディが入って来てビーターは陰に隠れた。

だがエディはマギーに乱暴しようとしたので、ピーターはエディに殴りかかったが、ケガをしているので、エディに殴り倒された。

マギーは後ろからイスでエディを殴り倒した。

二人はアパートから逃げた。

ヒンクリー夫人は新聞を見て警察に通報した。おまけにビーターがエディへの加害をしたと付け加えた。

◆ トムはピーターを思い出した

トムは新聞の手配写真を見て、ピーターを思い出した。

トムは入国管理局へ行こうとするが、恋人のナンシーの強い要求でオーディションに行くことになる。

トムはジャック・ティーガンに良い演奏を見せたが、ビーターのことが気になって立ち去り、警察に向かった。

◆ ピーターを探す

ピーターとマギーは逃亡したがマギーは捕らえられて警察に連れていかれた。

ここにはトムが来ていて、トムとマギーはビーターとの関連を理解した。トムの話を聞いたベイリー警部は、その話を信用した。

三人はピーターを探して回る。

◆ ターニャと出会った

ピーターは逃げ回っていたが、疲れて路上にいたタクシーの後部座席に倒れ込んだ。運転手は席をはずしていて気が付かない。

ダンサーのターニャが来てタクシーに乗り込んだ。運転手は戻ってきてタクシーは発車。

ターニャは中にいたビーターに気が付く。そして新聞で手配されていることも知った。

◆ ターニャのアパート

いったんは警察に行こうとするが、ターニャは思い直してビーターを自分のアパートに連れて行った。

話を聞いたターニャと移民の母親はビーターを匿おうとするが、兄のフレディは警察に突き出そうとする。

隣室でフレディとターニャの口論を聞いたピーターは感謝のメモを残して窓から抜け出した。

◆ ピーターは助かった

ピーターは国連ビルに向かった。ここに行けば何とかなると思ったからである。

途中で警官に見つかり追われた。知らせを受けたベイリー警部、トム、マギーも国連ビルに向かった。

無人の会議室に迷い込んだビーターは、失望して屋上に向かった。

屋上に立って下を眺めた。通りにはたくさんの車が走っている。そのまま立っていた。時間が静止した。

三人が来た。大声で声をかけた。

ピーターはそのまま倒れ込んた。トムとマギーはビーターの手を握りしめた。
 


■ 出演作

グロリア・グレアム
(1949)女の秘密/A WOMAN'S SECRET
(1949)渓谷の銃声/Roughshod
(1950)孤独な場所で
(1952)突然の恐怖/SUDDEN FEAR
(1953)復讐は俺に任せろ/The Big Heat
(1959)拳銃の報酬/ODDS AGAINST TOMORROW
(1954)仕組まれた罠:人間の欲望/Human Desire
(1955)見知らぬ人でなく/Not as a Stranger
(1953)綱渡りの男:西ドイツへの脱出/Man on a Tightrope