脚本家のディクソンは小説の映画化の脚本を依頼された。原作を読むのが面倒だったので、ミルドレッドという女性に読むのを依頼した。
小説を読み終えたミルドレッドにストーリーを説明してもらった。だがミルドレッドが殺害された。
ディクソンが疑われたが、アパートの隣室のローレルに証言をしてもらって事なきを得た。
ディクソンとローレルは交際を始めた。だがディクソンの異常性格を見てローレルは不安に陥った。
製作年:1950、監督:Nicholas Ray、脚本:Andrew P. Solt、Edmund H. North、原作:In a Lonely Place(1947、Dorothy B. Hughes)
■ はじめに
◆ 登場人物(キャスト)
ディクソン・スティール(ハンフリー・ボガート) 脚本家
ローレル・グレイ(グロリア・グレアム) ディクソンの隣室
メル・リップマン(アート・スミス) ディクソンのエージェント
ミルドレッド・アトキンソン(マーサ・ステュアート) 店員、ディクソンのファン
ヘンリー・ケスラー(ジャック・レイノルズ) ミルドレッドの恋人
ブルーブ・ニコライ(フランク・ラヴジョイ) 刑事
シルヴィア・ニコライ(ジェフ・ドネル) ブルーブの妻
テッド・バートン(ウィリアム・チング) 刑事
ロヒナー警部(?) ブルーブとテッドの上司
本作当時、監督のニコラス・レイとグロリア・グレアムは夫婦である。
■ あらすじ
◆ 映画化の話
ディクソン・スティールはハリウッドの落ちぶれた脚本家である。
エージェントのメル・リップマンからある小説を映画化する案件を持ちかけられた。
小説を脚本にするには、当然のごとく小説を読む必要がある。ディクソンにとっては有難い話にも拘わらず、小説を読むのが面倒だった。
帽子屋の店員ミルドレッド・アトキンソンはディクソンの作品が好きである。彼女に小説を読むように頼んだ。
ミルドレッドは小説を読んだ後、ディクソンのアパートに来た。
ミルドレッドはストーリーを説明し「この小説はくだらない」と付け加えた。
ディクソンはタクシー代を渡してミルドレッドを帰した。その時に隣室のローレル・グレイとすれ違った。
◆ ミルドレッドが殺された
翌朝ディクソンは戦争中に部下だったブルーブ・ニコライ刑事から起こされた。
ブルーブの上司ロヒナー警部からミルドレッドが殺害されたことを聞いた。ディクソンが容疑者とのこと。
ミルドレッドを帰す時にローレルと会ったことを思い出した。ローレルの証言は得られた。
◆ ローレルと交際を始めた
今までローレルとは話したことがなかったが、以降は会話をするようになり、互いに好意を持つようになった。
ローレルは女優志望とのことで、低予算の映画に出演したことがあった。
ローレルとの交際をきっかけにして、脚本化の仕事をマジメにやり始めた。
◆ ディクソンは異常である
ディクソンには以前より些細なことで突然怒りだすことがあった。
それを知っているロヒナーはローレルに警告を与えた。
気になったローレルは、それをシルヴィアに話した。
ディクソンとローレルがナイトクラブにいた時にブルーブの同僚テッド・バートン刑事を見かけて、尾行されていると思って怒った。
ローレルはマッサージ師からディクソンの過去の派手な恋愛歴について聞いた。
ディクソンとローレル、ニコライ夫妻がいた時に、シルヴィアはローレルがロヒナーと会ったことを、うっかり漏らしてしまった。
ディクソンは怒って車に乗った。慌ててローレルも乗り込んだ。
ディクソンはアクセルを踏み込んでメチャクチャな運転をした。
危うく対向車と衝突しそうになったが、相手の運転手に殴りかかり、運転手を倒した後、石で頭を殴ろうとした。ローレルは必死で止めた。
◆ ローレルはディクソンを疑い始めた
ディクソンは警察署に行った。ブルーブと会って自らの潔白を主張するためである。
この時、入り口でミルドレッドの恋人ヘンリー・ケスラーに会った。
ディクソンはブルーブに「ヘンリーの方が容疑者としてふさわしい」と話した。
ローレルはディクソンの潔白を疑うようになった。
◆ ローレルはディクソンから逃れたい
こんな時にローレルはディクソンからプロポーズされた。
ローレルはディクソンが怖く曖昧な返事をした。ディクソンはローレルがプロポーズをオーケーしたものと受け取った。
ディクソンの留守中にエージェントのメルが現れた。ローレルは完成していた脚本を渡した。
そして自分はディクソンから逃れるためにニューヨークに行くつもりだと伝えた。
◆ ディクソンはローレルの首を絞めた
ディクソンは、脚本を勝手にメルに渡したことを怒った。この件でディクソンはメルを殴った。
ローレルの部屋で彼女がディクソンからの指輪を外しているのを発見したディクソンは怒った。
この時に電話がかかってきて、ローレルがニューヨーク行を計画していることが判明。
さらにディクソンは怒り、ローレルの首を絞めた。
◆ 犯人はヘンリー
さらにこの時に電話。ディクソンはやっとのことで自制した。
電話はブルーブからで「ヘンリーがミルドレッド殺害を自白した」という内容だった。
だが、この事態にいたっては、ディクソンとローレルの仲は修復できず、自覚したディクソンは立ち去った。
■ 出演作
◆ グロリア・グレアム
(1946)素晴らしき哉、人生!/It's a Wonderful Life
(1947)十字砲火/Crossfire
(1949)女の秘密/A WOMAN'S SECRET
(1949)渓谷の銃声/Roughshod
(1950)孤独な場所で/In a Lonely Place
(1952)突然の恐怖/SUDDEN FEAR」
(1953)復讐は俺に任せろ/The Big Heat
(1959)拳銃の報酬/ODDS AGAINST TOMORROW
(1954)仕組まれた罠:人間の欲望/Human Desire
(1955)見知らぬ人でなく/Not as a Stranger