リタはタンジールに来てダンサーをしている。そして父や兄弟を殺したアルティーゴ大佐に復讐したい。
リタはダンサー仲間のドロレスに協力を依頼した。ドロレスはアルティーゴの愛人である。しかし別に恋人がいる。
リタはアルティーゴの部屋からダイアを盗んだが、嗅ぎつけられて脅される。
製作年:1946、監督:George Waggner、脚本:M.M. Musselman、Monte Collins、原作:Alice D. G. Miller
■ はじめに
◆ 登場人物(キャスト)
リタ(マリア・モンテス) スペイン人、ダンサー
ポール・ケニョン(ロバート・ペイジ) 記者
ドロレス(ルイーズ・オルブリットン) ダンサー、アルティーゴの愛人、ラモンの恋人
ペペ(サブー) 歌手
ホセ・アルティーゴ大佐(プレストン・フォスター) ナチス協力者
ラモン(ケント・テイラー) ドロレスの恋人
アレックス・ロッコ(エドワード・ブロンバーグ)
アドルフォ・フェルナンデス(レジナルド・デニー) ダイア密輸業者
◆ 補足
今回はマリアが大人の女性風(笑)だな。マリアの映画にしてはめずらしくモノクロ。タンジールはジブラルタル海峡のモロッコ側の町。
「ナチスと対決するストーリー」との解説もあるが、特にナチスには関係がない。「父と兄の復讐でダイアを奪う」のは変だと思うが気にしないこと。
■ あらすじ
◆ ホテル
ホテルにアドルフォ・フェルナンデスが到着しチェックイン。また記者のポール・ケニョンも泊っている。
突然サイレンが鳴り響いた。何事かと思えば軍のジープが来た。乗っているのはホセ・アルティーゴ大佐。そして隣にリタ。ダンサーである。
リタはエレヴェーターで上ってケニョンと話して後ほど会う約束をする。また下りてダンサーの控室へ行く。
ドロレスがいた。ドロレスは「危険よ」と警告する。しかしリタは気にしない。
◆ アルティーゴの部屋に忍び込む
ダンスが始まった。まず男性ダンサーが出ていく。そしてリタが出ていく。二人で素晴らしいダンスを踊る。
リタがいったん奥に引っ込む。待っていたドロレスが代わりに出る。リタのような髪のカツラ。観客は女性ダンサーが変わったことに気がつかない。注、女性が男性から逃げて戻るというダンスのストーリーになっているらしい。
ドロレスは代わってダンスを続ける。リタはアルティーゴの部屋に忍び込んで、目的のもの、すなわちダイアを探す。
なかなか見つけられない。焦ってテーブルの上の陶器を落とした。陶器が割れた。その中にダイアがあった。
◆ バングルを落とした
しかしその時に誰かが入ってきた。リタは男に掴みかかられる。この時にリタのバングルが落ちた。
しかし男の背中にナイフが突き刺さった。ケニョンが現れた。
ケニョンに促されてリタは部屋を出た。そしてまたドロレスと代わって、またダンスをする。
さて元の部屋にメイドが来た。死体を見つけて人を呼ぶ。その間にケニョンは部屋から出て逃走。
連絡を受けてアルティーゴが来た。アルティーゴはダイアがなくなっているのに気がつく。そしてバングルが落ちているのに気がつく。
◆ ケニョンが疑われる
ドロレスとリタが部屋の中で話している。ドロレスは「今度からもう止めて」と言っている。
ケニョンが入ってきた。「バングルはどうした?」と聞かれてリタはバングルを落としたことに気がついた。
リタはダイアを化粧品のビンの中に隠した。
アルティーゴの部屋に部下が来た。部下と一緒に出ていく。ケニョンが縛られて鞭打たれている。
部下は「ケニョンの部屋にはダイアはありません」と報告。見つからないので鞭で白状させようとしたらしい。
アルティーゴは鞭打ちを止めさせてケニョンを解放した。
◆ リタの動機
リタが自分の部屋に入ってきた。新しいダイアの隠し場所を考える。迷ったが、自分の太腿に括りつけた。
向こう向きのソファにケニョンがいるのに気がついた。「あの部屋にあったバングルはお前のもの」と言うが、突然「デートをしよう」と言い出す。
その後、「なぜダイアを盗んだ」「必要だったのよ」と展開して、さらにリタは「父親と二人の兄弟が彼の手にかかって死んだのよ」と打ち明けた。
誰かが来たのでケニョンは隠れた。来たのはドロレスの真の恋人のラモン。「記者(ケニョン)がいろいろ探っている。お前はヤツを好きなんだろ?」と話して出て行った。
◆ ドロレスが喋ってしまう
ラモンがドロレスのアパートに入っていく。それをアレックス・ロッコが見ている。
ラモンが出てきたのを確認して、ロッコはドロレスの部屋に入った。
「質問をしたい」と言うがドロレスは興奮している。さらに「ラモンがダイアを奪った」と言うと、ドロレス思わず「リタが盗んだのよ」と言ってから口を押えた。
ロッコは満足した顔で頷いて出て行った。
◆ 呼び出し
リタがケニョンといる。チャイムが鳴ったのでドアのところにいく。メモが差し入れられていた。「ダイアを処分したければ市場のNative Portaに来い」。
二人は市場に行く。アルティーゴに出会って少し話す。いろいろな店を見ながら歩く。
ある商人の前にきた。アラビア語のメモを渡された。リタはアラビア語が分かる。「RITZホテルに一人で来い。屋上の家、10時」。注、「屋上の家」とはいわゆるペントハウス。RITZホテルはリタが泊っているホテルである。
戻ってきてドロレスと会う。リタはダイアをドロレスに渡す。
◆ 最後のダンス
ダンスが始まる。リタが踊るはずになっているが、今度は最初からドロレスが踊る。ただしまたドロレスのような髪のカツラをかぶる。
まず男性ダンサーが登場。次に女性ダンサーが登場。みんなはリタと思っているが、実はドロレス。
リタはメモで指定された部屋に行く。誰もいない。ブラインドの外から見られている。
男が入ってくる。リタは初めて見る顔。「ダイアのことは知ってるだろ?」と言って1000ポンドを要求する。
リタは「ダイアのことは知らない」と言って拳銃を出すが、奪い取られる。
ダンスが続いているが、ケニョンはリタではないことに気がついた。
ダンスが終了した。ドロレスはカツラを取ってケニョンに会う。リタが市場で貰ったメモを見せて内容を説明した。ケニョンは屋上に急ぐ。注、ケニョンはアラビア語が分からない。
◆ エレヴェーターは落下した
一方、ドロレスはアルティーゴのところに走って、二人もホテルの屋上に急ぐ。
二人が到着すると、リタとケニョンが拳銃を突き付けられている。
二人が来たので、拳銃男は注意をそがれる。そのスキにケニョンが拳銃を叩き落した。アルティーゴが拳銃を構えて、その場を制圧。アルティーゴの部下も入ってきた。ラモンも入ってきた。
しかしラモンがアルティーゴの部下に撃たれた。ドロレスは「友人(ラモン)を介抱するならばダイアを渡す」と言う。リタは反対するが、アルティーゴは受け入れた。
ドロレスとアルティーゴは(ダイアを渡すために)出て行った。エレヴェーターに乗る。エレヴェーターは(最上階から)下りる。しかしドロレスはエレヴェーターを途中で反転させて上昇させる。
エレヴェーターは上に衝突し、次は一階まで落下して激突した。二人は死亡した。注、安全装置があるので、そのようにはならないと思うが、そのように展開する。
ドロレスがこのような行動に出たのはラモンの復讐である。
◆ 空港
ケニョンは警察の車に乗せられて空港に来た。追放されるようである。
飛行機を待っていると、歌手のペペが駆けつけてきた。別れを惜しむ。
もう一台車が来た。リタ。
リタはペペのギターからダイアを取り出して、誰かに渡した。注、誰だろう?
ケニョンとリタは飛行機に乗った。飛行機は離陸した。
■ 出演作
◆ プレストン・フォスター
(1952)ポーカー・フラットの追放者/The Outcasts of Poker Flat
(1946)(モロッコ)タンジールの踊子/Tangier
(1947)復讐の二連銃/Ramrod
(1953)アリバイなき男/Kansas City Confidential/Secret Four
(1953)決闘の町、法と秩序/Law and Order
(1937)愛には勝てない/You Can't Beat Love
◆ マリア・モンテス
(1944)コブラ島の女/Cobra Woman
(1945)スーダンの砦/Sudan
(1946)(モロッコ)タンジールの踊子/Tangier



