■ Calcutta
ニール・ゴードンの同僚パイロットのビルが殺された。ニールは仕事を休んで調査を始めた。
ビルは直前に恋人のヴァージニアに高価な贈り物をしていた。ヴァージニアは「ビルが賭けに勝った」という。
一方、同僚のペドロが重慶に行くはずのマリクという客が途中で下りて消えたと報告。ニールは重慶行の飛行機の座席の下から宝石類が入ったバッグを発見した。
マリクが殺されて、ヴァージニアが行方をくらました。


製作年:1947、監督:John Farrow


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ニール・ゴードン(アラン・ラッド) 中華国際航空パイロット
 ペドロ・ブレイク(ウィリアム・ベンディクス) 中華国際航空パイロット
 ビル・カニンガム(ジョン・フィットニー) 中華国際航空パイロット
 マリーナ・タニヴ(ジューン・デュプレ) ナイトクラブの歌手、ニールの恋人
 ヴァージニア・ムーア(ゲイル・ラッセル) ビルの婚約者
 エリック・ラッサー(ローウェル・ギルモア) ナイトクラブのオーナー
 スミス夫人(エディス・キング) 宝石店経営者
 マル・ラジ・マリク(ポール・シン) 鉱物の輸出入業者
 ケンドリックス警部(ギャヴィン・ミューア) 警部
 


■ 事件の経過

事件の経緯を時系列を少し整理して概観する。

◆ ビル・カニンガム殺害

ニール、ペドロ、ビルは中華国際航空のパイロット。カルカッタと重慶の間を飛んでいる。

ビルはヴァージニアという女性と婚約したとウキウキ状態。ニールとペドロは、パーティに誘われていた。

ニールとペドロがカルカッタのダムダム空港に戻ってきた。事務所に呼ばれていくと「ビルが殺された」と知らされた。

死因は絞殺。秘密組織が使う特殊なロープで絞殺されていた。

ニールは休暇を貰って事件を調べることにした。

◆ ネックレス

ヴージニアはしばらく前からニールたちがいるホテルの312号室に滞在している。

ニールはヴァージニアと会った。高価なネックレスをつけていた。「ビルが賭けに勝って、ビルから贈られたもの」とのことであったが、ビルが賭けに勝ったとは思えない状況。

宝石を取り扱っているスミス夫人の店に出かけた。スミス夫人の言葉を信用すれば、ビルはヴァージニアの宝石を買ったとのこと。支払いは小切手で降り出しはエリック・ラッサー。

ラッサーに聞くとビルは金曜日に大勝したとのこと。とりあえずここまでの情報に矛盾はない。

しかしヴァージニアは「彼と一緒にいなかったのは木曜日だけ」と言った後、「金曜日」の話をすると「いや間違った、金曜日だった」と言い直した。

◆ 密輸事件

ペドロが一人で乗務して重慶に行こうとしたときに、直前にマル・ラジ・マリクが乗り込んできた。マリクは重慶まで行くはずであったが、途中で給油のために着陸した空港で姿を消した。マリクはその理由を「友人に会った」と説明した。

さらにペドロはダムダム空港の駐機場に落ちていたメダルを発見した。

次の日に重慶に飛び立つ飛行機をニールが調査すると、座席の下から密輸品を隠したバッグが見つかった。その時に誰かにナイフを投げて襲われた。

ニールはバッグをペドロに依頼して貸金庫に隠した。

◆ マリク殺害

ニールはこの事態にいたって拳銃を用意した。ここでマリクが訪ねてきた。拳銃を突き付けられた。持っていた拳銃は奪われた。

ここでニールは「俺が何のために仕事をしているか知っているか?」とマリクと組んでもいいようなことを仄めかす。結局マリクは出て行った。

外で突然銃声がした。マリクが殺されていた。

補足。マリクを殺した拳銃はニールのものということになっているが、これはかなり変。マリクは持っていたニールの拳銃を奪われて撃たれたことになる。ニールが疑われるが、ペドロは「それは自分がニールから借りていたもの」とまったくの嘘を言ってニールを庇う。とりあえずペドロが収監される。

◆ ヴァージニアが行方不明

ヴァージニアの部屋を訪ねていくと、部屋が荒らされており、ヴァージニアは行方不明。

しかしマリーナは「荒らしたのは女性」と断言した。荒らしたにしてはスカーフなどがきちんとたたんであったりするからである。

◆ ヴァージニアから連絡

ニールの元にインド人の少女が来た。ヴァージニアから依頼されたという。

ニールは少女を車に乗せて行った。あるビルの前で下りて中に入り、さらに通りに出て歩いた。立派な家の中に入っていった。

ヴァージニアが待っていた。ヴァージニアは消えた時の状況を次のように説明した。

部屋にいると誰かが入ってきたのでヴェランダに隠れた。部屋を荒らしたのは自分。姿を消した理由は怖かったから。注、入ってきたのは誰かは不明。

そして「ここにいて自分を守ってほしい」と若干自分勝手の要求。ヴァージニアはニールにキス。ニールはその要求を受け入れる。

◆ ビルとヴァージニアは木曜日にはいなかった

ニールは、自分のホテルに戻った。ホテルの給仕係たちに、ビルとヴァージニアが木曜日にいたかどうかを聞いた。誰もいなかったとの返事。

預けてある宝石を戻してもらってヴァージニアのところに行った。

そしてヴァージニアを追求した。引き出しから拳銃を出そうとしたので制止した。ヴァージニアは泣きながら事情を話した。

エリック・ラッサーが拳銃を構えて入ってきた。ホールドアップ状態となるが、ニールはスキをついて反撃した。
 


■ 事件の真相

エリック・ラッサー、マル・ラジ・マリク、ヴァージニア・ムーアはカルカッタ⇔重慶の路線を利用して密輸を行っていた。

ビル・カニンガムがその事実を知ったので殺害した。殺害したのはエリックなのかマリクなのかは不明。

ヴァージニアは以前はエリックと交際していた。

マリクを殺したのはヴァージニア。理由は何だろうね?

ビルが賭けで大勝をしたのは事実。
 


■ 補足

マリーナはニールがヴァージニアに取られないかを常に気にしている。アラン・ラッドは、本作でもモテモテ状態。振られてしまうアランを見てみたい。

アラン・ラッドには「サイゴン密輸空路(1947)」がある。こちらの共演者は例のヴェロニカ・レイク。こちらはDVDはなさそう。本作と同じような内容かとも思われるが、ヴェロニカ出演なので見てみたい。
 


■ 出演作

◆ アラン・ラッド
(1942)ガラスの鍵/The Glass Key
(1942)拳銃貸します/This Gun for Hire
(1946)青い戦慄/The Blue Dahlia
市民ケーン/Citizen Kane(1941)
暗黒街の巨頭/The Great Gatsby(1949)
血ぬられし欲情/The Iron Mistress(1952)
シェーン/Shane(1953)
赤いベレー/The Red Beret(1953)
サンチャゴ/Santiago(1956)
島の女/Boy on a Dolphin(1957)
暗黒街の顔役(1942)
(1948)ネブラスカ魂/Whispering Smith
マッコーネル物語(1955)
地獄の埠頭(1955)
大荒原(1957)
悪人の土地(1958)
(1958)誇り高き反逆者/The Proud Rebel

◆ ウィリアム・ベンディクス
海賊黒ひげ/Blackbeard the Pirate(1952)
(1949)テキサス決死隊/Streets of Laredo
(1946)青い戦慄/The Blue Dahlia

◆ ローウェル・ギルモア
追いはぎ/The Highwayman(1951)
大城塞/Tripoli(1950)