「TOC(制約理論)は革新的なのか?」というタイトルで、17本の記事を書いていたが、まとめることにした。これらは15年以上も前に書いたものなので削除してもよかったのだが、間違ったことは書いてないつもりであり、また当ブログにしてはアクセス数が多いので 目次を作ることにした。

本記事は「TOC入門―「実践者のための」導入ノウハウ・手順 」(4820740415,日本能率協会マネジメントセンター)を参考にして書いたもの。

しかし読んでいる途中から本書はTOCをきちんと解説していないことに気が付いた。特にCCRに関係する部分。他の本もおなじだけど。

本文に解説しているが、TOCの根幹なので、ここでも書いておく。

ひとつの製品は、複数の工程を経て生産される。そのうちの最も時間がかかる工程が制約工程である。製品をスムーズに生産するためには、制約工程を滞りなくスムーズに流すことが必要である。

上記の本に限らず、TOCの書籍には、このようなことが書いてある。

もちろんこのことは正しいのだが、普通の工場では複数の製品が流れている。それぞれの生産数量も毎月変動する。このような時に工場全体を見渡した時に、どの工程が制約工程になるだろうか?これがCCRである。

A製品が多く流れていればA製品の制約工程が全体の制約工程(CCR)になるかもしれない。B製品が多く流れていれば、....。ということになるが、A製品とB製品が同じくらい流れていれば、どちらかの制約工程ではなく、A製品とB製品の共通のある工程が全体の制約工程(CCR)であるかもしれない。

つまり簡単に言えば「状況によって異なる」ということになる。

全体の制約工程(CCR)を正確に求めるためには、それぞれの製品単体の工程情報を正確に把握するだけではなく、生産数量、生産設備の能力、作業者の割り当てなどを把握しなければならない。

これらを把握して全体の制約工程(CCR)を制御するのがTOCの真骨頂である。

しかし上記の書籍やほとんどのTOCの書籍では、一つの製品の制約工程の話をしている。これは話を簡単にして「制約工程とはどのようなものか」を理解してもらうための方便なのだが、方便であることを知らないで書籍を書いていたりする。

本記事のタイトルがいかにも挑発的であるが、私はTOCを高く評価している。挑発的なタイトルにしたのは、いわば「炎上商法」である。注、こんなところで炎上させてどうする?

しかしTOCに対する批判もあって、それは中に書いている。

全体の制約工程(CCR)をきちんと把握するためには、上記のようにかなりの情報を集めなければならないが、「ある製品がすべてではないが、かなりの割合である」というような工場では、大まかであるが、当該製品の制約工程だけで制御するのも簡便法としてはよいだろう。

要約版もあるので参照していただきたい。
TOC(Theory Of Constraints)制約理論は革新的なのか?-要約版
TOC(Theory Of Constraints)-制約理論-概論
TOC入門―「実践者のための」導入ノウハウ・手順

これ以下が本文。



ボトルネックについての洞察
ボトルネック工程の洞察・改良についての評価・批判
ボトルネックの洞察より得られる改良案
改善の手順
ボトルネックとCCR
MRPはサマリー型部品表か
シングルペギングとフルペギング
MRPは固定リードタイム
TOC(制約理論)のスケジューリング
いくつかの補足
スループットによる判断
スループットによる判断に対する批判
スループットによる判断は有効か
原価管理の問題点1
原価管理の問題点2
ABC(Activity Based Costing)
まとめ

 

 

今回はアン・バクスターの画像。よろしく。

(1950)彼女は二挺拳銃/A Ticket to Tomahawk

(1948)廃墟の群盗/Yellow Sky

(1952)ポーカー・フラットの追放者/The Outcasts of Poker Flat

(1953)青いガーディニア/The Blue Gardenia

(1954)カーニヴァル物語/Carnival Story

(1957)三人のあらくれ者/Three Violent People