■ It Could Happen to You(1994)/宝くじに当たった警官が半分をウェイトレスに譲る


製作:1994年、脚本:ジェーン・アンダーソン、監督:アンドリュー・バーグマン


■ あらすじのあらすじ

警官のチャーリーはチップの小銭がなかったのでウェイトレスのイヴォンヌに「宝くじが当たったら半分」という約束をした。

そして本当に宝くじが当たった。妻のミリュエルには反対されたが約束を守った。

イヴォンヌは、その金で自分が勤務するレストランを買い取り、ホームレスのための無料席を設けた。

ミリュエルは離婚訴訟を起こし、しかも「賞金の全額が自分のもの」との途方もない主張をした。ミリュエルは勝訴した。

イヴォンヌは店を手放すことになるが、雨の日二人はあるホームレスに食事を無料で提供した。

チャーリーとイヴォンヌは一緒に田舎にいくことにした。最後の日、店に寄ってみると多数の手紙が届いており、中には二人への寄付の小切手が入っていた。先般のホームレスは記者が変装したもので、二人の善行を記事にしたからである。

チャーリーは警官に復帰し、イヴォンヌは再び店を手に入れた。


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 チャーリー・ラング(ニコラス・ケイジ)
 ミュリエル・ラング(ロージー・ペレス)
 イヴォンヌ・ビアジ(ブリジット・フォンダ)
 エディ・ビアジ(スタンリー・トゥッチ)
 ジャック・グロス(シーモア・カッセル)

イヴォンヌは三年間結婚していたが、夫のエディはいい加減男で苦労させられた。エディから逃れてニューヨークで働いている。しかしカードをエディに渡したままであったので、使いこまれてしまい破産する羽目になった。

レストランで働いているが、パワハラ&ケチ店主のせいで苦労している。しかし、いろいろ文句を言いながらも、お客に対しては笑顔で接している。
 


■ あらすじ

◆ 宝くじ当選

チャーリーは宝くじに当選した。400万ドル。チャーリーもミリュエルも大喜び。しかしイヴォンヌに「もし宝くじが当たったら半分を」という約束をしたことを思い出した。その日にイヴォンヌの店でちょうどチップがなかったからである。

少しばかり、いやかなり迷ったが、その約束をミリュエルに話すと大反対である。注、もし私であったとしても大反対である。

しかし実直なチャーリーはなんとかミリュエルを説得し約束を果たす。イヴォンヌは、あまりにも大きな金額を貰うことに迷いもあったが、ありがたく貰うことにした。注、私は迷わずに貰う。

◆ チャーリーとイヴォンヌ

さて二人はどうなったか?今まで貧乏のせいで十分に咲かせることができなかった善の花を開花させたというべきか、あるいははたまた思わぬ大金に舞い上がったのかもしれない。

チャーリーはコンビニ強盗事件(後述)を解決して表彰された席で、一万ドルを警察遺族会に寄付した。イヴォンヌは自分が勤務している店を買い取った。ホームレス専用席を作って無料で食事や飲み物を提供した。

二人はヤンキースタジアムを借り切って子供たちのために野球大会を開いた。二人で地下鉄の改札口に立って乗る人々の運賃をタダにした。とにかく大判振る舞いである。

音信不通だったイヴォンヌの夫エディが金を目当てに現れて、似合わない笑顔を作り掌をスリスリした。

◆ パーティ

宝くじ当選者の船上パーティが開かれた。チャーリーとミリュエルも出かけた。別にイヴォンヌも出かけた。

二人は、ジャック・グロスという人物と話した。なかなか話し上手で、いろいろとミリュエルに財産を増やすためのアドヴァイスをする。ミリュエルは目を輝かせて聞いている。

チャーリーは会話の輪から離れてデッキに出た。ちょうどイヴォンヌが来るところだった。チャーリーは船を下りてイヴォンヌと話をした。しかしそうこうしているうちに船は桟橋を離れ、二人は取り残された。

しかしチャーリーにとっては、イヴォンヌと一緒の方が良かったようである。二人は食事をしてダンスをした。

◆ ホテル

いったんは「有名人になれる」「CMの出演依頼が来るかも」と納得したミリュエルは、しかし次第に欲に目がくらんできた。それにチャーリーがあまりにも気前が良いのが許せなくなってきた。いやいや、ミリュエルは自分が浪費するのはよいらしい。服や宝石を買って回る。

ミリュエルは郊外に家を買うと提案するが、チャーリーは「ここがよい」と反対する。ミリュエルは「離婚する」と切り出した。別居。

チャーリーは、今までの習慣からいったんは安ホテルに向かうが、思い直してプラザホテルにした。

イヴォンヌはエディが居座って立ち去らないのでアパートを出た。

イヴォンヌがフロントで手続きをしていると、後ろにチャーリーが現われた。隣同士の部屋となった。ホテルの従業員は「あの二人だ」と囁き合った。

二人で、いろいろ話をして良いムードにはなってくるが、マジメ人間の二人であるので、最後までは突撃しない。

◆ 裁判

チャーリーとミリュエルは離婚することになった。ミリュエルは「当選金の全額が自分のもの」という途方もない主張をした。ジャックの入れ知恵の疑いが濃厚である。

裁判のポイントはチャーリーが購入した宝くじの番号となった。その番号にはチャーリーとミリュエルが結婚した日が関係している。ちょっと細かくなるが、二人は結婚の届けをした日と結婚式を挙げた日が違っている。二人は6月27日に結婚式をしたが、届けは6月26日に行っている。

ミリュエルは宝くじを買う時に27の番号を指定したが、チャーリーは26の番号のものを買った。チャーリーは「この番号だから、当選金は自分のもの」と主張。

チャーリー有利の状況かと思われたが、ミリュエルは驚くべき主張を展開する。「夢の中で羽をつけて天使となった父親が現れて、結婚は26日と言った」「なので当選金は私のもの」。宝くじを買う時にはミリュエルは確かに27番を買うようにチャーリーに要求したはずである。私もちゃんと見ている。

それに、こんな途方もない話を陪審員が信用するとは思えない。

だがしかしありえないことが起こった。けっきょく当選金は全額がミリュエルのものとなった。判決後にインタヴューを受けるミリュエルの隣にはジャックがニコニコしている。

注、ミリュエルが勝訴する本当の理由は、このようににしないと本作のストーリーが展開しないからである。

◆ ラスト

すでに二人で浪費したものをどうするのかは私には分からないが、ともかく当選金は全額がミリュエルのものとなった。チャーリーもイヴォンヌも一文無し。イヴォンヌは店を手放すことになった。

大雨が降っている夜。すでに閉店時刻をすぎている。店の中には二人だけ。注、このような時にはだいたいの映画では雨が降ることになっている。直前にはまったく雨が降っていなかったのを私は知っている。

ホームレスが来てドアを叩いた。見るからに汚ならしいホームレスである。

二人はホームレスを店に招き入れて、食べ物と飲み物を提供した。もちろん無料。善人の鏡のような二人である。しかも少しばかりの金を恵んだ。ホームレスは食べ終わった後、特に礼も言わずに立ち去った。

ニューヨークの最後の夜。二人はバッグを持って出発しようとするが店に立ち寄った。もう店を開けるわけではなく用事もない。単に思い出があったからである。

ドアを開けようとしたが、ドアがなかなか開かない。ぐっと力任せにドアを押して中に入った。ドアが開かなかった理由は、大量の手紙がドアの後ろに溜まっていたからである。注、この時点で店のカギを持っているのは変だが....。

そしてそれらの手紙にはイヴォンヌ(の店)への寄付の小切手が入っていた。なぜそのような手紙が来たかと言えば、先般のホームレスは実は記者が変装したもので、その記者が書いた二人を称賛する記事が新聞に載ったからである。

その記事を読んだ読者が記事に感動し、二人の行為に感動して小切手を送ったからである。いろいろな店や職場でも募金箱が設けられた。二人は開封して手紙を読むのに三日かかった。合計は60万ドルとなった。

イヴォンヌは、再度店を手に入れた。今までと同様に笑顔で接客した。チャーリーも警官に復帰し、以前と同様にまじめに務めた。チャーリーは警官の仕事が好きであり、また生きがいである。

 


■ コンビニ強盗事件

チャーリーと相棒の警官がパトロール中。チャーリーがコンビニに入った。いつも店主夫婦がいる店には夫だけがいた。

チャーリーには笑顔で接したが、その笑顔が引きつっている。店にいる客も緊張した様子である。実は陰で店主の妻などが拳銃を突き付けられている。

強盗であると直感したチャーリーは店を出た。相棒に話し署に応援を頼んだ。相棒は店の前の道路から出口を見張った。強盗は店から出ることができない。チャーリーは外から店の地下室に入って、地下室から店の中に侵入した。

チャーリーは缶詰を投げて一味の一人を倒した。ラックを倒して一味を襲った。チャーリーは撃たれたが、警官隊が突入し一味は逮捕された。店主夫婦と客は無事。

拳銃は使わなかった。しかし近所の子供とは「今日は何人殺したの?」というような会話をしている。確実に人質を助けるためには拳銃を使うべきでは?

 


■ 補足・蛇足

イヴォンヌは、メガネを頭の上に刺しており、注文をメモする時にメガネをかける。この動作がチャーミングではあるが、若いのに遠視のようである。

ミリュエルは自分の肖像画を作らせて家に飾った。

ニコラス・ケイジ。「ペギー・スーの結婚/Peggy Sue Got Married(1986)」

スタンリー・トゥッチ。「女と男の名誉/Prizzi's Honor(1985)」「クイック・チェンジ/Quick Change(1990)」「アンダーカバー・ブルース/子連れで銃撃戦/Undercover Blues(1993)」「死の接吻/Kiss of Death(1995)」。
 

ブリジット・フォンダ
(1987)Aria
(1989)スキャンダル/Scandal
(1989)シャグ/Shag
(1989)ストラップレス/Strapless
(1990)ランケンシュタイン/禁断の時空/Frankenstein Unbound
(1990)ゴッドファーザー PART III/The Godfather Part III
(1991)アイアン・メイズ/ピッツバーグの幻想/Iron Maze
(1991)アウト・オブ・レイン/Out of the Rain
(1991)フィービー・ケイツの 私の彼は問題児/Drop Dead Fred
(1991)ドク・ハリウッド/Doc Hollywood
(1991)レザー・ジャケット/Leather Jackets
(1992)ルームメイト/Single White Female
(1992)シングルス/Singles
(1992)キャプテン・スーパーマーケット/Army of Darkness
(1993)恋愛の法則/Bodies, Rest & Motion
(1993)アサシン 暗・殺・者/Point of No Return/The Assassin
(1993)リトル・ブッダ/Little Buddha
(1994)あなたに降る夢/It Could Happen to You
(1994)ケロッグ博士/The Road to Wellville
(1994)カミーラ/あなたといた夏/Camilla
(1995)ラフ・マジック/Rough Magic
(1996)訣別の街/City Hall
(1996)グレイス・オブ・マイ・ハート/Grace of My Heart
(1997)タッチ/Touch/a>
(1997)ジャッキー・ブラウン/Jackie Brown

(1998)赤い標的 THE BREAK UP/Break Up
(1998)グレイスランド/Finding Graceland
(1998)シンプル・プラン/A Simple Plan
(1999)U.M.A レイク・プラシッド/U.M.A: Lake Placid
(2000)ワイルド ガン/South of Heaven, West of Hell
(2001)モンキーボーン/Monkeybone
(2001)キス・オブ・ザ・ドラゴン/Kiss of the Dragon