年齢58歳男性
年齢が若いのに脳梗塞で
左腕が上がらず曲がったまま
左足は引きずって歩いている状態
現在は大学病院から地域のクリニックへ通院中
仕事も退職し、障害があっても働ける会社へ転職をしたとのこと
ご本人の訴えは腕と肩がつらい
足は?と聞くと
動かないけど辛さはない
様々なテストを行ってみるが、脳梗塞後の拘縮があるので正確なテストができないが出来る限りの事は行った。
まずは年齢的に若いので、骨は弱くないとみて
可動域の確保に努め訳約2時間
ほぼ正常可動域を確保。
本人もかなりビックリ。
曲がった腕が伸びている。
足も膝を持ち上げるのが多少辛く、曲がりも弱いけど
歩けると大喜び
しかし、その動く状態で再度テストをしていると
腰部に問題が見つかり、
しかもそれがヘルニアっぽい感じ
ここはいきなり可動域を増やすと
その反動でヘルニア刺激が出る可能性がある事をお伝えし、
2回目にどのような形に戻っているのかを確認後
癒着があるのか?他の部位からヘルニアの軽減ができないのか?を模索。
すると癒着部位と思われる場所が股関節部にあり、
これをはがすと、脳梗塞で動きが悪くなっている事から、
全体のバランスが崩れる可能性を考慮し
アクティベーターを用いて調整
3回目にやや全体の戻りがあり、そこも再調整し、
股関節の可動と骨盤の可動を確保(アクティベーターで)
3回目が終わり翌日に股関節部に痛みが出現。
急遽4回目の対応で問題点が恥骨結合部にもある可能性があったので、ここもアクティベーターで調整
大腰筋も強い拘縮があったので弛緩
すると股関節の痛みがかなり減ったので
安全を期すためにここで終わり
5回目、やはり全体としての戻りがみられるが、股関節の痛みは完全に消失
次に腰のヘルニアっぽい場所をクリッピング矯正にて調整
スラスト法は危険なので使用を避ける形で執り行いたかったのもありこの方法
6回目戻りが少なくなったので、再度ヘルニアの確認すると
TH10とL1に歪みあり
しかも強拘縮があるので、ここは時間をかけて弛緩
可動域が増えたのと、テストで神経刺激がみられなかったので、
ランバーで矯正
7回目、すべての部位で戻りがほぼなくなったので、
足首の調整を行い、姿勢保持のための筋力が弱体化しているので、
そこのトレーニング指導と意地を心がけるために月に1度の来院をお願い。
歩行テストや筋力テストを行うも、
脳梗塞だとわからないくらいに回復させることができた。
年齢的にも若かったのもあり、こういった技法が使えたが、
これが60代後半以降になるとかなり難しくなる。
脳梗塞後の拘縮は元の形に戻すことは可能だが、
維持メンテナンスが継続的に行われないと、大半がまた拘縮が始まるので
注意が必要で、来院を中止し、大丈夫大丈夫ってなっていると、再拘縮して、また、元に戻った
って言われると、初回の状態よりもかなりひどくなっている事が多いのと
前回よりも良い状態に戻すまでに必要になる時間は3倍以上になる事が多い。
※脳梗塞後の当院での対応は再度脳梗塞が発生する恐れもあるので、
医師の許可は必要です。
また、脳梗塞の再発は見極めるのも難しく、私にも無理なので、
問題が起こった場合の同意書も記載していただく形となります。
また、脳梗塞を患って拘縮期間が長ければ長くなるほど、
難しくなっていきますので、完全にも度に戻らないケースもありますのでご了承ください