アナスタシアシリーズを

1巻ごとに1章づつ

振り返る企画、

一族の土地構想について

メグレさんの考察が続きます。

 

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この章では、前章で

メグレさんが調べた

世界のエコビレッジと比較する形で

ロシアのダーチニクのデータが

提示されていて、それがなかなか

驚くような数値なんです。



ダーチニクとは

ダーチャを持っている人。



ダーチャとはかつて土地を

強制的に奪われた市民が

第二次大戦中に食糧不足から

自給自足の為の土地を与えるよう

要求する運動を起こした結果


1960年代フルシチョフ政権により

一家族に最低600㎡の土地を

格安で与えるよう法制化したもの。


当初は一代限りの権利だったが

現在は相続も認められている。

wikiより

 


・・・らしいのですが

例えばダーチャで生産される

果物、ベリー類は

ロシア国内総生産量のうち

77%!


野菜は70%!


ジャガイモに至っては

90%!!

 


すごい高数値ですよね。


さらに、与えられた土地は

荒地、農耕不適地だった為

ダーチニクたちが

何百万本もの木を植え


1997年の時点で

ダーチャ総面積は

182万1千ヘクタール


総世帯数1470万という。



ピンと来ない数値ですが

とにかくたくさんの世帯が

600㎡くらいの土地で

家庭菜園をしていて

そこにはそれぞれの家

(豪華だったり質素だったり)

もあって、

毎年春から夏にかけて

家族でそこで過ごして

耕したり植えたり収穫したり


しているってことです。




この章でメグレさんが書いていて

一番わたしの心にヒットしたのは



(世界の名だたる

エコビレッジとは違い

ダーチニクたちは)


精神性の向上だとか

自然に対する思いやりの必要性

などを声高に宣言することもない



という一文です。




まず理念があって

リーダーがいて

規約がしっかりして

共同で管理運営する

エコビレッジに比べて



各世帯が

思い思いに

耕し

自分たちの食べるものを

手で植えて


住むところを建てて


家族単位で過ごしている

ダーチニクのほうが


圧倒的に人数も面積も

広がっていて


それが結果的に

地球規模の大惨事さえも

免れるほどの好影響を

地球そのものに与えている



↑後半は

アナスタシアの言葉ですが。






そりゃ

そうですよね。




立派な理念に賛同し

集まった人々だけが

作るエコビレッジが

結局期待したほど

広がらなかったら



地球の総面積のうち


アスファルトで覆われて

コンクリートで固められて

排気ガスが充満して


あるいは

焼き払われて


または

石と砂だけになった場所

の割合が多いままだけど





食べ物がないから

自分たちで作りたい

という切実な人々に

土地を与えるだけで



緑に覆われ

澄んだ水と

多様な生物が暮らす場所の

割合が増えていくのであれば



理念やリーダーや規約が

いかに空虚なものに

見えてくることか。




 

そして

アナスタシアは言うのです。



ダーチニクは

後に続く美しいものの先駆者


だと。




後に続く美しいもの

とは

一族の土地のこと。




ロシアのダーチャムーブメントは

人間社会の成長における

極めて大きな転換点



・・・


ということは、ですよ。




ロシアのダーチャムーブメントの

前に起きた

・私有地の強制没収

・戦争による食糧不足

という大きなマイナスの要因から


地球環境を改善する

逆転現象が起きているんですよね。


素晴らしい。



日本はお先真っ暗


みたいな論説を

高々と掲げていらっしゃる

方々こそ、ここからの

大転換に導く道への露払いを

してくださっているのかも。


 

 

だけど、もう一つ

忘れてはいけないのは


ロシアのダーチャムーブメントの

一番大きなきっかけは

国民が土地を渡すように

要求したことなんですよね。


 

減税しろとか

現金を支給しろとか

保育園を増やせとか

ベーシックインカムを実現しろ

とかじゃなく

土地要求ムーブメント、

日本に来ますかね?







来なさそう






でも、菜園ブーム自体は

来てる気がする





コロナや不況

それより食品添加物や

農薬のおかげで

自分の食べるものは

自分で作りたい、という人は

確実に増えてるし


スーパーでも

農協から市場の流れじゃない

生産者さん直売の野菜売り場

出来てるし


何なら個人農家さんに

直接野菜を買いに行けるように

なった。うちも毎週行ってる。


めちゃくちゃ美味しい。



露地栽培の

旬の野菜しかないし

端境期は何もないのが

本当に贅沢だなと思う。






日本人は政府に声を上げて

大規模な運動を起こす流れより


身近なところからの

家庭菜園、市民菜園の

広がりのほうが早そう。

 



そしてそれが

家族単位になり

家と畑が近くなれば



あら不思議



ちょっと前まで

田舎のばあちゃんちは

どこもそんな暮らし

してたよね、ってなる。



日本の一族の土地は

普通のばあちゃんち



「農家」「農協」という

システムに組み込まれると


農薬散布して

規格にはまるようにして

農協に出荷して、、と

大変だったんだろうな



家庭菜園にすれば

一瞬で日本はそこら中が

一族の土地になるなんだろうな、


とずいぶん肩の力が抜けて

簡単に実現しそうに

思えた章でした。



 

 

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前の章はこちら


 

 

1巻1章

 

2巻1章

 

3巻1章

 

4巻1章

 

 

 

 

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