感情の行き違い | 悪態のプログラマ

悪態のプログラマ

とある職業プログラマの悪態を綴る。
入門書が書かないプログラミングのための知識、会社の研修が教えないシステム開発業界の裏話は、新人プログラマや、これからプログラマを目指す人たちへのメッセージでもある。

技術者同士でシステムの設計方針などについて話していると、白熱してしまうことがある。お互い、声も大きくなってしまっているのだろう。傍から見ていると、喧嘩でもしているかのように見えるらしい。後から「あの人とやりあってましたね」などと言われるが、なんのことか分からない。本人たちは議論を楽しんでいるくらいなのだ。



会議の議事録でも、そういう誤解が起こりやすい。終始和やかな雰囲気の会議だったはずなのに、後から議事録を読むと、言い争いをしていたかのような印象を受けることがある。会議中、相手に気を使って、わざわざ婉曲な表現で話したのに、断定的な文章になって残されてしまったりする。


会議に出席している人が読むだけなら、大きな問題はないのだが、出席していない人に誤解され、いらぬ心配をさせたりすることもある。


議事録を書く人の力量にもよるが、ビジネス文書の形で、会議の雰囲気まで伝えることは容易ではない。



もっと危険なのはメールである。やりとりをしている当人同士が相手の感情を誤解してしまうこともあるからだ。「怒っているのだろうか?」と思うようなメールが届いたので、相手に電話してみると全くそんなことはなく、笑って話をしたというような経験はないだろうか?


そうやって電話をすればいいのだが、怒っているように見えるメールに対して、こちらもムキになって対抗するようなメールを返すと、険悪なやりとりになる可能性もある。


議事録の例と同じように、ビジネス上のメールは、固い文章になりがちだ。特に、否定的な内容を書く時には怒っているように取られがちなので、意識して柔らかく表現する方がよい。単に丁寧な言葉にするだけでは逆に慇懃無礼に感じられることもある。断定的な表現を避けるとか、口語を交えるといった方法がよいのではないだろうか(例えば「です」を「ですよね?」とするなど)。相手によっては、顔文字を使うのも悪くないと思う(これは、賛否両論あるかもしれないが)。


もちろん、やりすぎると、ふざけているように見えたり、失礼に当たることもあるので、難しいところではある。



事務的に仕事をしていると、人の「感情」などは情報として不要であるかのように扱われることもある。しかし、関係者の感情面がうまくいかなければ、仕事もうまくいかない。なるべく誤解や行き違いがないようなコミュニケーションを心がけたいものである。






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