普通の言葉 | 悪態のプログラマ

悪態のプログラマ

とある職業プログラマの悪態を綴る。
入門書が書かないプログラミングのための知識、会社の研修が教えないシステム開発業界の裏話は、新人プログラマや、これからプログラマを目指す人たちへのメッセージでもある。

プログラマは、いつもシステム内部の仕組みを考えている。そのためか、誰と話をするにも、システム内部の言葉で話をしてしまう人がいるようだ。

小さなシステム開発会社では、プログラマが、直接ユーザーと話をしたり、文書をやりとりすることがある。そういうときに、「プログラマの言葉」を使ってしまう人がいるのだ。

例えば、

「この画面の商品名ラベルには、商品IDをキーにして商品テーブルを検索し、発見したレコードから商品名を取得して表示しています。」


といった具合である。

いわゆるエンドユーザー(つまり、普通の人)には、このようなプログラマの言葉は理解できないだろう。

「商品テーブル」がデータベースの「表」のひとつであることは、プログラマであれば容易に察しがつく。しかし、普通の人にとって、「テーブル」といえば、「食卓」だ。

「商品ID」のような言葉も、画面などに全く表示されないのであれば、ユーザーには通じないと考えるべきだろう(※)。

ユーザーがシステムについて、見たり触ったりするのは、画面や印刷物である。エンドユーザーに語るときは、そうしたシステムの外面(外部設計)に現れる言葉だけを使うようにしたい。

例えば、上記の文章は、

「この画面の商品名の欄には、商品管理画面で登録しておいた商品名が表示されます。」


のような表現になるだろう(もちろん、ここでは、「商品テーブル」が「商品管理画面」でメンテナンスされるという前提である)。

当たり前のことではあるが、ユーザーと話をする時は、ユーザーが理解できる言葉で語るようにしよう。





※「商品ID」が、システムを作る前から業務で使われていた言葉なのであれば、ユーザーにも理解できる。しかし、それがシステム化のために便宜的に作った「内部的な」コードである場合は、ユーザーには理解できない。



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