135.明治維新は日本破壊のクーデター(7)薩長同盟の目的は倒幕ではない【クリスチャン勝・西郷】 | 和敬清寂 ~書かぬが仏~

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■明治維新は日本破壊のクーデター
第1回: 109.阿部正弘と島津斉彬の暗殺
第2回: 112龍馬も天皇も将軍も【邪魔者殺して明治維新】
第3回: 117.謎だらけの明治天皇
第4回: 121.長州藩兵の蛮行
第5回: 124.外国の影響
第6回: 127.古代から共産化との戦いだった日本の歴史
第7回: 135.薩長同盟の目的は倒幕ではない【クリスチャン勝・西郷】
第8回: 145.神の国を取り戻す!が「日本を取り戻す」の意味


守部喜雅著「勝海舟 最期の告白」に勝海舟のキリスト教徒としての生涯が書かれている。

勝海舟 最期の告白


キリスト教禁制の世にあって、アメリカでキリスト教徒と出会い、礼拝に参加し続け、帰国後もクリスチャンを自宅に住まわせ家庭集会を開いて津田梅子の父・津田仙など多くの者を伝道している。


家族の多くがキリスト教徒と結婚。賛美歌の邦訳をし、「耶蘇教默許意見」を出してキリスト教徒の布教活動を助け、亡くなる直前には「我、キリストを信じる」と言い残したそうだ。

勝海舟の揮毫:左側大きく「道也、真也、生命也 (ヨハネ14-6)、右側に「骸化土、霊帰天」 (伝道の書12-7)」 と書いてある。


勝海舟揮毫 「すべて労する者、重き荷負ふ者、我に来れ、我、汝らを休ません (マタイ19-26)」と書いてある。



彼の弟子が坂本龍馬である。ジョン万次郎を通して西洋文化とキリスト教を学んでおり、万次郎も聖書の言葉「あなたの隣人を愛せよ」を家訓としているクリスチャンであった。

ジョン万次郎

ジョン万次郎


その影響を強く受け、しかも勝海舟に弟子入りしており、当然坂本龍馬もキリスト教の影響を強く受けている。


海援隊に所属していた龍馬の弟子・高松太郎がキリスト教徒となったことはよく知られている。

坂本直

高松太郎:坂本直に改名


龍馬亡き後の坂本家の家督を相続し坂本直と名を改め、弟で龍馬の実姉千鶴の子・坂本直寛はキリスト教の伝道師となり北海道開拓に生涯を捧げている。


坂本龍馬の周りがクリスチャンだらけであり、本人も実はクリスチャンなのかも知れない。
若くして亡くなり、キリスト教禁制の時代にあって証拠はないが、その可能性は極めて高い。



またこの本によると、実は西郷隆盛も聖書を良く読み、人にも教えていたらしい。当時、香港英華書院刊の聖書を愛読し、漢訳聖書を人に貸し与えていたそうだ。


西郷隆盛の遺訓を記した「西郷南洲翁遺訓」には聖書の御言の影響が確かに認められる言葉が残されている。

西郷南洲翁遺訓

西郷南洲翁遺訓、初版本


「人を相手にせず、天を相手にして、己を尽くして人をとがめず、わが誠のたらざるを尋ぬべし」

「道は天地自然のものにして、人はこれを行うものなれば、天を敬するを目的とす。天は人も我も同一に愛し給うゆえ、我を愛する心を以て人を愛する也」


これは、新約聖書の
「思いを尽くし精神を尽くして主なるあなたの神を愛せよ」
「敵を愛し迫害する者のために祈れ」
「神は良い人にも悪い人にも等しく太陽を昇らせ雨を降らしてくださる」
 などの御言の精神そのものである。



勝海舟と西郷隆盛と言えば、江戸城無血開城が真っ先に思い浮かぶ。

無血開城

西郷、勝の会談


江戸城無血開城。 勝海舟と西郷隆盛の二人のキリスト教徒によって、陰謀と殺し合いで幕府転覆をなしてきた明治維新の革命の大きなうねりが、その一点によって腰を折られた事実。


その時の交渉は決して生ぬるいヒューマニズムで成功したわけではない。それぞれに思惑を持った多くの幕臣の命を預かる勝と、今にも襲いかからんと血気にはやる新政府軍を束ねる西郷が相まみえるのである。

幕府と新政府どちらにも禍根を残さず双方共に納得させ、かつ一般庶民への被害を最小限に食い止めなければならない。


しかし、二人のこころの奥には神の国日本を背負う共通の認識があった。

維新の火の勢いがますます激しさを増して日本を破壊し尽くすのかどうかという歴史の頂点をなす時と場所に、かくも相応しい二人を居合わせたのは、絶妙なる天の配剤と言う他ない。



以上、
良心基準の高い彼らの人物像を念頭に置きながら、勝海舟の弟子=坂本龍馬が西郷隆盛に持ちかけた薩長同盟をもう一度見つめ直してみる。


日本のためを思うならば、テロ集団の過激活動を一刻も早く終息させ、幕府を中心とする挙国一致体制を築かねばならない。


そのためには、長州藩を佐幕派と倒幕派に分断して、佐幕派を幕府に取り込み、倒幕派テロリストが心を入れ替えない場合は取り押さえるしかない。(長州藩は高杉に煽られて倒幕派に転じたが、正規軍はもともと佐幕派だった)


それを実現する手段として、薩摩が長州藩近代化のために全面的に協力して恩を売り、長州藩の事情に理解を示して信頼を得て、彼らの内情に通じておく。

そのための薩長連合だったのではないか。


第2次長州征伐の時、薩摩が幕府からの要請を断って派兵しなかったのは、西郷が第1次長州征伐の時に、長州藩に対して戦わず降伏するよう求めたように、無駄に死者を出さないためという理由と、長州から信頼を得るという両面の意図があったと考えられる。

長州軍が少々近代化したところで、幕府軍はビクともしないのだ。


おもしろいことに、勝は幕府以上に近代化した藩が出現して暴れてくれたほうが、頭の固い幕臣たちの目を開かせる刺激となって良いと考えたのであろう。


何せ、「敵は多ければ多いほど面白い。」と豪語している人である。


また、幕府はフランスとの関係が深く、薩摩・長州と龍馬が英米と関係を深めると、勝には英米仏3つの関係国からの情報が入り、長州を取り込んだ暁には日本は米英仏3カ国の最新の軍事技術を手に入れる事ができる。


日本が世界の強国になる最も最短の道は、薩長同盟を利用して長州を幕府側の味方に引き入れ、テロリストを殲滅し、幕府と諸藩の挙国一致体制を築いて世界の最新の軍事技術と情報を一手に握る事だった。

薩長同盟


ところが、第2次長州征伐の最中に徳川家茂将軍が暗殺され、その直後に孝明天皇も暗殺される事によって、薩長同盟の当初の目的が狂い、坂本龍馬までもが暗殺されて倒幕に駒を進める結果となってしまったのである。



それらの事柄は明治維新の勝者によって、「薩長同盟は倒幕が目的だった」との捏造がなされて、今日まで偽りの歴史観がまかり通るようになってしまった、というのが真相なのではないか。



↓つづきです
145.明治維新は日本破壊のクーデター(8)神の国を取り戻す!が「日本を取り戻す」の意味
http://ameblo.jp/arashi-toranosuke/entry-11825869289.html

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