日立製作所は本年1月17日、英国での原発建設を凍結し事業を中断すると発表した。
政府が掲げる成長戦略としての「原発輸出」はゼロになった。
国内では、既存原発は東日本大震災の福島第一原発事故後、定期点検の時期に入り全ての原発は停止したが、9基が再稼働し、24基が廃炉決定ないし廃炉検討中だ。
そのうえで、政府は2030年度には、「必要な電力の20%~22%を原発でまかなう」としている。
上記はネットでの新聞記事2018.9.11より。
日本政府の第5次エネルギー基本計画による右図。これを達成するためには原発再稼働だけでは足りないため、原発の新規建設も視野に入れているということになる。どこまでも原発から離れられないようだ。
逆に、世界的にみれば多くの国で、原発コストの高騰、核のゴミ、原発事故のリスクを理由として、脱原発に転換している。そのきっかけになったのが福島第一原発事故だ。当事者である日本がいまだに原発にしがみ付いており、「高速増殖炉を止めて高速炉の開発へ」等と言いだしている。高速炉は核分裂を伴う発電方法のため使用済核燃料のゴミは倍になりさらに増え続けることになる。
海外では、台湾、スイス、イタリア、ドイツなどが脱原発を掲げ、ベトナムやシンガポールは原発導入しないと決定した。上記の図でも一目瞭然わかるように、世界のエネルギーは、再生可能エネルギーにシフトしていくのだ。
ちなみに、1995年では日本の太陽光パネルメーカーは世界のトップシェアを占めていたが、2015以降は日本メーカーの名はトップ10には見られなくなり、安価な中国メーカーが世界シェアのトップを占めている。ちなみに日本国内では、性能や耐久性の安心感から国内メーカーが選ばれて、なんとか太陽光パネルメーカーとして継続している。
政府は「日本には資源がない」として原発推進維持を続けるという。しかし海外は次々に脱原発を掲げ、再生可能エネルギーに転換し安く、安全に、かつ安定的に供給するように技術革新を進めていく。世界に後れをとるのは目に見えている。上記の2030年を見て、どう考えるかだ。
「性能や技術は問題ない、政策に問題がある」ということだ。
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