罪と罰⑤ − ドストエフスキー
・信仰か神が見出され、たとい腸をえぐりとられようと、毅然として立ち、笑って迫害者どもを見ているような人間です。
・女の心にあわれみの気持が生まれると、それが娘にとってもっとも危険なことは言うまでもありません。そうなるときっと《救って》やりたい、目をさまさせたい、もう一度立ち上がらせたい、もっと高尚な目的に向かわせたい新しい生活と活動に更正させたいという気持になります。
・そしてついに、婦人の心を屈服させる偉大な、ぜったい外れのない手段を発動させました。この手段はぜったいに誰も欺いたことがなく、一人の例外もなく全女性に決定的な作用をするものです。この手段とは、誰でも知っている---例のお世辞というやつですよ。この世の中には正直ほど難しいものはないし、お世辞ほどやさしいものはありません。もしも正直の中に自分の一つでも嘘らしい音符がまじっていたら、たちまち不協和音が生まれて、そのあとに来るのは---スキャンダルです。またその反対にお世辞はたとい最後の一音符まで嘘でかたまっていても、耳によく、聞いて悪い気持がしないものです。たといごつごつした満足でも、やはり満足にちがいはありませんよ。そしてどんな無茶なお世辞でも、社会のどんな階層でもそうなんですよ。お世辞にかかっては尼さんだって誘惑されますよ。だから普通の人々では言うまでもありません。
・不貞----それはおよそ合理的結婚というやつの当然の結果にすぎません。いわばその修正です、反抗ですよ、だからその意味では不貞はすこしも恥ずべきことではありません...
・彼はもう長い間病臥していた。しかし彼をくじいたものは、獄中生活の恐ろしさでも、労働でも、食物でも、剃られた頭でも、ぼろぼろの服でもなかった。おお!こんな苦痛や苛責が彼に何であっただろう!それどころか、彼は労働を喜んだほどだ。労働で肉体を苦しみぬけば、少なくとも何時間かの安らかな眠りを得ることができた。
ドストエフスキーの思想を理解するための必読の文献
「作家の日記」「百姓マレイ」「おとなしい女」「おかしな男の夢」「プーシキンについて」
・女の心にあわれみの気持が生まれると、それが娘にとってもっとも危険なことは言うまでもありません。そうなるときっと《救って》やりたい、目をさまさせたい、もう一度立ち上がらせたい、もっと高尚な目的に向かわせたい新しい生活と活動に更正させたいという気持になります。
・そしてついに、婦人の心を屈服させる偉大な、ぜったい外れのない手段を発動させました。この手段はぜったいに誰も欺いたことがなく、一人の例外もなく全女性に決定的な作用をするものです。この手段とは、誰でも知っている---例のお世辞というやつですよ。この世の中には正直ほど難しいものはないし、お世辞ほどやさしいものはありません。もしも正直の中に自分の一つでも嘘らしい音符がまじっていたら、たちまち不協和音が生まれて、そのあとに来るのは---スキャンダルです。またその反対にお世辞はたとい最後の一音符まで嘘でかたまっていても、耳によく、聞いて悪い気持がしないものです。たといごつごつした満足でも、やはり満足にちがいはありませんよ。そしてどんな無茶なお世辞でも、社会のどんな階層でもそうなんですよ。お世辞にかかっては尼さんだって誘惑されますよ。だから普通の人々では言うまでもありません。
・不貞----それはおよそ合理的結婚というやつの当然の結果にすぎません。いわばその修正です、反抗ですよ、だからその意味では不貞はすこしも恥ずべきことではありません...
・彼はもう長い間病臥していた。しかし彼をくじいたものは、獄中生活の恐ろしさでも、労働でも、食物でも、剃られた頭でも、ぼろぼろの服でもなかった。おお!こんな苦痛や苛責が彼に何であっただろう!それどころか、彼は労働を喜んだほどだ。労働で肉体を苦しみぬけば、少なくとも何時間かの安らかな眠りを得ることができた。
ドストエフスキーの思想を理解するための必読の文献
「作家の日記」「百姓マレイ」「おとなしい女」「おかしな男の夢」「プーシキンについて」
罪と罰④ − ドストエフスキー
・ソーニャ「お立ちなさい!いますぐ外に行って、十字路に立ち、ひざまついて、あなたがけがした大地に接吻しなさい!それから世界中の人々に対して、四方に向かっておじぎをして、大声で《わたしが殺しました!》というのです。そしたら、神様がまたあなたに生命を授けてくださるでしょう。行きますか?行きますか?
・《十字路へ行って、みんなにお辞儀をして、大地に接吻しなさい。だってあなたは大地に対しても罪を犯したんですもの、それから世間の人々に向かって大声で〈わたしは人殺しです〉と言いなさい》
・《十字路へ行って、みんなにお辞儀をして、大地に接吻しなさい。だってあなたは大地に対しても罪を犯したんですもの、それから世間の人々に向かって大声で〈わたしは人殺しです〉と言いなさい》
罪と罰③ − ドストエフスキー
・ぼくはきみに頭を下げたんじゃない、人類のすべての苦悩に頭を下げたんだ。
・およそ検事と名のつくものには、はじめは遠い些細なことが、重要でも、まるで無関係なことからはじめて、いわば、容疑者を元気つけというよりは油断させ、注意をそらしておいて、ふいにまったく思いかけぬところで、何かぜったいの決め手となる危険な質問をいきなりあびせかけて、相手の度肝をぬくという、捜査の規則というか、そういうものがあるそうですね、そうですか?」
・「そしてここで愚劣と思われているものが、あちらではまったく自然なものとなるのです。いっさいは人間がどんな環境の中におかれえているかにもよるのです。すべては環境によるものです、人間自体は無に等しいのです。」
・「より高尚とは何でしょう?人間の活動を定義した場合こういう表現がぼくには理解できません。《より高尚》《より寛大》---こうした言葉はみんなナンセンセンスです、不合理です、ぼくが否定している古い偏見的な言葉ですよ。どんなことでも、人類に右道であれば、それがつまり高尚でもあるわけです!ぼくが理解しているのは、有益という一語だけです!笑いたきゃ、勝手に笑いなさい、だがこれは真実ですよ!
・低い天井とせまい部屋は魂と頭脳を圧迫するものだよ!
・人間は変わるものじゃないし、誰も人間を作り変えることはできないそんなことのに労力を費やすのはむだなこと、だね。そう、それはそうだよ!---それでぼくはわかったんだ、頭脳と精神が強固な者が、彼らの上に立つ支配者となる!多くのことを実行する勇気がある者が彼らの間では正しい人間なのだ。 より多くのものを蔑視することのできる者が、彼らの立法者であり、誰よりも実行力の ある者が、誰よりも正しいのだ!これまでもそうだったし、これからもそうなのだ!それが見えないのは盲者だけだ!
・およそ検事と名のつくものには、はじめは遠い些細なことが、重要でも、まるで無関係なことからはじめて、いわば、容疑者を元気つけというよりは油断させ、注意をそらしておいて、ふいにまったく思いかけぬところで、何かぜったいの決め手となる危険な質問をいきなりあびせかけて、相手の度肝をぬくという、捜査の規則というか、そういうものがあるそうですね、そうですか?」
・「そしてここで愚劣と思われているものが、あちらではまったく自然なものとなるのです。いっさいは人間がどんな環境の中におかれえているかにもよるのです。すべては環境によるものです、人間自体は無に等しいのです。」
・「より高尚とは何でしょう?人間の活動を定義した場合こういう表現がぼくには理解できません。《より高尚》《より寛大》---こうした言葉はみんなナンセンセンスです、不合理です、ぼくが否定している古い偏見的な言葉ですよ。どんなことでも、人類に右道であれば、それがつまり高尚でもあるわけです!ぼくが理解しているのは、有益という一語だけです!笑いたきゃ、勝手に笑いなさい、だがこれは真実ですよ!
・低い天井とせまい部屋は魂と頭脳を圧迫するものだよ!
・人間は変わるものじゃないし、誰も人間を作り変えることはできないそんなことのに労力を費やすのはむだなこと、だね。そう、それはそうだよ!---それでぼくはわかったんだ、頭脳と精神が強固な者が、彼らの上に立つ支配者となる!多くのことを実行する勇気がある者が彼らの間では正しい人間なのだ。 より多くのものを蔑視することのできる者が、彼らの立法者であり、誰よりも実行力の ある者が、誰よりも正しいのだ!これまでもそうだったし、これからもそうなのだ!それが見えないのは盲者だけだ!
