祖母がいる部屋に入った
「おばあちゃん」「おばあちゃん」
声かけながら駆け寄ったら
介護士さんが私たちの方面におばあちゃんを寝返りさせてくれた
するとおばあちゃんが
目を見開き
お母さんの手を握ってきた
両手で
私と母は
「がんばったね」「ありがとうね」
ってうなずきながら
泣きながら話した
すると
おばあちゃんが何かを話そうと口を動かした
けれど声が出ない
たんが絡みそうになったので
「分かってるよ、無理しなくていいよ、喋らなくてもいいよ、うんうん」
と言ったら
おばあちゃんはじっと母の顔を見て
ずっとずっと
何かを訴えてるかのようにじっと目を見ていた
「今までいろいろあったけど、楽しかった。出会えてよかった。ありがとう。ゆっくり休んでね」
そう泣きながら言った
そしておばあちゃんも泣いていた
そのシーンを思い出すだけでも
涙が出てくる
これが本当に最期だと分かっているから
辛すぎて
胸が苦しい
泣きながら
最後に母と祖母と私の
写真を撮った
気づけば1時間ほど部屋にいた
施設の方も多めに見てくれていた
別れを惜しみ
なかなか離れられなかった
でも私たちが幸せだと思ったのは
意識のあるうちに
最期のお別れができたこと
おばあちゃんがコロナにもならず
面会は少なかったかもしれないが
それでも会えたこと
それが救いだと
帰りの車の中で母と話しながら帰った