心のケアは禅タロット、
身体のケアはアロマで癒す
緩和アロマセラピストの松浦智恵美です
前回の話の続きです。
末期がん特有の症状に、
「むくみ」があります。
睡眠を妨げるほどの
とても辛い症状の一つ。
脚や腕（手）を、
軽く撫でさするマッサージは
（以下マッサージと表現します）
むくみのある患者さんに、
とても喜ばれました。
患者さんのAさんも、
片方の腕が、
パンパンに張ってらしたので、
軽く摩ると
とても喜ばれていました。
Aさんは、
私と同い年で独身の男性。
初めてお部屋に伺ったときの印象は、
言葉少なく寡黙。
年が一緒だから、
話しやすいかなとも思ったのですが、
あまりご自身のことを話されず、
私のことも尋ねられることはありませんでした。
黙って、しばらく腕や手を、
優しくさすって差し上げると、
最初は無表情だったのが、
終わると、にこやかな笑顔を浮かべて
「気持ちがよかった、
ありがとう。」
と、いつも言って下さってました。
私はその表情の変化が嬉しくて、
毎週楽しみにして行っていました。
マッサージに行くようになって
４〜５回目だったと思いますが、
その日、Aさんのお部屋に伺うと、
Aさんの表情が、
いつにも増して暗いのです。
「あれ？どうかなさったのかな...」
心配に思ったけど、
Aさんは、自分のことを
自分から話す方ではありません。
マッサージによって、
少しでも気分が晴れるといいな...
願いを込めて、いつものように、
腕と手をさすったのですが〜
最初と全然表情が変わリませんでした。
やっぱり、気が落ち込むようなことが
何かあったんだろうか...
そう思いました。
Aさんの暗い表情が、
私の心に重くのしかかりました。
当時の私は、
緩和ケアのボランティア１年生。
今日は、元気なお顔が見られなかった。
Aさんは、独りで辛さを抱えている。
そう思うと、
いてもたってもいられなくて、
心が重くなってしまいました。
感情移入、、、？
そうかもしれないけど、
いつも笑顔を見せて下さるのに、
暗い表情だったら？
心がどよ〜んとしませんか？
やっぱり、喜びを共有したいのです。
そんな気分を引きずってた私を見て、
タイミングよくお仲間が
アロマ研究会に誘ってくれたのでした。
自分が、
初めてハンドマッサージ体験をした時の
なんとも言えぬ気持ちよさ。
優しく手を触れてもらった時の感触と、
フワッと香るアロマの匂い。
衣服の上から、摩るのとは全然違う。
オイルが潤滑油となって、
手のひら全体で、お肌を包み込んでいく。
香りが、ダイレクトに脳に染み渡り、
理由なく幸せな気分になる。
これ、Aさんにいいかも...
アロマの香りと、
手の温もりを感じたら、
何も語らずとも、
心が自然にほぐれるんじゃないか。
Aさんの笑顔が見たい
来週は、
衣服の上から素手で撫でさするんじゃなく
アロマオイルを付けて、やらさせてもらおう
（もちろん、医師の承諾を得て）
この出来事があって、
もっとアロマを勉強して
末期がん患者さんに
少しでもお役に立ちたい。
と、思うように。
その後に、病棟内にアロマを
積極的に導入させてもらいました。
当時の、緩和ケアDr.の理解の元に...。
この額の絵は、患者さんの鉛筆書き（コピー）
ご縁って不思議ですね。
まるで図ったかのような偶然。
出会うべくして出会えるとは、
こういうことを言うのだろうか。
たまたまこの日に、
Aさんの辛そうな表情を見たことで
活動日にアロマ研究会があったことで
お仲間が誘ってくれたお陰で
２００１年に、
私は、病院でアロマテラピーと出会いました。
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