こんにちは。
あおい堂鍼灸院の今泉です。
最近このブログで度々登場する内容として
円形脱毛症の原因で『毛根の細胞と免疫とどちらが悪いのか』についてまた書いてみたいと思います。
従来からの私の主張は……
免疫が円形脱毛症に関与するならば、「免疫が攻撃する原因は毛根の細胞であり、異常を来した毛根の細胞を正常な免疫が正当な働きとして毛根の細胞を攻撃している」のです。
掻い摘んで言えば「免疫は悪くない(暴走などしていない)」です。
さて、このことを考えてみるにあたり、とても参考となりそうなwebがありました。
それがこちらです↓↓。
2017年の発表ですが最近見つけました。
上記のリンク記事の中で私が注目したのは
『生体内で不要になった細胞は、もともと細胞に組み込まれたプログラムに従ってアポトーシスと呼ばれる細胞死を起こす。このとき細胞表面に現れる構造変化を「イートミー(私を食べて)」信号としてマクロファージが認識、死んだ細胞を効率よく処理することがわかっている。』
です。
つまり活動しなくなった細胞表面の変化を目印に免疫が処理(攻撃)するのです。
この事を横目に見つつ、一方で円形脱毛症を観察していくと脱毛部が形成される前(髪が切れ始める前)に髪の成長鈍化が見受けられます(参考過去記事:潜在的脱毛部)。そして全く髪が見えない期間(期間は不定)を経て髪が生え始めます。生え始めた髪も通常の成長速度よりもずっとゆっくりなケースが多く、回復度合いが高まって来るに従い成長速度も回復してくるのです。
世間一般で言われる円形脱毛症免疫異常説(仮称)では私の印象は
『兎に角免疫が理由も無く毛根を攻撃しまくる。そして免疫の攻撃が止んだら髪が生えてくる。』です。少々粗削りですが従来説はこのようなニュアンスで語られていることが多いと感じます。
この場合、抜ける時から髪が生えていない間はずっと免疫が頭皮を攻撃し続けていることに成ります。少しでも毛根が髪を作ろうとしたものならば、すかさず免疫がやってきて攻撃する。なので髪が生えて来ない。
……と、なります。
しかしどうでしょう。それならば感嘆符毛が形成されるのは何故でしょうか。感嘆符毛はその名の通り「!」のような形をしています。この一番細い部分が毛根内にあった時に免疫からの最大級の攻撃を受けていたはずです。なのにその後1ミリ程度伸びるのは何故でしょう。1ミリ伸びる期間だけ攻撃を受けなかったのならば、そのまま治ってもおかしくありません。その時、一瞬でも免疫の暴走が緩んだわけですから。でも現実はその後切れ残った1ミリの髪は基本的に抜けて仕舞います。このような免疫の事前通告などあるのでしょうか。
加えて生え始めた髪の成長速度が大半の場合最初ゆっくりなのは何故なのでしょうか。例えば髪が無い時に100の攻撃を受けていた。でもそれが80になり50になり……どんどん減っていった。なので髪が産毛として生え始めた。でもまだ完全に攻撃が止んだわけでは無いので産毛の成長がゆっくりなのだとするならば、生えて来た産毛の成長がゆっくりな期間は少しであっても免疫の攻撃を受けている事になるので抜ける前の髪のように凸凹していたり感嘆符毛に成ったりしている筈です。でも生えて来た産毛は症状がぶり返さない限りスッときれいな形をしています。つまり産毛の時分には免疫の攻撃など受けていないと考えるべきだと思います。そうすると免疫異常説では産毛の成長がゆっくりな説明ができません。
しかし、もし毛根側に問題があるならばどうでしょう。以下、シュミレーションとして……。
毛根の細胞の表面に『イート・ミー』信号が現れた。即ち細胞の髪を作る活動が極端に低下したわけです。過去記事(潜在的脱毛部)にあるような一見普通の髪だが成長していない髪に成ります。または感嘆符毛の一番細い部分が形成されます。この活動停止を目印に免疫が攻撃を仕掛ける。活動停止していた毛根が免疫の働きによって正常に処理される。毛根として活動していないので免疫攻撃後も髪が生えて来ない(髪が伸びない)。でも毛根として死んだわけでは無いので、髪のない期間を経て再び活動が再開され産毛が生える(髪が伸びる)。活動が極端に低下した状態から通常の状態に戻る工程はアナログ的である。つまり100の活動が一気に0に近くなり(発症)、0が一気に100に成る(回復)わけでは無く、途中30や50や80と云った本調子ではない「ゆっくり期間」を経て通常に戻る。故に生えたての産毛の成長速度が通常よりもゆっくりとなる。
つまり円形脱毛症の原因は免疫異常では無くて毛根の極端な活動低下である……カナ。
……どうでしょうか。
免疫異常説よりもこの方が矛盾点が少ないと私は思います(私の説だから私が思うのは当然ですが)。
そして過去記事(いつか見た脱毛部)でも書きましたが、円形脱毛症は出鱈目に脱毛部が出現するわけではありません。誰の頭であっても似たような場所に似たような形の脱毛部が現れるのです。現在の私はその脱毛部の組み合わせの法則を探っているところです。
でもこのように誰でも同じような部位に同じような形の脱毛部が現れるというのは何故でしょうか。誰でも同じような部位に成る理由としては解剖学的な理由によるからだと思います。例え円形脱毛症以外の病気であっても誰でも解剖学的に同じ場所に不具合が生じれば同じような症状が現れるのと同じです。そして誰でも同じような場所に同じような神経や太い血管があります。これの異常で誰でも同じような部位にある毛根の活動低下が引き起こされると考えても何の不思議もないように思えます。
直接的には神経や血管の異常。これを引き起こすのが筋肉の損傷やコリ。これを引き起こすのが身体の動かし方の癖や姿勢・仕草、またはケガ。これを引き起こす沢山ある原因の一つにストレスなどが考えられます。この説の中に免疫の異常が入り込む余地はほとんど在りません。
が、リンク記事を読むと『MafB』というたんぱく質の事が書かれています。このMafBを調べていくと「がん」のメカニズムにも一部関与していたりします(参考web)。そしてMafBと「がん」との関係性では免疫が関わってきます。円形脱毛症の免疫異常説はこの辺りから復活する芽も無いわけでは無い……かなと、チョコット思わないわけでもないのですが様々な現象を見て来た経験上、免疫異常では説明がつかない事がとても多く感じられます。今現時点での結論としては免疫異常に基づく円形脱毛症は有ったとしても、メジャーなタイプではない。沢山ある円形脱毛症のバリエーションの中の1つに過ぎないだろう……です。そして円形脱毛症社会に占める免疫異常タイプの割合は非常に低いと考えます。
話題も違うし完全に蛇足ですが「がん」とMafBとの関係性を書いてある先ほどの参考Webでがん細胞が不死細胞と書かれています。不死細胞で検索して調べてみるとその名の通り老化を回避した細胞のようですね。全身不死細胞であれば死なない身体を手に入れる事に成ります。もっともがん細胞(不死細胞)が正しい内臓の働きをしてくれるわけでは無いのでまともに肉体が機能する事は無いでしょうけど、不死細胞は免疫がその存在を許さないわけですね。と言う事は有限な命こそ肉体の至上命題なのかも知れません。
子供の頃読んでいた漫画で『銀河鉄道999』というものがありました。永遠の命が可能となる機械の身体を手に入れる為に鉄郎は機械化母星を目的地にメーテルと999で旅します。しかし永遠の命を手に入れた機械化人たちは有り余る時間に価値を見失った結果、鉄郎の理想とはかけ離れた堕落した生活をおくるようになります。命の本質に気づいた鉄郎は結局有限の命を選択するわけですが、この物語と先ほどの参考webが私には重なって感じられました。機能しない不死細胞(がん)と機械化人、有限の命の鉄郎と役目を担った正常な細胞、MafBとメーテル。妙に『銀河鉄道999』が深い~ぃと改めて感心してしまいました。全然関係ない話です。すみましぇん。
良ければ参考にしてみてください!
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