今回の内容は、質問箱に質問を投げていただいた内容に対してのご回答となります。
本日頂いた内容は
『私のお友達も、あおいさんと同じような症状です。きっかけは私が心配になりすぎて話したことです。私も心配しすぎてしまい授業を集中できませんでした。私にできる事ってありますか?少ないとは思いますが、思っています。』
でした!
ご質問ありがとうございます。
また、回答までにお時間がたってしまい申し訳ありませんでした💦
さて、こちらの質問に関してですが、
『自分の一言がきっかけでお友達が摂食障害になってしまい、自分自身気が気じゃない。自分にできることはありますか?』
ということと解釈してお答えします。
文章上ではどうしても意思疎通がしにくく解釈違いも多発してしまいがちなので、
もし「いや、そういうことじゃなくて……」ということがありましたら良ければご指摘いただけたら嬉しいです。
また前提として、摂食障害の発症は複合的な要因によって起こるということも知っておいて頂ければと思います。
私自身、『受験太りからのダイエットがきっかけ』と言っていますが
「ダイエットをしよう!」と思った要因は
身内や学校で体型について指摘されたり、自分で気づいて自身の体型に危機感を覚えたり、勝手に自分が周りと比べたり……など様々です。
さらにブログを書くようになってから、そのような理由の裏には
自己肯定感の低さや自分らしさを見失っていたこと、欲求不満などの
さらに沢山の要因が隠れていたことにも気づきました。
つまり、摂食障害が発症する“本質的なきっかけ”というものは多岐にわたるので
特定できず、本人が“いつのまにか”患ってしまうパターンが多いのではないかと思います。
そのため、質問者様が「私の一言が引き金になってしまったのかも……」と気負う必要はありません。
「引き金になってしまったのかも」と思う恐怖や罪悪感よりも、
当事者への心配や「何か力になりたい」という気持ちで接してくれようとしていることは、当事者として本当に寛大で素敵なご友人なのだなあと嬉しく思います。
ぜひ、そのような質問者様自身の人柄に自信をもって、これからの文章を読んでいただければ幸いです。
【当事者の“友人”としてできること】
結論から言うと、どんな状況だったとしても私が“友人”に求める役割というものは1つで、
それは“私の友人であること”です。
なぜなら、摂食障害を“友人”にカミングアウトしたときに最も怖かったことは
カミングアウトした(もしくは容姿や何らかの理由で摂食障害だと知られた)ことで、自分のもとから友人が離れてしまうのではという不安があったからです。
小・中・高校生(女の子だと更に)となると特にわかる話ではあると思うのですが、
学校で居場所がなくなる状況や、誰と接してもどこか壁があるように感じる状況を想像すると、とてつもなく怖いのではないでしょうか。
それはきっと、学生が殆どの時間を過ごす学校というコミュニティの中で『孤独』になることが『(学校という)社会的な離脱』を意味するからだと私は考えています。
また、私自身「周りに認められたい」という強い願望があったり、「誰よりも優れているもの」や「ここに存在しても良い理由」が欲しかったり、
誰かが自分を好いてくれているという安心感を得たいという気持ちがあったりしたため
学校で孤独になることや、病気が知られることで自分の近くから人が離れていくことは自分の願望とは全く逆の方向を行くものだったのです。
そのため、「気持ち悪いって思われたかもしれない」「ドン引きされるかもしれない」「軽蔑されたかもしれない」という不安で病気の話はなかなか人にはできませんでしたし、
ガリガリな状態から脱して一見“健康”に見える状態の時期はなるべく“摂食障害を持っている”と悟られないように接していたときもありました。
【“友人”という存在の大きさ】
とはいえ、やっぱり理解のある友人がいるかいないかでは、天と地の差があるわけで、
学生時代の大部分を占める学校生活で不安に感じたときにすぐ相談できる友達が傍にいることや、親や病院では言えないことを話せる相手がいることは、メンタルヘルスにおいてとても重要なことになります。
実際に私も関わりのある人すべてに何も言わないのは辛かったです。
そのため常に「受け止めてくれるのならば打ち明けたい」という気持ちはありました。
また、当時の担任に「自分から壁を作っている(病気のことを打ち明けない)から壁を感じるのかもしれないよ」とご指摘を受けたこともあり、
「この子なら言っても大丈夫かな?」と少しでも思ったときは打ち明けてみる、ということを繰り返していた時期もありました。
しかし現実はそう甘くもなく、
私が高校(摂食障害を患っていた頃)の同級生に「実は摂食障害なんだ」と伝えたり、私がガリガリになっていく姿を見たりした人たちは、はっきりとわかるくらい私と関わる機会が減りました。
その理由はおそらく、
私が摂食障害という理解することが難しい病気を患ったことによって「どうしたら良いかわからない」という気持ちや、「余計なことを言ってしまったらどうしよう」という不安や恐怖があったからなのだと思います。
しかしこれは、私のことを『摂食障害当事者』として見ているからこそ出てくる気持ちだと私は考えています。
誰だって未知のものに触れるときは怖いし、どうしたら良いかわかりません。
今でこそこのように相手の気持ちを予想して「まあ、しょうがないよね」と思えるのですが、
当時の私にとってはそんなことを考える余裕がなかったので
「ああ、言わなければ良かった」と、カミングアウトしたことをひどく後悔していました。
そうしていつしか自分のことを打ち明けられなくなっていた私ですが、
一時期は私の病気の事情を知っている且つ、特に気が合うわけではないけれど年中私と一緒にいた一人のクラスメイトもいました。
その子はクラスや部活で同じ空間にいる仲間と深い関係を築くのが苦手なタイプで、交友関係の状況としては殆ど私と同じような感じでした。
私が摂食障害であると伝えた際には、離れるわけでもなく否定するわけでもなく、「へ~、そうなんだ。それは辛いよね。」という反応だけだったのですが、それが“理解”になっていたわけではありません。
だからその子の何気ない一言に傷つくこともありましたし、正直しんどく思うことも多々ありました(多分、日ごろの様子を見ている限りは相手もそんな瞬間はあったと思います)。
一緒に居て頻繁に話すわけでも、お互いに「楽しい」と思うわけでも無いので、
『友人』だったかと問われると、きっとそうでは無い関係性だった気がします。
言い換えるとすれば、“一人になりたくない”という利害の一致で一緒にいた仲間、でしょうか。
質問者様とその当事者のご友人との関係性と、私たちの場合の違いはそこだと思います。
そのため私は、質問者様の「当事者の友人に何かしてあげられることはないか」と摂食障害について関心を持ち、心配してくれるその姿勢に心から嬉しく思うし、
質問者様のご友人を羨ましくさえ感じます。
つまり、質問者様とご友人の間には、“「一人になりたくない」という気持ちの一致“以外も含まれるもっと深い関係性が築けるということです。
【1人の人間として認められること】
当事者の頭の中では常に病気や食べ物のことでいっぱいですから、自分ではもうコントロールできない状況になっています。
だから友人関係に限らず、病気以外のことを考える時間を作ってもらうことは、当事者である私にとってとてもありがたいことなのです。
私の経験の中でも『病気である自分』で居場所を作ろうと必死になっている中で
『“あなた自身”で良いのだ』『“あなた”が好きなのだ』という態度で接してくれる人たちのおかげで、少しずつ私自身を認められるようになったように思います。
そのため日常の大部分を占める学校生活の中で
友人が『患者』としてではなく『一人の人間』として友達でいてくれることこそが、一番の心の支えとなるのではないかと私は考えています。
【病気の話をする時のアプローチ方法】
ここまで書いたことが大前提として、
ここから具体的な病気へのアプローチ方法についてもお話ししていこうと思います。
というのも、病気を患っている以上、やってもらって嬉しいことや辛いことはありますし、
『友達』でいてほしい傍らで病気のことに関して友達に相談してしまうこともあります。
当事者(私)としては友達同士で話す日常の相談のような感じで話してしまいますが、きっと相談を受ける側は気が気じゃないですよね。
そんな時にはどうしたら良いのか。
友人関係の場合に要点を絞ると以下の4つが挙げられるかなと思います。
1つ目は「悩みを笑いに変える」です。
これはとても高度な技術になりますので、「笑いに変えよう!」と必死になる必要はありません。
それは笑いに変えるのが得意な人だけで大丈夫です( ´∀` )
要は「気分転換」になることをしてくれたら嬉しい、ということですね。
共通の趣味があればその話をしたり、授業の話をしたり、どこか遊びに行ったり、一緒にきれいな風景を見に行ったり、自分の好きなものを熱弁したり。
今までの沈んだ気持ちを変えるきっかけ作りをしてもらうことは自分ではなかなかできないことなので、とっても嬉しいのです。
2つ目は「うんうん、と話を聞いてくれること」です。
最初にお話しした通り、なかなか病気に対して関心を持ってくれる人や、真摯に話を聞いてくれる人って少なくて、
大体の人はどうしても理解できないことや未知のモノが目の前に差し出されると、話を逸らしたくなったり、困ってしまったりすることが殆どです。
そんな中、「うんうん」と話を聞いてくれる人が居るということは、すごく有り難いことです。
3つ目は「こういうのって困るの?」と具体的に聞いてくれることです。
個々でのポイントは『具体的に』という部分です。
なぜなら「どうしたら良いの?」と聞かれると、自分でもベストな対応が分からないので困ってしまうからです。
一方で「食べ物を勧めるのは嫌?」「こういうお店は苦手?」と言われると
その時に私が「嫌だ」と感じるか「平気」と感じるかで返答することができるので、自分がどういった対応が嫌で、どういったことなら大丈夫なのかを自分自身でも自覚することができます。
ただこれに関しては、はっきり言われるより察してもらった方が有難い、という方もいると思うので、あくまで私の場合として参考までに考えていただきたいです。
4つ目は「放っておくときは放っておいてもらう」ことです。
抑うつ状態も併発していた私は、
タイミングによってはひどく落ち込んでいたり、だれにも会いたくなかったり、八つ当たりがひどいときもありました。
また、自分が「太っている!」と感じた時や「自分の顔が人に見せられない」と思うほどに自己肯定感が低下しているときは、さらに自分から人を遠ざけたい気持ちが強くなります。
そのため、意識的に人と関わらないようにしたりすることもあったのですが……それは気分屋過ぎて申し訳なかったです(-_-;)
しかし、そんなときに
「気が向いたら来てね」
「ゆっくり待ってるから、いつでも帰ってきていいよ」
などという言葉があったとしたら、とても嬉しかっただろうなあと思います。
【終わりに】
質問者様と当事者のご友人が“友人関係”であったため、今回のお話は友人関係に関しての「嬉しかったこと」を挙げましたが、
ほかにも当事者家族・学校・支援者・身内などなども含めた『支援者』の方々に対して「これは嬉しかったな~」と思うことや「これはしんどかったな~」と思うことを過去のブログでもまとめてありますので、
ぜひそちらも参考にしながら、“支えたい”と思う当事者の方への接し方を考えていただければと思います。
↓記事のURLはこちら↓
また今回のブログで疑問に思う事やもっと深堀したいことがあれば、また質問箱(https://peing.net/ja/aoi331_graduate)やDM、メールなどで気軽にお声掛けくださいね。
質問者様とそのご友人がより良い関係を築き、楽しい学校生活が送れますように🍀
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