前回「葦」について書いた記事で、ニニギノミコトが降臨する前の「葦原中国(あしはらなかつくに)」の描写を取り上げました。

 

 

 

「多に蛍火の光く神、及び蠅声す(さばへなす)邪しき神あり。

 

  復た草木咸くに能く言語あり」(日本書紀) 
 

 

 

= 蛍火のように怪しく光る神々や、蠅のように騒がしい邪神で満ち、草木までも言葉を発し人間を脅すほど荒れ果てていた。

 

 

 

          

 

 

 

 

「葦原中国」とは、蠅(ハエ)のように騒がしい邪神がいる国」だったのです・・

 

 

 

         

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで登場する印象的な言葉、蠅声す(さばへなす )」

 

 

 

これは「蠅のように騒がしい・うるさい・煩わしい」という意味です。

 

 

          

 

 

 

「さばへなす」は、古事記では「挟蠅なす(さばえなす)」となっています。

 

 

  そのほかの漢字表記もあるようで・・

 

 

「五月 (さばえ) 蠅なす」   「小蠅 (さばえ) なす」



「さばえ」とは、陰暦の五月頃に大量発生する蠅のこと。

 

「さばえなす神」は、その蠅のように四方八方をかけめぐる悪鬼。

 

  陰暦の五月・梅雨の時期に疫病をもたらすものを、蠅のような悪鬼にたとえたのです。

 

 

 

          

 

 

 

 

そして、現代でも「五月蠅い」と書いて「うるさい」と読むそうです。

 

(知らなかった!(・Д・))

 

 

「五月の蝿のようにうるさい」というイメージから生まれた言葉のようです。

 

 

 

「さばへなす」=「蠅のように騒がしい様子」またその「邪神」

 

 

 

                     

    

 

 

 

 

     ・・ここで登場する「蠅(ハエ)」というワード・・

 

 

 

           

 

 

 

前回、この「蠅の邪神」を、そのまま「蠅=害虫」と解釈しました。

 

 

 

葦原中国は「騒がしい害虫・ハエが蔓延する国だった」ということでは?

 

 

                         

 

 

 

 

 

・・「ハエの邪神」といえば、「ベルゼブブ」というハエの悪魔がいましたね・・(ベルゼバブ・ベルゼブルとも)

 

 

 

          

             ベルゼブブ  

    

 

 

「ベルゼブブ」は、ヘブライ語で「ハエの王」という意味。 
 

 

「サタン級の大悪魔」とされ、不浄や腐敗を象徴する存在です。

 

 (「糞山の王」「糞の王」とも!)

 

 

 

              

 

 

 

 

 「葦原中国」の「葦(あし)」は、「悪し」に通じる?

 

 

 「さばえなすハエの邪神」=「ハエの王」=「糞山の王」

 

 

    =「糞山の国」=「葦原中国」=「悪し原中国」・・?

 

 

 

     

 

 

 

 

 

そして「騒がしい羽虫」といえば浮かぶのが「鏡の国のアリス」に、意味深に登場するハエ(のような虫)。

 

 

 ★原文では「Gnat(ナット)」、これは小さいハエの仲間、ブヨ・アブ・カなどの「小さい羽虫」を指すそうです。。

 

 

          

 

 

 

列車の中でアリスは「Gnat」が耳元で話しているのに気付きます。

 

 

「きみは友だちだよね」

 

「昔から仲良くしてきたじゃないか」

 

「だから、ぼくにひどいことをしないよね。  虫だからといって」

 

 

 

      

 

 

 

 

ここでも「常に話しかけてくる煩わしい虫」として登場しています。 

 

      

             

 

 

 

 

 

・・「さばへなす邪神」の声に、煩わされないようにしたいものです・・(^。^)