“OWSのプールトレーニングドリル“
ドリル③:“キック競争””Competition
Kicking”
これはキックバトルとも呼ばれ、キック力を2人一組で強化する方法です。まず2人一組になってください。
2人がプールの中央まで歩いてゆき、互いに向き合う。そして互いの距離を5mほど開けてください。次にキックボードを2人の間に置き、それぞれがボードの端をつかんでキックの体勢をとる。合図と同時に30秒間のキック。この目的は自分を前進させ、相手を後ろに下がらせるようにキックを強く30秒間打ち続け、その位置で30秒間の休憩。これを10回繰り返します。例えば5回で位置を交代させて再び次の5回を繰り返したり、スイマーの年齢や泳力に合わせていろんなやり方を工夫してみてください。当然これは「強いキックを打つことによって推進力を生み出す。身体の姿勢が修正され、理想のボデイポジションに近づくこと」などが効用として挙げられます。
“OWSのプールトレーニングドリル“
ドリル②:”フリーウエイ“ “Free Way”
3~5人一組になってください。3-4秒間隔でスタートし、サークルスイムを行っていただきます。(右側通行)最後にスタートするスイマーはスプリントダッシュで前のスイマーを左側から抜いてゆく。他のスイマーは50~60%のイージースイム又はリラックススイムをしながら泳ぎ続けます。そしてプールをターンした時点で今後は最後尾のスイマーが同じようにダッシュを行い前のスイマーを抜き去る。このように泳ぎ続けながら3~5回に一回は全力で他のスイマーをぬいて先頭に立つ。これを繰り返しながら距離をこなし15分間連続スイムを行う。これは「スピードの変化・他のスイマーを抜き去るタイミングを学ぶ上で有効なトレーニングドリルです」その場合に全員のチームワークが重要となり、泳力も同程度に合わせる必要があります。理想は50mプールでのドリルですが25mプールでも工夫をしておこなえば可能です。
プールで出来るOWSドリル
“OWSのプールトレーニングドリル“
『プールで楽しみながら出来るドリル」について解説します。実際に海に行ってトレーニングをすることは難しいと思いますので、通常のプールトレーニングの中でオープンウオーター用に楽しみながらできる「練習ドリル」をいくつかご案内しましょう。プールでのドリルとなるとまだまだ日本にはトレーニングの具体的な方法を示したテキストが見当たりません。この点ではやはりアメリカなどのほうが歴史も長い分だけ進んでいるようです。ここではそのようなトレーニングドリルを公開しましょう。
以下のドリルは2~5人一組(同程度の泳力を有する者)を基準として組まれています。これらのドリルは一人でやれるわけではなくチームワークが重要です。スイマー同士が互いに気を使いながらトレーニングをやってゆきましょう。
①:“キャッチアップ” “Catch-up”
キャッチアップドリルをおこなう場合には、まず泳力が同程度のスイマーが2人一組になってください。互いに一人づつプールの反対側に並び入水してください。コーチ又は仲間の合図で両端から同時にスタート(決して飛び込まない・オープンウオーターはフットファーストと言って必ず足から入水するクセをつけよう)し、時計と反対周り(右側通行)でどちらかが追いつくまで泳ぎ続けていただきます。追いついた時点で終了し、合計何m泳いだかを確認する。
これは「オープンウオーターではいっせいスタートとなり、泳力や年令の異なるスイマーが同時にスタートするのでつい自分のペースを失いがちになる。そんなときに必ず自分と同程度の泳力を持ったスイマーを見つけて、安定したペースで泳ぐこと。そして相手とのかけひきで自分がスピードを上げてその競争相手を抜き去る間隔を身につけること」を目的とするものである。レース感覚を養うにはいいトレーニングとなる。
その後に1~2分間の休憩をはさんで第二ラウンドに入る。これを15分程度繰り返す。最終的に勝敗がどうなったかを確認して終了となる。より楽しむには罰ゲーム等を組み込むのもいいかも。
USMS Long Distance Swimming Manualより一部引用