前回のレッスンの最後、問題を書き出すのはちょっと厳しかったかな?
せっかく理想を描いてとてもいい気分になった後に、問題にフォーカスするなんて、かけられた魔法が一気に覚めるような気分になるかもしれない。
そして、それらを書き出した後「わかってる。それも全て自分が選んで来たことなんでしょ」と、お決まりの理論を持ち出して、諦めたり自分を責めたりする。
でも、ちょっと待って。このワークは決して「夢を描き、現実とのギャップを自覚し、それを埋めよう」なんて短絡的な解決のためにやったわけではない。
問題意識は、アイデアの宝庫となる。
だからどんな問題意識を今、自分が抱いているかを明らかにすることは、とっても重要!!
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Sは今までの人生、ずっと親の敷いたレールの上を歩いて来た。
「これがあなたの幸せよ」と言われ、疑うこともなくその道を歩いて来たけれど、ある時勇気を奮い立たせてこう宣言した。
「僕の人生は僕のものだ。もう誰かを喜ばせることを目的に生きるのは、今日でやめる」
Sは自立を証明するために、実家を出て一人暮らしを始める、という行動をすぐに取った。これから僕の人生は僕のもの。さあ、何をやろう。あれをやってみよう、これも見てみよう。Sの人生はまさに薔薇色に変化したように思えた。
数ヶ月経つと、Sはすっかり意気消沈していた。家を出たら今度は家賃が気になる。お金がないわけではないけれど、いつでも不足感があって好きなものを思うように買えない。月末になると支払いのことで頭がいっぱいで、夜も眠れない。
「もし家賃を滞納したら、保証人になっている親のとこへ連絡が行く。そんなことになったらまた親に『ほらやっぱり、お前は何にもできない』と言われ、実家に強制的に連れ戻されてまた、再び支配下に置かれるだろう…」
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Sは表面的には、親の支配下から脱し、外部の制約から抜け出したように見える。しかし精神的には相変わらず親の呪いを引きずり、心の奥底にずっと抱き続けていることがわかる。
つまり彼は、自分のセルフイメージを拭い去ることができずに、ただ場所だけを変え、親の望むシナリオを演じ続けていただけに過ぎないのだ。「お前は何にもできない」というシナリオを。そして結末はいつも同じ。
ここまでのシナリオはもう、これまでのノート術をやってきたあなたには起こりえない、と言いたいところだが、残念ながらこういったことは誰にでも起こり得る可能性がある。
毎回同じパターンを繰り返してしまうのは、自己イメージが無意識のうちにあなたを支配し、解決策はひとつしかない、というような錯覚を起こすからだ。
さて、ここで久しぶりにこの言葉が登場する。そう「想像力」の出番だ。
もしあなたがSの立場だったとしたら、どんなシナリオを描くだろうか?
私なら、Sに今すぐ全ての仕事を辞めさせる。アルバイトをしながら学校に行かせる。いきなりインドに一人旅に行く。高知の沢田マンションで1ヶ月過ごす。行く先を決めず日本を放浪し、現地で働く。北から南まで、釣りをしながらその様子をネットで伝える。役者になる。海外でカフェをやる。フードトラックで全国を回る…本当になんでもいい。
けれど私は、振り出しに戻るのだけは絶対にごめんだ。
これは私の考えだから、あなたの考えと違っていていいわけで、物事の解決法には正しいも間違っているもない。
そして、解決法が1つしかないなんてことは絶対にないのだ。
私たちがたったひとつの選択肢しかない、と決めつけるのはただの思い込み。
それは可能性の幅を一瞬にして狭めてしまう。自分に制限をつけてしまう行為だ。
ただ、この「自分の可能性の幅を狭める選択」にも善悪は存在しない。
大事なのは、自分で決めたことは自分でその責任を引き受ける、ということ。
1.前回のLesson17で書き出した「今の生活で問題だと思っていること、そして理想の人生を送れない理由」を使う。
これをもう一度読み返して、漠然とした感覚ではなく、言語にしっかり落とし込んで書き出してみよう。
2.その問題を解決できるアイデアを思いつく限り書き出してみよう。ここではモラルや道徳、ルールは一切無用。自由な発想で書いてみよう。お金や仕事や責任や、そんなものも一切合切横に置いておいて。とにかくどんな方法をとっても誰にも何も言われないとしたら、自分はどんなことをやるだろうか?
例)
人生で必要なもの:家
→これは抽象的すぎるので、一軒家を買いたいのか、マンションなのか、賃貸でいいのか、まず明らかにする
問題:お金がない
→お金がいくら必要かまで出せるとBetter
- 解決策
- 仕事を増やす
- 親や親戚にもらう
- 宝くじに当たる
- 銀行強盗する(こういったものも無視しないこと!!)
- 竹やぶで拾う
- 人に親切にしたら、その人が大地主で、その人からお礼にプレゼントされる(知人に実際にあった出来事です)
- あしながおじさんに出会う
- 自分の技術を高く買ってくれる人を探す
- ビジネスを立ち上げる
- 徳川埋蔵金を偶然発掘する→実家の庭で掘り当てる
- 思いついた便利グッズがバカ売れする
ポイントは、頭に浮かんだアイデアは全て記録すること。バカげているとか現実的ではないとか、思考で判断して勝手に除外しないこと。一見現実離れしているものの中にこそ、解決のカギが隠されていることが多いのだから。
これからの人生を完全に満足いくものにするために、あらゆる解決策をリストにしよう。
これは想像力を鍛える最高のレッスンだ。
可能なら、誰か周りの人にこのことを質問して、その人からもアイデアをもらおう。
最後にもう一度、これをしっかりと心に刻もう。
1.自分の人生を100%楽しむ、味わい尽くすと決める。
2.そのための自立を阻むものは、ただの思い込みであることを自覚する
3.いつだってその思い込みは自分の望むものに書き換えられる
川は流れる岸辺の間を。
滝、野原、谷に向かって。
私たちの精神はいつも同じ古い川が流れ
私たちの心にはいつも新しい風景を超えて川は流れ来る。
〜パトリス・ジュリアン
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