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今日はサーミ美術館「SIIDA」のこと。

 

 

 

    

サーミ族とフィンランド

 

 

サーミ族のことを知ったのはいつだったろう。

 

フィンランドのことなら何でも知りたくて、いろいろアンテナを伸ばしていたとき

 

『サーミの血』というある映画をみつけて、フィン人とはまた違う民族で

 

日本で言えばアイヌの人達のようなイメージなのかなと感じたりしていました。

 

 

 

フィンランドの国自体は100年ちょっとの若い国だけど、

 

もともと人は住んでいたわけで。

 

スウェーデンに統治されていた名残で国中の看板にはスウェーデン語も書かれているし

 

学校でこども達はスウェーデン語を習う。

 

でもその後、それを使うかどうかはその人の考え方次第みたい。

 

ロシアの管理下にあった時もあって、どの国がおさめているかによって

 

国に線がひかれ、その中にいる人達は故郷を失ったり、家族と別れたりすることもある。

 

実際、フィンランドと、ノルウェイとロシアの3つの国にまたがって彼らの住んでいる土地はある。

 

 

 

トナカイの遊牧をしながら暮らしていたんだけど、

 

チェルノブイリ原発事故の影響は大きくて、土地は汚染されて(トナカイも人も)

 

しまったので、暮らし方も変えざるを得ないという話しも聞く。

 

キノコは特に放射性物質を吸収するから。(トナカイが食べる)

 

 

 

こんな専門的な知識を普通のヨーギの私が知っているのも日本でも十数年前に

 

深刻な事故があったからで、あの頃は自分から情報を集めていかないと

 

家族と自分たちの身を守ることが出来なかった。

 

 

そういう背景もある中、歴史を知っていくことは大切だと思う。

 

 

 

    

Mariaとの会話

 

Osmoの友達のMariaが朝8:45に車で迎えに来てくれた。

 

フィンランドの人達は時間に正確だと思う。

 

この辺の感覚は日本人と似ている。

 

でも、人を待ったとしてもせかせかしていないのはこの広い土地にたいして

 

人の数が少ないせいか。

 

 

フィンランド語で会話が続くほどボキャブラリーは多くないので、

 

Mariaとの会話はすぐに英語に切り替わる。

 

 

英語にしたってわからない単語になるとおぼつかないけど、

 

こうやって知らない人と車の中で会話が続けられるほどにはなって来たと言うことか。

 

フィンランド語は小鳥のさえずりのようにきれいですねというと

 

そんなこと言う人は初めて聞いたとMariaが笑う。

 

「早口すぎてわからないと良く言われるわ」って。

 

SIIDAの近くのレストランで働いているらしい。

 

仕事は5時までで、そのあと今日はクルーズに乗るの、

 

帰りが夜の9時になるけど、良かったら来る?と言ってくれた。

 

ラップランドではチャリンコで行ける範囲を走り回ることしかしてないので

 

せっかく来たから一緒に行くことにした。

 

 

 

    

SIIDA MUSEUM

 

橋を渡るとすぐに右側に見えた。

 

 

ドアの開け方がわからなかったけど、前の人を見ていたらどうやら

 

ドアの横にあるオレンジ色のところを触ると自動で空く仕掛けみたい。

 

 

この位置にあるということがとても感心した。

 

車椅子の人が一人で来ても支障なくドアが開けられると言うことだ。

 

 

私の脚が下の硝子に映ってます。

 

 

受付でチケットを買う。

 

大人15€。

 

外国人らしい人にはどこの国から来たか聞くようにしてるみたいで

 

私がFrom Japanと言ったかJapanistaと言ったか忘れたけど

 

「その帽子素敵ね」と誉めてくれた。

 

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ここはサーミの伝統を次の世代にも伝えていくとともに、

 

展示会の自然セクションでは、最終氷河期以降の気候の歴史(どうやってフィンランドの

 

土地が出来ていったか)映像で見ることが出来て面白い。

 

未来の地球環境に想いが行くようになっている気がする。

 

自然の多様性と文化遺産を大切にすること。

 

世代を超えて受け継がれていくためにここはあると思う。

 

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女性の帽子。こんな風になってたんだね。

 

帽子もカラフルでいろんな種類がある。

 

服もそうだけど、その柄でどこの人かわかるようだ。

 

 

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トナカイの毛皮で作られた靴やコート。

 

 

あちこちにガイドの音声があって、細かく聞くことが出来る。

 

午前中の早い時間だったのでガイド付きツアーのグループがいて、

 

ガイドさんがフィンランド語で説明をしていた。

 

当然そばにいるので聞こえる。

 

全部はわからないけどちょっとわかるのでなんか人のツアーを盗み聞き

 

しているような気になって、なるべく聞かないように

 

音声ガイドの英語バージョンを選択してそれを聞いて自分で翻訳したりしていた。

 

 

でも、聞こえちゃうものはしょうがないんだけどね。

 

 

木で作ったおもちゃ。

 

手先が器用なのだと思う。

 

サーミの人達の手工芸品で有名なのはこれ、ククサ。

 

白樺をくり抜いて作るカップだ。

 

取っ手の所にはトナカイの角を使った飾りが使われているのは職人さんのハンドメイドの印。

 

最初にフィンランドに旅をしたとき、本物のククサが欲しいなと思って

 

イナリに来たときに自分用のものを買った。

 

一生ものだ。

 

 

ここではたくさん動画を録ったんだけど,やっぱり消えてしまっていた。

 

スマホで何でも出来るのは便利だけど、ビデオはビデオ、

 

写真もちゃんとカメラで記録をしたほうが安全だと今回しみじみ思った。

 

何故撮ったものがGoogleと連動するのか、わかる方、誰か教えて下さい。

 

スマホの中に残っていれば見られるはずなのに、SONYのXperiaはPCにつなげても見当たらない。

 

 

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動物のこともたくさん展示してあった。

 

冬になると雪と同じ色になるキツネは何故マイナス30℃を超える極寒の中で

 

生きていられるかとか。

 

(食べ物がなくなった季節、30日食べなくても生きていられるらしい)

 

クマも冬眠している間、何も食べなくても生きて行かれるように出来ているらしい。

 

フィンランドの人は動物が好きな人が多いけど、

 

それだけ身近にペットではない動物たちが暮らしていて、一緒にこの土地で生きているからだと思う。

 

SIIDAのHPはこちら

 

 

    

フィンランドらしいお土産

 

1Fにはお土産ショップがあって、ここでしか買えなそうなものを選んだ。

 

物価が高いのと自分が貧乏なのとで、厳選した。

 

 

左はプオルッカのシャンプー石けん 14.90€

 

抜け毛を減らして髪につやを与えるとあった。

 

右はクラウドベリーのコンディショナー 16.90€

 

髪の弾力性の回復。ダメージヘア用。

 

まだ旅は始まったばかりだからおさえていかないとね。

 

 

 

    

SAJOS

 

ランチはSIIDAの中のレストランではなく、Mariaの働いているレストランに行こうと思っていた。

 

SIIDAを背にしてJuutuanjokiの橋を少し戻った右側にあるSAJOS

 

※写真消えたからHPから借りました

 

ここはサーミ文化と行政の中心地で、ラップランド北部では最大のコンベンション会場なんだって。

 

フィンランドのサーミ人達が自らの言語や文化を保存、発展できるように活動する場所。

 

 

木で作ったカーブがとても素敵な建物。

 

日本だったら辺り一面全部アスファルトで固めてしまうだろうなと思う。

 

だから暑くなるのに。

 

 

ここのカフェにMariaはいる。

 

中に入って左奥がカフェ。

 

庭がまたとてもきれい。

 

お昼はブッフェ式13.50€。

 

小食の私にはブッフェは残さなくて済むのでありがたいけど、

 

多分フィンランド人の男性の半分くらいしか食べないと思う。

 

Sサイズがあればいいのにとせこいことを思う。

 

パンが美味しいので2つもらった。

 

ポテトとサーモンのラティッコはウマウマ。

 

あとはラザニア、そしてスープとサラダ。

 

お茶はハーブティーにしたけど、品質が良いのはすぐにわかる。

 

プラスティックのTバッグじゃないのがホッとする。

 

こんな景色の中で一人ゆっくり食べるランチは幸せ。

 

Mariaの仕事が終わる5時まで時間がたっぷりあるのでまた外に出る。

 

 

 

    

またもや虫除けを忘れる

ラップランドにいるなら虫除けスプレーは必須なのに、また忘れた。

 

森で遊んでいたけど、虫、虫、虫。

 

 

長袖で正解だった。

 

みんなが口を揃えて「長袖を持って行きなさい」「虫除けスプレー忘れずに」というのがわかった。

 

 

 

    

フィンランド語の勉強の成果

 

この後ラップランドのお土産ショップにも立ち寄り、

 

そこの入り口にあったブランコ式イスとテーブルで日記を書いていた。

 

しばらくして男女4人のグループが来て相席の形になった。

 

そのうちの女性が”Japanin kieli on todella vaikeaa"

「日本語ってすごく難しい」と仲間に言ったのが聞こえて

 

”Suomen kieki on myös vaikeaa”「フィンランド語も難しいですよ」

 

と私が思わず言ったらそこにいた人達みんな驚いて

 

「ごめんなさい、あなたがフィンランド語わかると思わなかった」と女性が

 

ばつが悪そうに言ったのでみんなで笑った。

 

どこでフィンランド語を勉強しているの?大学?

 

もう一人の女性に聞かれる。

 

「家で。大学には行ってないです。」

 

 

それにしても私が書いているのが日本語だとよくわかったなあと後で思う。

 

いかにも私が日本人っぽかったのかな、それともフィンランドを訪れる日本人女性

 

がとても多いからかな。

 

やっぱり外にいるといろんな人に出会えて楽しい。

 

 

    

イナリ湖クルーズ

仕事が終わったMariaとクルーズの時間までのんびりする。

 

Mariaの友達2人と合流。

 

クルーズツアーには18人くらいの人が乗っていた。

 

歌を歌ってくれる人達がいて、それを聴きながら何故今私はここにいるんだろう?

 

と不思議な気持ちになった。

 

昨日まで自分がここでこうしていることなど想像もしてなかったから。

 

 

ギターの女性、ハスキーな声で素敵だったな。

 

イナリ湖をぐるりと一周したのかな。

 

のんびりした時間になった。

 

夜宿にMariaが送ってくれて、Osmoが帰りが遅いから心配だったのか外に出て向かえてくれた。

 

 

SIIDAの裏の景色。

 

 

明日はいよいよIvaloからHelsinkiに戻る。

 

 

ここまで読んで下さりありがとうございました。

 

まだまだ続きます。YouTubeを観て下さっている方はニヤリとするかもしれません、

 

ちょとしたアクシデントが待っている。

 

 

Kasumi