・・・夕方日記・・・ -5ページ目

Willeman Ivy

 

実家でお茶、その3。

 

前にも何度か出てきていますが;ワイルマンのTea for Twoです。

エンパイアシェイプという形に、アイビーのパターン。

1893-1910年のものです。

パターン違いのものが以前書いたこちら

 

   

 

ピンクからベージュにグラデーションになっているのが

凛とした中にもやわらかく、ふんわりした雰囲気なのと

カップもポットも小ぶりなのがかわいらしくて和みます。

 

いつも砂糖入れをお菓子入れにしています。

 

紅茶のスノーボールと、クッキーにジャムを添えて頂きましょうという企画

ジャムクッキーを作ろうと思っていたのにうっかり忘れて砂糖控えめの生地を丸めて焼いてしまったので

最終的に甘さの帳尻を合わそうという企てとも以下略

 

 

   

 

いちごジャムが入っているのは

本当は塩入れ(ソルトディッシュ)です。

 

1897年にバーミンガムのJoseph Glosterで作られたものです。

貝殻のかたちの入れものに、これまたボウル部分が貝殻のスプーンがセットになっています。

 

よく作ろうと思ったな、そして作ったなぁ…としみじみ思う

精緻で流れるようなシェル模様がとにかくスバラシイです。

なにもなにも、ちひさきものはみなうつくし@枕草子第151段。

 

長さ5㎝ほどのスプーンのホールマークは

爪楊枝ほどの細さの柄に整然と打たれていて、

ここだけでも職人さんの神の手を実感します。

 

まるい足がついていて、横から見るとちょっと和みます。

席に着いた状態では見えないのですが

スプーンの頭の部分とひそかにお揃いになっているところも洒落ているなぁと思いました^^

 

 

お盆がついていて、こんな感じで全部のせられるので

ここでお茶を飲もうというところに

さっと持って行けるのがありがたいです。

Coalport

 

実家でお茶、その2。

 

コールポートのトリオです。

テーブルの年季が入りすぎていますが気にしない方向でお願いします(深々←え

 

 

コバルトブルーのところが

羽を広げたこうもりの形に見えるので

バットウィング(Batwing)と呼ばれています。

 

白い部分にはばらの花綱模様、

縁はぽこぽこと盛り上がり、金彩がしっかりめにぐるりと一周。

 

お天気や時間によって、

青の色味が少しずつ違って見えるのもおもしろいです。

 

こちらの本にルーツが書かれていました。

 

英国アンティーク〈PART2〉テーブルを楽しむ 英国アンティーク〈PART2〉テーブルを楽しむ

 

三代にわたってこのシリーズを集めたと思われるセットが載っていて、

最後の1910年代とあるのがこちらのバットウィングでした。

 

もともとは、ブルーグラウンド(Blue Ground)という

1800年代初期からあるデザインだそうです。

 

カップの外側は白地が基本のシンプルな図柄で、内側が華やか。

時代が下るにつれて絵付けが「かっきりと鮮明(p.93)」になり、

このトリオのようにティープレート(お菓子皿)がつくそうです。

 

ティープレート(お菓子皿とかケーキ皿とか言っていますが

著者の大原さんが書かれているように

本当はティープレートというのが正解です;すみません)は

1840年頃までのものにはほぼついておらず、

「B&Bプレートやバスケットから直接

お菓子やパンを指でつまんでいたと思われる(p.94)」そう。

 

 

二客あって、片方(左側)はソーサーのくぼみに丸く金彩があるのですが

もう一客(右側)はなく、ソーサー自体の深さもあります。

 

バックスタンプはどちらも同じで

1891-1919年頃のものなのですが、

右側の方が少し古い時代に作られたもののようです。

 

縁のエンボス加減も古いと思われるものの方がくっきり細かく、

新しい以下同文はよりなめらかな感じになっています。

お花の描き方も少し違っていて楽しい。

 

 

お菓子はスノーボールとくるみのクッキーです。

 

華やかなセットなので、もっと見栄えのするお菓子の方がいいんだろうなと危ぶみつつ

家にあった自作のものをのせてみましたが、意外と大丈夫でびっくり。

はい?(怒)と思われた方がいらっしゃいましたら全力で土下座をば;

 

思えばこのご先祖様が作られた18世紀初め頃は

凝った生ケーキやカラフルなマカロンとかはまだなくて、

おそらく簡単につまむことができるサンドイッチや焼き菓子など

素朴な色の仲間たちが添えられていたんですもんね、

なんだか腑に落ちてほっとしました。

 

そして、「似てるのはわかるけど、何故にお茶の道具に

洞窟感漂うこうもりネーミング…」と最初は思いましたが、

使っているとこうもりが「わーいお菓子だ♪」と集まってきたふうにも見えはじめ

一周回ってかわいく思えてくるマジックが。

 

気に入ったので貸してもらってこちらに帰ってきたのですが、

中国ではこうもりは縁起がいいとされているそうで、

たまたま中国にいらしたことがある方にお出ししたらとても喜んでもらえて

驚きつつも嬉しかったです。

 

急だったので簡単なお茶菓子しかなかったため、器で底上げを図ってこれを選んだのですが

漢字の「蝙蝠」の「蝠」が、「福」に似ているのと、多産のイメージなどから

こうもりは幸福を運んでくるとされているのだそう。勉強になりました。

 

こうもり部分が緑やピンク、紫やえんじ色のバージョンもあるそうです。

いつか見ることができたら嬉しいな。

Choisy Le Roi

 

実家でお茶シリーズ、その1。

 

ベイクウェルタルトを焼きました。

 

   

 

お皿と砂糖壺は

フランスのショワジー・ル・ロワのものです。

 

ショワジー・ル・ロワは、1804年にパリの近くのChoisy le Roiという町で創業した窯です。
1920年にはクレイユ・モントローを吸収合併し、1938年まで続きました。

 

   

 

お皿は透かしやそれぞれのレリーフが楽しいです。

厚手であたたかみのあるところが、しみじみ安心できて

お菓子だけでなく、どんな料理をのせても似合いそうな気がしました。

 

   

 

砂糖壺は仏語だとシュクリエと呼ぶそうです。

トチーはクッキー入れにしていました。

 

貝殻の持ち手?やトレリスに絡んだ花のようなレリーフや、

細かいところまで凝っていて、すっとながめていられます。

 

どちらも1800年代のものだそうです。

歴代の持ちぬ氏の方々がずっと大切にしてらしたんだろうなぁと思いました。

 

 

カップは青×白つながりで、シェリーのデイジーです。

デインティシェイプという花のような形が壺です。

ケーキ本体がのっているのは安定のブルーウィロー

 

イギリスとフランスが混ざっているうえ

よく見るとお皿も別々なのですが;

ブルー&ホワイトでなんとなくまとまる(気がする)のがありがたや。

 

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カトラリーはずいぶん前から質問をいただくことが多かったものです。

ようやくちゃんとした写真を撮ってまいりました←遅すぎ;ほんとに申し訳ありません

 

1876年製、メーカーはシェフィールドのLevesley Brothersです。

 

柄のアイボリーの彫りも、刃の細工も精緻で毅然としているのですが

ふしぎと柔らかな雰囲気があって

へんに緊張させられることなく持てるところに、

ずっと前に作ってくれた職人さんの器の大きさと温かさを感じるのでした。

帰去来辞

 

少しさかのぼりますが;2月に地元に帰ってまいりました。

 

母トチーが作ってくれたちらし寿司をいただいたり

甥っ子チビ助くん(今年度高2)や姪っ子チビ子ちゃん(小5)に会ったりして過ごしました。

 

 

トイプードルのバニラちゃん、インコのマリーちゃん(白&水色)ときみちゃん(黄色)も元気でした。

 

   

 

びっくりしたのがひめうずら、

昨夏には元気だったきなこさんが秋にお空に帰ってしまい

ごまさんが一人になってしまったので、

仲間をと思って卵を7個あたためたら

なんと5個が孵ったそうで(一年前は7個中2個だったそうです)

イモムのおうち、ひめうずらが6羽にヽ(゚◇゚ )ノ

 

   

それぞれ個性があって、見ていてほんとに飽きなかったです。

羽の色も自然の美という感じできれいでした。

 

イモムがいろんなドッグカフェ(ドッグラン)に連れて行ってくれました。

 

ペットを連れていけるカフェというと

オープンカフェで優雅にくつろぐお洒落な人々の足元に座るワンちゃん、というイメージが

勝手にあったのですが;←間違い

どこも本気で走り回れるスペースがたっぷりあってびっくり。

 

 

下中央の白いほわほわしたのがバニラちゃんです。

 

もはや走るスペースを確保するためというより

山まで走って行っちゃわないでね的に

フェンスが設置されているとしか思えません…(地方バンザイ

 

 

上の写真とは別のドッグランでいただいたキャラメルラテ。

ドライフルーツとナッツがのっていて、かわいくておいしかったです。

人様に淹れてもらうお茶はおいしいな

 

中盤、チビ助くん→チビ子ちゃんとインフルエンザにかかり

私と父母も潜伏期間かと基本的に家な人で過ごしたので

アンティークのお店に行けなかったのが心残りでした、またの機会を楽しみに。

 

イモムとチビ助くんとチビ子ちゃんは連休にもうちに遊びに来てくれて、

会えて嬉しかったです。

三ヶ月しかたってないけど、二人ともぐんと背が伸びた気がしました(^^ゞ

 

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そんなわけで(どんな?;

しばらく実家のお茶の記事が続きますが、おつきあいいただけると幸いです。

薔薇ノ花咲ク。


 

薔薇が咲いています。

 

夏のような陽気が続いたおかげなのでしょうか、例年よりも咲くのが早めで

つぼみの数も多くて嬉しいです。

 

      

 

なかでもブレイクしたのがアブラハム・ダービー(名前の由来はこちら)。

花の保ちも、甘めの香りもとてもいいです。

 

 

いくらでも切って生けられるようになってありがたや。

それなのに一輪挿しの写真を撮ってしまった;←舌の根ウエッティー

 

 

      

 

一番好きなヘリテージ。

 

ころんとした形と品のいい香りが気に入っています。

さらっと散ってしまうのですが、そこがまたいさぎよし。

 

 

      

 

グラハムトーマス(名前の由来はこちら)。

あたたかみのある黄色に、ティーローズの香りがすがすがしいです。

 

今年はかなり大きくなって、ダービーに続いてたくさん咲いてくれています。

ご先祖様がヘリテさんと同じなので、形がそっくりでちょっと楽しい

 

 

ゴールデンボーダー。

 

こちらは修景用のばらで、小ぶりの花が房のように咲きます。

グラハムさんよりレモンがかった、すっきりした黄色がかわいいです。

 

L. D. ブレスウェイト。

 

イングリッシュローズを作ったデビッド・オースチンの

義理のお父さんの名前(Leonard D. Braithwaite)がつけられています。

 

うまく写せなかったのですが;もう少し落ち着いた赤で、雰囲気があります。

一輪でばら感が部屋全体に広がる気がして、

赤い薔薇はやっぱりすごいなぁと毎年思います。

 

 

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春頃に作ったいちごのタルト。

 

いちごの赤とブルーウィローを自然に合わせられるようになると

ああ春だなぁと毎年感じるのですが(真冬だと少し寒そうに見えるときがあるのです

今年はあっという間に初夏になった感じがしています。

 

なかなか更新できないあいだも見に来てくださった方々、本当に申し訳ありません;

そしてありがとうございます。

 

冬に地元に帰ったときに撮った写真がたくさんあるので

また少しづつ書いていこうと思います。