部屋中の何もかもをひっくり返した様な大騒ぎをし始めて、それが

彼の思考回路をグチャグチャにし始めた。 身体は身体で、その走

ってる電車の中を走ったら病院へ近づくのではないかと錯覚をして

、今にもそのように走り出してしまいそうな、更には、体中の血が逆

流して血の汗となって染み出るのではないかとさえ思えるほど、ジ

ンジンとしびれるような神経たちは、内側からまるで剣山をまとめて

歳続けているかの如くに痛いほどの緊張を敷いている。

 そんな訳の分からない程の感覚の真っ只中にいるような状態の

自分に、。                         つづく

 頭の中を駆け巡っている想いは『どうしよう、何もわかんないんだか

ら、なんで教えてくれなかったんだ。少しのけがなのか、大変なけが

なのか、死ぬほどのけがなのか、それくらい教えてくれてもいいんじ

ゃないか、僕が行くまで待っててくれ』といったような思いが延々と

繰り返された。  実際には五分くらいの時間であったのだろうが、永

遠に続くのではなかろうかとさえ思えたその視聴覚の変調は、突然

に息を潜め、今度はそれの代わりにガラガラといたずらに代続けてい

る壊れかけたオモチャのような言葉の渦が。       つづく

   同時に耳の奥でガンガン鳴っていたあの音さえも消え、シーンと

静まり返ったその真っ暗闇のような無音の世界の中を『どうしよう』

などのなどの色んな文字が、大きくなったり、小さくなったりして、ラ

ンダムに飛び交ったりしてるその様は、来るはずの朝が来ない夜の

ように感じられ、その恐ろしいまでの沈黙と色のない世界は、限りな

く続く深い闇へと続いているトンネルのよう。

 暗い景色を鏡にしたかのようなその車窓のガラスに自分の顔が

映ってはいるが、彼には、定かではないその表情を観る余裕すらな

い。                              つづく

新橋駅から横浜駅まで四十分くらいの距離なのだが、その時間は彼に「

は、とてつもなく長い時間を要しているように思えた。

 どれほどの時間を計る体内時計は。すべての運動を停止しているかの

ようにさえおもえた。 もっているはずの思考回路がパチパチとはじけて

壊れるような錯覚に囚われる。 テレビや映画などで観る、あの破壊シー

ンのようだ。  彼にとってのショックの度合いを計るかのように、そのシー

ンは、突然!! 彼の視聴覚から色という色を奪い取り、そこにはモノクローム

のの世界が展開し始めた。                 つづく

 

 

 その彼に「つい今しがたで、横浜の寿町警察って、言ってたよ。詳しい

話は聞かなかったけど、すぐに来てほしいって、言っていたからね。 横

浜駅から、タクシーで行けば、その方が早く着けるんじゃないかな。」

という答えが返ってきた。

 それだけを確認して、彼は店を飛び出した。店からは、歩けば五分程

で着く道を駅まで走り、その新橋駅の改札を抜けると、階段を一気に

駆け上がり、大急ぎで一番線へ行き、今にも発車せんばかりの、新橋駅

八知英分発の横須賀線に飛び乗ったのがことだ。     つづく

 

 

  「早く帰った方がいいよ。奥さんが交通事故に遭ったんだって、

警察から電話があったって。」と、言われて、「何処の警察ですか?

何時ですか/ どうしてですか/」と、矢継ぎ早に質問する彼に「

マネージャーから、社内電話で、たった今連絡があったばかりだ

から.さ、詳しいことを聞きに戻った方がいいよ。」との答えに、手

伝いに行っていたその店を後にして、急ぎ、彼は自分の職場で

ある二号店へ戻り、上司のマネージャーに「何処の警察から電

話があったのですか?それは何時ごろにあったのですか?けがは

?どんな様子って言ってましたか?」          つづく

 

 

 

 そんな彼の耳の奥で、ガンガンと鳴り響く音の正体は、銀座の夜

を彩る飲食関係の顧客たちが急ぎの買い物をする為に、ややもす

ると殺気立っているような「あれとそれとってヨ!!」とか、「それだけで

いいから早くして!」などの声が声が飛び交う店内で、それこそ忙し

く飛び回って接客していた彼に、その店、三号店店長の坪井さん

さんから突然伝えられた言葉が何度も繰り返されているものだ。

レコード盤傷がついて音が繰り返される時のように、永遠に続き

そうで頭が壊れてしまいそうなほどだ。       つづく

 

ここでの独白に、私小説を。

時代背景は、昭和四十四年頃。

 

 午前十時から、午後十時という勤務時間体系の中では、殆ど乗ること

のない時間の車窓から見える灯りの移ろいは、真暗闇の海そのものの

ようで、ビルのネオンや、街灯や、家々の灯りを見るともなしに、、彼の

眼は、宛所もなく彷徨っていたいた。・

                         つづく

 

眉は、、人生さえも、左右するほどの印象があります。

ただし、表立ってということではないんです。

潜在意識に訴えるということ。

第一印象などという場合に。

それは、意図しないことでもありますね。

 

キレイにのつもりが、じゃなかったら。

そういうことって、意外に多いんです。

よかれが、じゃなくって。

字日なことばかりだと、あきちゃうかもしれませんが、びようなんて、そんなもんですから。

表ばっかり見ないでね。