同時に耳の奥でガンガン鳴っていたあの音さえも消え、シーンと

静まり返ったその真っ暗闇のような無音の世界の中を『どうしよう』

などのなどの色んな文字が、大きくなったり、小さくなったりして、ラ

ンダムに飛び交ったりしてるその様は、来るはずの朝が来ない夜の

ように感じられ、その恐ろしいまでの沈黙と色のない世界は、限りな

く続く深い闇へと続いているトンネルのよう。

 暗い景色を鏡にしたかのようなその車窓のガラスに自分の顔が

映ってはいるが、彼には、定かではないその表情を観る余裕すらな

い。                              つづく