心理師の霜丘麻依です。
心が通う親子コミュニケーションのひとつめ、前回の記事では、
相手をコントロールする働きのある言葉を見直す、というお話を書きました。
「指示」「禁止」を最小限にして、
「問題の指摘」「詰問」「責める」「評価する」をやめて、
「励ます」「助言する」「褒める」も基本的には選ばない・・・としたとき、
じゃあどんな言葉だったらいいのか?
ということを考えていきたいと思います。
相手をコントロールしようとすると関係が壊れる、のですから
いい関係をつくっていくためには
これらと逆に考えるのがよいわけです。
つまり目指す姿勢は「相手の感覚・考えを大切にする」となります。
お子さんがいくつであっても、
本人が感じていることや考えていることが一番大切で、
自由に感じたり考えたり、
目の前のことに対応するために判断や決断をしたりできるほうに働くような言葉を使うとよいでしょう。
とりわけ大きな、心に良い影響があるのが、
保護者が言いたいことを言うよりも先に
お子さんのアウトプットを受けとめることです。
お子さんが小さい時には、
多くの保護者さんが自然にしていることですがこんな言葉が感覚・思考を育てます。
・本人が感じていることを理解して言葉にする
たとえば「おなかへったねえ」「おいしいね」「おもしろいね」
・共有したことを描写する
「鳥さん木にとまっているね。かわいい声で鳴いているね」
「この絵はここが赤くて、だんだん色が変わっていってきれいだね」
・共感する
「お友達とバイバイするのさみしいね」
小さい頃のほうが、欲求がシンプルで素直なので、観察も共感も比較的楽ですね。
お子さんの年齢が上がると、コミュニケーションも徐々に難しくなっていきます。
まずは否定せず、評価しないで話を聴いて受け入れることができると、
本人が自ら、目の前の出来事に対処するようになっていきます。
これが、「内発的動機を育てる」ことにつながります。
大人がさらに、このように育ってきた内発的動機を尊重していくかかわりをすることで、
子どもたちは自分に必要な判断力を身に着け、
行動し、
結果を受けとめて成長していきます。
たとえば、「助言」はよくないと先に書きましたが
お子さんの立場に立った時に
わかってくれない大人に助言されても聞きたくない、というのはわかりやすいと思うのです。
ですからまず、否定しないで受け入れる、が先です。
お子さんが学校に行かないという状態や、
あるいは行きたくない気持ちを受け入れることが難しい、保護者側の心境もあることでしょう。
ただ、「学校に行く・行かない」以前に、
何かお子さんに気がかりなことがあるはずなので、
まずはその部分を否定せず受け入れる、というステップを目指してみることを勧めたいです。
親子ともに問題がすでに複雑になっていて、
誰かの手が借りたいという場合は
どうぞお気軽に頼ってくださいね。
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次は、わかってほしいときの具体的な言い方の話です。
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