こんにちは
公認心理師、臨床心理士の川本です。
今回は、私たち“心理職”にできることの1つを紹介させてください。
私たち心理職は、医師のように診断をしたり、投薬を行ったりすることはできません。
ですが、知能検査などの検査をとり、ご本人のアセスメントをすることができます。
(アセスメントというとかなり幅が広く、また検査にもたくさーんの種類がありますが、
今回は小学生以上のお子さんに施行することの多い知能検査、WISCをイメージして書かせていただきますね)
これまで知能検査をとったことがあるという方もおられるかと思います。
3年に1回くらい定期的にとっているという方もいれば、
知能検査をとってみては?と勧められたけれど、ためらっているという方もおられるかもしれませんね。
知能検査は、相談機関、病院、療育機関など様々な場所で実施する場合があり、
受ける場所によって料金や検査後の流れも異なってくるかと思います。
基本的には検査を実施した後、検査結果を分析して、どう日常生活に生かせるか、
どのような工夫をすると生活や学習がしやすくなるかを「今抱えている困り事(主訴)」と併せて検討します。
医療機関ですと診断のための根拠の一つに、療育機関ですと指導内容を検討する材料の一つになったりもするでしょう。
必要であれば、検査結果を保護者だけでなく、ご本人、学校の先生にお伝えする場合もあるかと思います。
検査はとって終了、IQを知って終了、では意味がなく、生活に生かせて初めて意味があるものです
しかし、残念ながら検査結果について詳しい説明を受けられなかった、説明が難しくて分からなかった…と
検査のとりっぱなしの状態にある方もおられる現状もあるようです
知能検査でお子さんの全てを把握できるわけではありません
(例えば、知能検査で運動神経や音楽の才能、絵の才能は結果の数値として表れません)。
ですが、お子さんの特性や得意不得意、どのような情報の提示が有効か、といったことが分かり、
生きやすくなるためのヒントが得られることも確かです。
主訴が「不登校」や「登校しぶり」だとすると、知能検査を受けることで何かが大きく解決するとは限りませんが、
ご本人の特性を理解するということは大事なことのようにも思います
以下はこれまで検査を実施し、結果面談をした保護者からの感想の一例です
☆本人の特性が理解でき、「やらない」「手を抜いている」のでなく「できない」「苦手」なのだと知ることができた
☆「どうしてできないのだろう?」の謎が解けた
☆本人に合った学習法(漢字の覚え方など)が分かって、学習に取り組みやすくなった
☆学校の先生に伝えることで、分かりやすい指示を出してもらえるようになった
☆普通級にするか支援級にするかの判断材料の一つになった 等
次回は、知能検査についての続きと、この「親子心理研究所」ではどんなお手伝いができるか、について
お伝えできたらと思います。
読んでいただきありがとうございました
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