日本生命presents ピノキオ支援コンサート 室内オーケストラ・コンサート | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

2023年5月16日、『日本生命presents ピノキオ支援コンサート 室内オーケストラ・コンサート』(in東京オペラシティ)を聴きにいく。

 

 

(※チラシは違うがプログラム、出演者全てが同じなので参考まで・・)

 

曲名

S. プロコフィエフ:交響曲 第1番 ニ長調 op.25〈古典的〉
I. ストラヴィンスキー:〈プルチネッラ〉組曲
Z. コダーイ:ガランタ舞曲
M. ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調

 

アンコール

M. ラヴェル:ピアノ協奏曲 第3楽章

 

出演者

ディエゴ・マテウス 指揮

マルタ・アルゲリッチ ピアノ

水戸室内管弦楽団

 

◆◇

 

この日をどれだけ待っていたことか!

アルゲリッチが来てくれる〜><

きゃっほ〜い。

別府のアルゲリッチ祭に行こうか、それとも東京で行こうか、と迷いに迷ったが、日程の都合で東京のチケットを取ることにした。

別府には一度行ってるし(新コロ直前)〜!←言いたい笑

いずれにせよ、すでに80歳越えのアルゲリッチ。

これが来日最後の年になるかもしれん、と思えばチケットを取る手にも自然と力が入る。

 

そうと決まればチケット購入解禁初日、朝も早よからパソコンの前に陣取る私。

「回線が混み合っています」の表示が出るたびに怒涛の再読み込みクリック、ようやく開いたページを見るとほとんどの席が埋まっているも、

ぬぉ〜〜〜〜〜!!2席並んで空いてるぅ!!!

切れるなよ、切れるなよ・・・と念じながらカード情報等々慎重に入力、そして見事ゲットしたのであった〜。し・・・幸せ。

私の後ろで応援していた汗かき夫も「あもさん、よくやったぞ!」喜んでくれた。

事前に一応

あなたも行くのか?

と聞いたら、

行くに決まってるでしょ!

とお怒りでした笑

 

そんなわけで一張羅に身を包み、やってきましたオペラシティ。

あ〜なんかこういう場所に来るの、久しぶり。

新コロが終わったんだなあ・・・と感慨深い。気もする。

ま、私は新コロパニックの中、通常通り仕事もさせられてて、特別変わったこともなかったが。

 

そういえば以前、アルゲリッチのコンサートに美智子様がいらしていたけど、今日も来るのかな。もし来るなら楽しんで欲しいね!と言っていたのだが、お越しにならなかった・・

来たかっただろうなあ・・・美智子様、ピアノ上手だもんね。

(※後日、どこの局の皇室記者よりも美智子様をご存知の母の話によると

 「あ、その日は美智子様は京都と奈良におったで。」

 とのことであった・・・って、なんであんた、そんなこと知ってんの笑!?)

 

↓美智子皇后陛下のピカピカの白いお肌にあもちゃんの目が潰れそうになった記事(笑)

 

さて、お楽しみの演奏前に大分県知事の佐藤樹一郎氏のご挨拶が。

とても誠実で、明るい話し方で、さすが政治家!って思いましたね笑

カミカミのところも合ったが(言い慣れない曲名やら人名)、それすらも爽やか。

話し方で人柄なんぞわかりゃしないが、まっすぐなお話しの仕方でとても好感が持てた。

大分はアルゲリッチ音楽祭のために毎年すごく尽力していて、コロナ禍でもよくぞ耐えてくれた、と感謝感激であります。

 

プログラムを見ると、指揮者はディエゴ・マテウスさん・・・

 

私「うーん、この人、どっかで見たことあるんだよなあ。この笑顔・・あ!!!!」

 

 

やっぱ、この人だ〜!!!!!

守りたい、この笑顔。

今回のプログラムの写真はこんなお茶目な写真じゃなかったけど、やはり笑顔が素敵であった。

(笑顔も素敵だったが肝心の指揮の方も素晴らしくて、すごく丁寧で綿密に考えられた演奏構成で指揮をしていて、ラテン系の勢いのある陽気な指揮をするのかな・・と思っていたが、全然そんなことなくてそのギャップにも萌えた。)

 

そんなこんなでまずは水戸室内管弦楽団による、

プロコフィエフ、ストラヴィンスキー、そして休憩挟んでコダーイの楽曲の演奏が始まった。

 

いや〜こんなに水戸室内管弦楽団がお上手だとは知らなかったよ・・・

というか、

あれ?あの方、見たことある・・

とかそういう人がチラホラ。

チェロの宮田大さんとか、木管楽器の外国の方たちもどこぞの楽団で見たような・・とか。

(後で調べたら、フルートの女性はウィーン・フィルの元首席だそう・・ってとんでもねえ!)

世界の精鋭たちを集めている楽団だったのね。知らんかった。

 

プロコフィエフの第一楽章の始まりでこのコンサートの全てが決まった。

なんといういい音を出すんだ・・・

素晴らしい出だしに思わず息を呑む。

いい音出すなあ・・・ウットリ。

しかもこの曲、すごくいいんだよね。

古典、というタイトルがついているように、古典派っぽい箇所もたくさんありながら、そこに現代を織り交ぜていくスタイル。

新しくもありながら、安心できる響きにホッとする。

 

続くストラヴィンスキーもコダーイも、名前だけ見ると一見とっつきにくい印象があるが、どの曲も絶妙に慣れ親しみやすいものを選んでいて、多くの人に受け入れられやすいプログラム。

誰が選曲したの知らんけど、すごい曲を選んできたもんだ、と感心した。

 

そしてアルゲリッチの登場に、観客がわああっっ!と沸き、割れんばかりの大拍手。

 

私「なんか前より元気そうなんだけど笑」

汗「うん、80超えてるとは思えない。来年も来日しそう笑」

 

この来日が最後かも・・と毎回思ってチケット買っているが、来年も大丈夫そうだと確信。

まあそれはともかく、健康ではあってもいつまでも若いわけではない。来日はできなくてもいつまでも元気でいてほしいものです。

 

ラヴェルのピアノ協奏曲といえば、のだめが千秋先輩とやりたかった協奏曲であります。

(のだめカンタービレより)

はちゃめちゃなんだけど面白い曲。

・・ではあるのだが、ラヴェルをこよなく愛するあもちゃん、この曲だけはあまり好きになれなくてさ。

しかし今宵のアルゲリッチの演奏を聞いて考えを改めました。

やっぱいい曲だわ。

というか緩徐楽章である第二楽章、何あの凄さ。

緩徐楽章ってどの楽章よりも難しい。

速い曲ってなんだかんだで練習してれば弾けるようになるし、なんなら変な音でもまあ誤魔化せる。・・・程度によるけど笑

だけど緩徐楽章って本当に難しい。楽譜どおり弾けたところで、それが何?ってなるし。

アルゲリッチの第二楽章の演奏は、まさに神様からの贈り物のようであった。

 

すごい音だ・・・

と第一楽章のじゃんじゃんバリバリとは打って変わって、甘く切なく歌う第二楽章に私は魅入られた。隣の汗かき夫も、もう大興奮で聞いていた。

 

あの時までは・・・

 

甘く静かに歌うアルゲリッチ、とそれに聞き入る聴衆。

静か〜にメロディを奏でる。

あもちゃん、泣いちゃう・・と思ったその瞬間。

 

ピリリリリリリ・・・・

 

は!?

ホールの前方右側あたりから、携帯のアラームが!!!!!

 

いやもう、嘘やん!!!

時間は20:45。

電波は遮断されているはずだから、多分スマホのアラームが鳴ったんだと思う。

 

は!?

アルゲリッチは、と見ると、まあ演奏し続けてるんですがね。

直前までの緊張感と集中力がキレてました。

というか、実際キレて(頭にきて)たんじゃないでしょうか。

 

つーか、なんでこのタイミング!

1楽章のジャンジャンバリバリの時だったらまだなんとか誤魔化せたのに・・・

楽章間の一瞬だったらまだ・・誤魔化せないけども、まだマシだったのに。

 

一番静かで一番緊張感が高まるところで、アラーム・・・

とっととつまみだせ〜!!

と暴れちゃいそうになるあもちゃんでした。

 

その後、アルゲリッチは気を取り直し、3楽章を立派に弾いてくださった。

最後の最後のジャカジャカジャカ〜のとこは、まるで猫みたいに弾いてて可愛かった笑

アンコールも3楽章だったのだが、アンコールの方は色々と緊張もなくなったのか、抜けた感じの音の解放感でいい音がホールいっぱいに広がっていた。

 

しかしまあ、なんというか、ほんとごめんね、アルゲリッチ・・。

って思いました。私、なんも悪いことしてないけど。

 

汗かき夫は

「アルゲリッチが気の毒だった・・・一旦、集中力が切れるとアルゲリッチほどの人でもすぐには立て直せないんだなあ・・」

と言っていて、汗かき夫までわかるほどだったか・・と思いました。

そんな中でもステキな演奏で私たちを夢の世界に連れて行ってくれてありがとう。

 

汗かき夫なんか大絶賛で(アラーム事件は置いといて)

 

「アルゲリッチの演奏、何度か聞いてきたけど、今日が一番良かった!すごかった!」

 

と何度も言っておりました。良かった良かった。

高い金出して聞きに行った甲斐があった。

というかアラーム鳴らしたヤツもいい席にいたはずで、高い金出してアラーム鳴らして何しに来たんだ。

 

アンコール演奏が終わっても、観客はやんややんやで拍手喝采鳴り止まず、スタンディングオベーションで盛り上がっていた。

 

私「はあ。いいコンサートじゃった。幸せ〜。

 さ、私は久々開くTwitterで、アラームを鳴らしたやつを誰か吊し上げてないか調べよっと。」←言い方。

汗「・・・・・」

 

アラームを鳴らしたやつは吊し上げられていなかったが、そこで私はがっかりするものを発見してしまった。

私たちの席の近くの人が、開演前にホール内の写真を撮っていて会場のスタッフに注意されていたのだが、その写真がTwitterにアップされていた。←内観の景色や写りこんだ小物でわかる。

開演前でも写真撮影禁止だと知らなくてうっかり撮っちゃったのは仕方ないとして、注意されてるのにその写真をアップする根性、すごくない?

と思ってたら、その人だけじゃなく、えらい数の写真が色々とアップされていた。

スタンディングオベーションの時も、大量の会場スタッフが走り回って注意しまくってたもんな〜。注意虚しくそれらの写真が色々とアップされてました。

Twitterなんか見るもんじゃないわ〜・・って違う。

 

なんか色々ごめんってアルゲリッチに再び思いました。

私、なんもしてないけど。

(建物の外観の写真すら撮ってないよ。早々に電源切ってたからね。準備万端。)

 

これに懲りずに(?)、また日本に来てほしい・・・私をまた何度でも感動させてほしい。

いつまでもお元気で。

 

ちなみにアラームは電源切ってても鳴るんですよ。

ほんと気をつけよう!!自戒を込めて。