さかのぼること数ヶ月前。

私は祭りを前に静かなる闘志を燃やしていた。

クラシックファン/ピアノファンならご存知(かどうか知らんが)、別府のアルゲリッチ祭のチケット一斉販売の日がやってきたのである。

※念のため説明しますと、アルゲリッチとは世界的女性ピアニストのマルタ・アルゲリッチ。

 

一度行ってみたかったんだ〜

大分の別府で毎年5月の中旬頃に開催される、別府アルゲリッチ音楽祭に。

なぜわざわざ大分で?かといいますと、ご友人でもあるピアニストの伊藤京子氏が別府在住だから、だそうです。

 

しかし正直なところ、大分まで行くの大変じゃないですか。

飛行機代だってバカにならないし。

宿泊代だってかかる。

しかもアルゲリッチのコンサートともなればチケット代だけでもなかなかのお値段。

ラ・フォル・ジュルネに来てくれたらいいんだけど、今年は来ないみたいだし。

 →参考記事「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2014

ムゥ〜と思っていたら、2018年は東京公演があるというではありませんか!

 

何が何でもチケットを取りたい!

と思った私は、とある日の朝10時数分前。

前日大酒飲んでベロベロだったにも関わらず、飛び起きてパソコンの前に陣取った。

 

ピッピッピッ、ピー!!

 

チケットぴあの購入ボタンをクリックしまくれどもしまくれども、混み合っております、という非情なる文字がクリックするたびに出る。

そして数分後、

 

あ!つながった!!!

 

と思ったら、完売・・

 

私「私の中のアルゲリッチ祭が数分で終わった・・・」

汗「お疲れさん。」

私「あ!!そういや、私、アルゲリッチ祭の会員なんだった!」←そんなこと忘れるなよ。

 

わたくし、行ったこともないのに別府アルゲリッチ祭の会員だったのだ。

(いつか行くことを夢見て、会員になってました笑)

 

私「もう遅いだろうけど、とりあえず別府のHPからチケット見てみよ。・・・

  ギョギョーーーー!!!!数枚残ってる!!!」

 

慌ててクリック。

無事、私と汗かき夫の分の2枚買うことができた・・・幸せ・・

 

そんなわけで楽しみにしていたアルゲリッチコンサート。

ドレスアップして行くぞー!

と張り切って仕事も休みにしていたのに、例のごとくボスの仕事が遅いせいで結局出勤。

しかしなんとか頑張ってもらって、早退することができた。

家に帰って着替えるヒマはないので、そのまま会場へゴー!

カフェで読書でもしてよ〜っと。

 

というわけで、ケーキ食ったり、珈琲飲んだりしてゆっくりとした時間を過ごす。

それでもまだ時間があったので、オペラシティ内にある書店で立ち読み&本購入。

幸せな時間を過ごしました。 →『もう ぬげない

 

そして開場時間になり、汗かき夫と合流して会場へ。

 

アルゲリッチとともに・・・

 

私「今日はドレスアップするつもりが、仕事だったから麻のスーツになっちゃったよ。」

汗「でもよく似合ってるよ。あもさんっぽくていい!」←妻褒め選手権15連覇中!

汗「ロングスカートってのもいいし。」

私「スカートと見せかけてパンツなんで〜す☆」

汗「あら、ほんとだ。」

私「イメージは、ベニスに死す、のじいさんだよ。頭から白髪染めを流すジジイ」←口が悪い。

汗「は?」

 

これ。

全身クリーム色の麻のスーツ・・と思いこんでいたのだが・・・

 

あれ?なんか違うっぽい・・かんちが〜い。

 

そんな話なんぞしているうちにお時間です!

 

◇◆

 

日本生命 presents オーケストラ・コンサート〜

アルゲリッチ Meets プロコフィエフ 躍動する未来

[出演]
 マルタ・アルゲリッチ(Pf)、チョン・ミョンフン(Cond)、桐朋学園オーケストラ
[曲目]
 ・ブラームス:交響曲第1番ハ短調 op.68
     (休憩:20分)
 ・プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番ハ長調 op.26
 

オケが学生ってところがミソなのだが、←そのおかげでチケット代も少し安め。

私は音大生の演奏をわりと高く評価をしておりまして、しかもアルゲリッチと競演だなんてチャンス、この先一生ないかもしれない。

私が桐朋学園の生徒なら、死ぬ気で演奏するね。

そう思って期待して耳を研ぎ澄ませて演奏に聴き入った。

 

私(あああああっっ!!)

 

ブラームス交響曲第一番の出だしのティンパニが、コンマ1秒早いっっっっ!!!

これは目立つ!!!!

 

私がティンパニなら、このミスをめっちゃ引きずりそう・・・大丈夫かなあ・・・

と心配していたのだが、この彼はタフだった!

その後はよい音を出していてよかったです〜。ほっ。

 

ご参考までに・・小沢征爾指揮の天覧公演。

出だしのティンパニはチョー緊張すると思います(しかもこの動画は両陛下の御前だし)。

ティンパニ次第でその後の展開が決まる。

 

 

ちなみに演奏全体の印象だが、第一楽章の最初はどんだけすばらしい音を出すんだ!!と感激していたのだが、後半進むにつれポロポロと粗が出てきちゃって、非常に惜しかった。

まあ、この曲って詰め込みすぎなんだよね〜

好きな人も多い曲なのだが、私はそうでもないんだよね・・・

 

汗「この曲、すごく疲れない?」

私「ブラームスが気合い入れ過ぎて、詰め込みすぎなんだよ。」

汗「すごくガチャガチャしてて疲れた・・」

私「それはブラームスが半分悪いんだよ。」

 

あもちゃん、ブラームスの悪口ならいくらでも言える(笑)

でもブラームスファンってすごく多いのだ。好きな理由もわかるんだけども私はイマイチ。

 

 

そして20分の休憩。

ザワザワザワザワ。

2階に大量のカメラマン&テレビクルーがいた。

 

私「なんであんなにたくさんカメラがいるんだろ。別府の音楽祭の撮影かなあ。」

汗「にしても多くね?」

私「ライトとかすごいし。・・あ、林文部科学大臣がいる〜。」

汗「だからかな。」

私「多過ぎだよねえ。大げさだわ〜。大臣1人来るだけでこんなにカメラが来るもん〜?」

 

と思ったら、なんだか2階のからまばゆい光(オーラ)が!!!!

 

美智子皇后陛下のご登場であります。

 

ぬぁんと!!!

まさか皇后陛下がいらっしゃるとは存じ上げず〜。

もっとドレスアップしてくればよかった!!!←誰も見てないって。

く〜仕事なんぞしてる場合じゃなかった。

ああそれにしても、美智子皇后陛下の肌がきれいすぎてあもちゃん、目がつぶれそう!!

本当にお肌が白くて光ってました!!!

私は1階席で、手を振ってくださる2階席の皇后陛下を見上げる形だったのだが、遠目からでもわかるきめの細かさよ!

 

 

そして舞台にアルゲリッチが登場。

なんだか足が悪そう・・・・少し心配だわ。

汗かき夫が休憩時間にプログラムを見ながら

「今年アルゲリッチ祭20周年を最後に、来年から冠だけ貸して本人は身をひくんじゃないの?プログラムやほかのアイテムとか結構金かけてるし。」

と言っていたが、信じたくはないがそうかもしれないなあ、と歩きにくそうにする彼女の姿を見て思った。

 

しかし演奏が始まってみると今年76歳とは思えぬ力強さであった。

鍵盤の上を自由自在に飛び回る〜。

アルゲリッチの演奏に学生たちのオケが圧倒されておりました・・・しっかりせんか!!

もっとがむしゃらにギラギラした演奏をせんか!!

よくまとまってはいたが上品すぎるのがよくなかったのかもしれない。

 

プロコフィエフの第3番って私の好きなピアノコンチェルトで、アルゲリッチのピアノ技術がたっぷり堪能できるはずの選曲であった。

(記念すべき第1回アルゲリッチ祭と同じプログラムで、同じメンバーなのだそう。学生は違うけど学校は同じ。)

 

だがこの日のアルゲリッチの演奏は本当に力強くて、相変わらず卓越した技術を堪能できたけれど、いつもより(数回しか生で聞いたこと無いが)、ちょっとだけお疲れ気味のようであった。76歳で別府やら水戸やら東京やらを飛び回ってたらそりゃ疲れる。

 

それでもピアノに対して真摯な姿勢は本当に胸を打たれるわ。

オケの高音部とピアノがピヨピヨシンクロするとことか、本当にピアノの誠実さが伝わる。

オケがそんなピアノにもっと応えてほしかったす〜。

(求め過ぎなのはわかってはいるのですが!!)

 

アルゲリッチのピアノでプロコフィエフピアノ協奏曲第三番。

この演奏はすんばらしい〜!

特にオケが必死で本当にすばらしい笑

 

 

この日アルゲリッチはアンコールを2曲も弾いてくれた。

 

・シューマン(リスト編曲):献呈
・山本正美(三浦一馬 編曲):ねむの木の子もり歌

 

シューマンの献呈って歌曲の方が好きで、ピアノはリストっぽくて(編曲がリストだから当然だが)あまり好きじゃないんだよなあ〜と思いながら演奏に聴き入る。

そして2曲目。

 

私「ん?これはどっかの子守り歌かな?別府とかの民謡とか?」

 

曲は知らねどすんごくいい音を出していてじ〜んときた。

譜見台を設置してからの演奏だったので、おそらく初見弾きだと思われたがとてもよかった。

最後にいい音が聞けて本当によかった〜。

 

私「ピアノコンチェルトはちょっとお疲れ気味だったけど、アンコールとかよかったよね」

汗「ピアノコンチェルトもよかったよ〜。すごかったね〜。」

 

鍵盤を飛び回るアルゲリッチの姿に感銘を受けたそうです笑

 

汗「クロークに荷物取りに行ってくるわ。」

私「あ、私はアンコール曲が張り出されてるから見てくる〜」

 

 

汗「2曲目はなんだった?」

私「ねむの木の子もり歌だって」

汗「ネムノ・・・どこの国のうたなの?」

私「は!?日本だよっっ!ねむの木知らんの!?エミネムじゃないよ!」

 

 

 

※画像はお借りしました

 へー。ねむの木の花ってこんななんだ。私も知らんかったけども!

 

私「ねむの木学園とかってあるじゃん。なんとかまりこ(※)とかさ〜。吉行淳之介の・・」

汗「知らん。」

私「もーーーーーー!!!!!・・ま、いいや。でもなんでこの子もり歌なんだろ。」

 

(※)宮城まり子さんでした。宮城まり子といったら吉行淳之介。私の中で。

 

 

あとでグーグル先生に聞きましたところ、この曲、作詞したのが学生時代の美智子皇后陛下だというのだ!・・あ、もしかして有名な話だったりします?

私は知らなかったので、衝撃でした・・・

 

私&汗「あ〜美智子皇后陛下に合わせてのアンコール曲だったんだね〜」

 

納得した一夜でありました。

美智子皇后陛下(多分、半分プライベートでの来訪)も魅せられるアルゲリッチの演奏。

 

次も次もアルゲリッチの演奏を聞けるといいなあ・・・