初めて寝返りした、初めて笑った、初めてハイハイした、初めて立った・・
そしてクララが立った・・は違うとしても、人生100年時代に突入したとはいえ、人生において初めて経験することなんて、たいていは人生前半に集中するものである。
ところがー!
私、齢48にして先日「人生初」を体験してまいりました。
ジャジャーン!!
(余計なアレコレが写っていたのでカットしていたらこんな横長サイズに笑)
というわけで、人生初とは
世界三大ピアノの1つ、スタインウェイを生まれて初めて弾いたこと、です。
(世界三大ピアノ=スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタイン。もちろん他の2つだって弾いたことない。)
長い間ピアノを弾いてきて、スタインウェイに一度も触れたことがないってのもどうなのか。
(うちの姪っ子や友達の娘は発表会などでふっつーに世界三大ピアノを弾いてるっつーのに・・・ずるい!!)
スタインウェイなんて見たことも弾いたことない、と言うとモネ先生に驚かれた記憶が。
モネ「スタインウェイなんてどこにでもありますよ?」
そりゃ音大の方には身近な存在なのかもしれんが、どこにでもはない。
うちのポンコツピアノ教室の発表会だってYAMAHAしか使わせてくれないじゃん。
(発表会会場のホールがスタインウェイも所有していたのは調査済み笑)
いや、YAMAHAだっていいピアノだ。
発表会でラフマニノフの前奏曲2曲(23-4,23-8)を弾いたときのピアノはよかったし。↓
フルコンを喩えに持ち出されても!笑
とはいえ、たかがピアノでしょ~?
世界三大ピアノの1つスタインウェイ・・とか言って、たいしたことなかったりして。
案外バカ舌ならぬバカ指?のあもちゃん、うちの教室のポンコツピアノの方が弾きやすい、とか思っちゃったりして。←それはそれで大問題。
それに噂に聞く限り、黒鍵がYAMAHAに比べてチョイ狭い設計だとか。
あもちゃんのぶっとい指がすべり落ちる危険が!!
そんなこんなでやってきました当日・・と言っても和気藹々とした愛好家の練習会。
人生初のスタインウェイで弾く曲に選んだのは、シューマンのピアノソナタ2番の第1楽章。
>私(久々レッスンしてもらうのに失礼じゃない程度には弾けてよかった!)←レベルひくっ笑
この程度の仕上がりで弾くのも憚られたが、現在主にやっている4楽章と迷った末、
・持ち時間(6分)内で弾ける
・ほぼ暗譜ができている
の2点から第1楽章を選択した。
いやもう、ピアノがすばらしかった。
「たかがピアノ」「たいしたことなかったりして」なんて言って調子こいてた自分の舌を引っこ抜いてやりたい。
とにかくすばらしかった。
あ、ピアノの感想の前に肝心の演奏だが
久々弾いて、人に聞いてもらうのに失礼じゃない程度には弾けてよかった!←レベルひくっ笑
もともとその程度の状態で演奏したのだから、むしろいつもどおり、ということでよくできたと言いたい。ザ・ポジティブ!
それにしてもあんなにいいピアノなら、録画しておけばよかったなあ。
録画しようかな、と思いついたのは家を出てすぐのところではあったのだが、ま、どうせ6割仕上げの演奏を録画したところで・・とスマホスタンドを取りに帰らず。
しかしやっぱり今後の勉強のためにも録画すべきであった。
動画の音質はあてにならないとはいえ、演奏の出来不出来よりどんな音で客席側に届いているのか確認したかった。
またこのピアノを弾く機会があったら、今度こそ録画を忘れず!・・3歩歩くと忘れる鳥頭あもちゃん、覚えていられるか!?
さて話は戻って人生初のスタインウェイ・ピアノについてだが、鍵盤に指が吸い付くっていうの?鍵盤が自分の指の動くとおりに動くという初めての感覚に、最初ちょっとビビった。
そもそもグランドピアノに比べてアップライトは機能が劣る。
有名なのは連打回数の差。
グランドピアノは1秒で14回、アップライトはその半分の7回しか連打できないと言われております。なぜかといいますと、グランドピアノは鍵盤が元の位置に上がりきらないうちに弾ける機能があるからなんですね〜(アップライトは完全に元に戻らないと再び弾けない)。
おそらく今回弾いたスタインウェイはその機能が段違いによくて、鍵盤が指に吸い付く、と私は感じたのだと思う。弾いてるそばからくっついてくる〜(こわっ)!!みたいな。
(3/8追記)
株式会社馬車道ピアノサロン(スタインウェイ正規特約店)のHPより
>敏速な指の動きに対応できるグランドピアノ
>グランドピアノでは、指の動きを無駄なくハンマーに伝えて打弦することができ、素早い連打がスムーズに行えるという特徴があります。
>これはグランドピアノの機構が水平であるため、鍵盤の操作で打ち上げたハンマーが自重で元の位置に戻るからです。ハンマーをスプリングの力で戻すアップライトピアノでは、グランドピアノに比べて連打に限界があるのです。
>これは一般的なグランドピアノで1秒間に14回程度の打弦が可能なのに対し、アップライトピアノでは半分の7回程度に留まっており、この結果がトリルなどの表現に大きな差をもたらすのです。
鍵盤が指に吸い付いてくる~~と思ったのは、元の位置に戻るスピードが速いから、なんですね。
どおりで・・。
(追記終わり)
そして強弱。これが意のままに操れる。ゴイスー!!!
フォルテ・フォルティシモ(強)はどのピアノでもそこそこ言うことは聞いてくれるとしても、ピアノ・ピアニシモ(弱)の繊細さはそこら辺のグランドピアノとでは比べ物にならない。
中盤、突然ピアニシモになるところがあるのだが、そこを私はほっそい針穴にボールを投げ込む意識で弾くものの、そんな小さい穴をボールが通り抜けられるわけもなく、まあだいたいこんな感じで、とボールをぶん投げてでっかい穴をぶち開けて無理やり通過させていた。
しかしこのピアノはボールをすっと投げると針穴に吸い込まれ、そのままふっつーに向こうに飛んで行った・・・ちょっと、こっっわっっっ!!!!!
こんなに小さくできるの!?(しかもちゃんと意図した音量と音質)
と自分の慣らすピアニシモの音にビビりました。
ビビってばっか。
どんだけ普段ポンコツピアノを弾いてるんだ、私。
私のアップライトもそこそこいいピアノだと思っていたが、いやもう全然違う。全然違う。
大事なことなので2回言いました。
そこらへんのグランドピアノなんか蹴散らすレベルの王者の風格。
とはいえ、YAMAHAやKAWAIでも弾きやすいピアノもあれば弾きにくいピアノもあるように、どのスタインウェイもこんな感じではないらしい。←他の参加者の話によると。
とにかく相性。
私と相性ピッタリのピアノでありました。
ううう・・欲しい。家一軒分のお金があればな〜笑
>突然のピアニスト引退宣言をしたプレトニョフ氏でしたが、2013年に7年間のブランクから復活を果たしました。そのきっかけとなったのはモスクワ音楽院に置かれたShigeru Kawai フルコンサートピアノ SK-EXでした。プレトニョフ氏は「SK-EXとの出逢いがなければピアノの再開はなかった」とまで話します。
それくらいピアノとの相性って大事なんだなあ。
そんな大袈裟な〜、と今まで思っていたが(コラッ)、自分の演奏をピアノが助けてくれる、という経験(これまた人生初)をすることで、プレトニョフさんの復活劇を我が事のように理解したのであった。
練習会も終了し、参加者の1人から
「シューマンってクセが強くて好きじゃなかったけど(←言いたいことはすごくわかる笑)、このソナタってすごくいい曲なんですね。」
と声をかけられた。
だいぶピアノに助けられたとはいえ、そう言ってもらえたことはシューマン伝道師(自称)として幸せMAXの瞬間であった。ポワポワ〜ン。
クセツヨ・シューマンについて↓