バッハの不思議絵。 | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

※ピアノ話についてのおさらい

20年という長い空白期間を経て、2018年1月からピアノレッスンに再び通っています。

(登場人物)

 モネ先生=私の現ピアノの先生

 

 

ツェルニーの不規則なポリリズムに取り組むこと約2ヶ月、もう少しでOKがもらえそう、と勝手に判断し、その判断どおり次のレッスンでOKがもらえた。

若干オマケありのOKっぽい気もしたが、平均律の楽譜2冊を持参してモネ先生に、早く平均律をやらせろ~と無言の圧をかけたせいかもしれん笑

 

そんなこんなでいよいよバッハの平均律に取りかかることになった私。

 

私「やったことないと思ったら、1巻が家にあって、しかも何曲かやってました。」

モネ「あ、そうなんですね。まあでも、あもるさんならやっててもおかしくないですよね。」

私「はぁ~♪モネ先生にいつかバッハを教えてもらいたいって思ってたので、楽しみです♪」

モネ「こちらとしてもバッハを教えるのはプレッシャーなのですが、頑張りますね。」

 

というわけで練習曲としてバッハの平均律クラヴィーア第1巻第5番の前奏曲・フーガを手始めにさらうすることになった。

 

モネ「前奏曲とフーガは同時に見なくてもいいですよ。1曲ずつやっていきましょう」

私「あ、よかったです」←ついホンネが・・笑

 

ええ、ええ、ぜひそうしてもらわないと困る。

今、シューマンのピアノソナタ第2番の全楽章練習でアップアップなんじゃ><

(シューマンについてはまた後日・・)

 

さ~て、第5番ってどんな曲だったかな。

 

私「・・・グールド、はっや!!!!」

私「・・・ま、とりあえずこれは見なかったことにして~」

 

そっとYouTubeを閉じた。

 

仕事が超絶忙しい今、そしてそんな中青森旅行に行くことになった今、次のレッスンまで多少日にちがある(休みが重なった)とはいえのんびり譜読みをしている余裕はない。

早速譜読み開始じゃー!!

 

↓青森の話はこちら

 

ポロポロポロ~ン♪

 

私「あ~。これなら次のレッスンまでにだいぶ形になりそう。」

 

と思ったのは初日だけであった。

 

快調だったのは最初だけ。

いくらやっても間違える。

何度弾いても間違える。

延々うねうねしていて、弾いても弾いても躓いては転ぶ、の繰り返し。

弾いても弾いても先が読めない・・というか覚えられない。

もしや加齢(恐)!?

ノロノロ弾いているだけなので、譜面自体は難しいはずがない。

なのに弾いても弾いても間違える。

もちろん最後まで弾くには弾けるのだが、そこに至るまでにとにかく間違えまくる。

 

そもそもニ長調(♯2つ)があまり得意じゃない私。

そこに来てバッハらしからぬ、いやバッハらしいのかもしれんが、妙な転調をしながら延々うねうねとしており、のだめカンタービレ(漫画のみ)で、コンクールのためにバッハの平均律を躓きながら練習するのだめに、ハリセン(のだめの先生)が

「バッハは一度間違えると二度と戻ってこれんのんやぞ!」

みたいなことを言っていたことを思い出す。

 

実際自分が平均律に取り組んでみてその台詞に改めて納得。

これ(5番の前奏曲)、一度間違えたら私も戻れる気がしない。

この描写を読んだとき、私は

バッハはらせん階段のようなものなのよね

と思っていたが、今はエッシャーの不思議絵のようなものだ、とも思っている。

階段の下から歩いて上っていたはずがまたいつの間にか下の階にいる、みたいな。

延々グルグル・・。

 

 

 

そしてあっという間にやってきたレッスン日。

(誰の陰謀なのか、光速で次のレッスン日がやってくるんですけど!!)

 

指ならしの「ピシュナ60の練習曲」を終え・・・

 

モネ「いよいよ平均律ですね~。両手で弾けそうですか?」

私「あ、なんとか弾けます。」

モネ「うーん、さすがですね。」

私「いや、今回はまだ時間があったからなんとかなりましたが、次のフーガの譜読みで1週間しかなかったら今度こそ片手しか見てませんってことになりそうです。それくらい前奏曲が大変でした><」

モネ「それならそれでもいいんですよ。でも多分フーガの方が動きがわかりやすい分、譜読みはラクだと思いますよ。」

 

ほんとに~~~~( ¬ェ¬ )?

信じますよ~~~( ¬ェ¬ )?

 

というわけで、初レッスン。

 

ジャ~ン。

私(ふぅ~。なんとかかんとか弾ききった笑)

 

モネ「うん、あもるさんはバッハ上手なんですね♪」 

(↑さすが褒め上手のモネ先生、「」が褒め上級者の技。)

 

私「え!?ほんとですか(ウフフ)♪」←すぐ真に受ける。

モネ「こういうつなぎ目があまりない曲って難しいんですよね。譜面の見た目より難しくて覚えにくいし。」

 

そう!そうなんじゃ!

 

モネ「あとこの曲、指が足りなくなりますよね笑」

 

そう!そうなんじゃ!!!本日2度目。

ちゃんと指使いを計算して弾いていかないと、

あれ?まだ道は続いているのに指がここで終わっちゃうんですけど!?

ってなるの~笑

 

モネ「わかりますわかります。私も練習をしてもしてもよく間違えてました。

   地道にやっていきましょうね!それでまずこの曲の考え方は~」

 

それから30分以上・・・

バッハ上手なあもるさんにそんな指導することありますか?

 

ってくらい楽譜に大量の書き込みがなされましたとさ。

(モネ先生はわりとロマンチックにバッハを弾く派。タテを強く意識して弾いていた私に

 「タテはすばらしいので、同時にヨコの流れとゆがみも意識して弾いて」

 とか無理難題(笑)を言うのでありました。)

 

↓ハイドンのレッスンにも登場するバロックのゆがみ。

 

芸術の道はエッシャーの不思議絵のように永遠に続く。