仁義なき戦い 頂上作戦(八)「枯れ木も山の賑わいじゃのう」 | 俺の命はウルトラ・アイ

仁義なき戦い 頂上作戦(八)「枯れ木も山の賑わいじゃのう」


『仁義なき戦い 頂上作戦』

映画 101分  カラー

昭和四十九年(1974年)一月十五日公開

製作国  日本

製作    東映京都


企画   日下部五朗

手記   美能幸三

原作   飯干晃一

脚本   笠原和夫



撮影   吉田貞次

照明   中山治雄

録音   溝口正義

美術   井川徳道

音楽   津島利章

編集   宮本信太郎


助監督    土橋亨

記録     田中美佐江

装置     近藤幸一

装飾     松浪邦四郎

美粧結髪  東和美粧

スチール  中山健司

演技事務  上田義一

衣装     松本俊和

擬斗     上野隆三

進行主任  伊藤彰将

協力     京都八瀬かまぶろ温泉





出演



菅原文太(広能昌三)



梅宮辰夫(岩井信一)



黒沢年男(竹本繁)

田中邦衛(槇原政吉)




堀越光恵(光川アイ子)

木村俊恵(山守利香)

中原早苗(菊枝)

渚まゆみ(三重子)



金子信雄(山守義雄)

小池朝雄(岡島友次)

山城新伍(江田省三)

加藤武(打本昇)



夏八木勲(杉本博)

遠藤太津朗(相原重雄)

内田朝雄(大久保憲一)

長谷川明男(福田泰樹)

三上真一郎(川田英光)

小倉一郎(野崎弘)




葵三津子(明美)

城恵美(千鶴子)

荒木雅子(野崎の母)

吉田義夫(老師)

八名信夫(河西勇)

汐路章(刑事)

室田日出男(早川英雄)

鈴木瑞穂(編集長)




野口貴史(岩見益夫)

高並功(古賀貞松)

大木晤郎(山本邦明)

岡部正純(柳井秀一)

西田良(森田勉)

小林稔侍(谷口寛)

白川浩二郎(楠田時夫)

有川正治(三上達夫)

曽根晴美(上田利男)

北十学(丸山勝)



中村錦司(石上健次郎)

国一太郎(安川昌雄)

唐沢民賢(新聞記者A)

阿波地大輔(前島幸作)

鈴木康弘(捜査主任)

芦田鉄雄(県警本部長)

五十嵐義弘(水上登)

誠直也(金田守)

酒井哲(ナレーター)




成瀬正孝(的場保)

岩尾正隆(吉倉周三)

笹木俊志(織田英士)

小田真士(神代巳之吉)

広瀬義宣

疋田泰盛

志賀勝(吉井信介)

高月忠(本田志郎)

平和勝司(上原亮一)

福本清三(山崎恒彦)




司京子(女A)

丸平峰子(女B)

富永佳代子(ホステス)

白井孝史(森久宏)

木谷邦臣(和田作次)

宮城幸生(松井隆治)

小峰一男(沖山昭平)

松田利夫

前川良三

鳥巣哲生(ジープの警官)

司裕介(弓野修)

松本泰郎(関谷)




沢美鶴(友田孝)

松本泰郎(石堂寅雄)

西山清孝(吉永進)

島田秀雄(岡島の友人)

山田良樹(刑事B)

大城泰(人夫A)

池田謙治(人夫B)

村田玉郎(所員)

翔野幸知(江田欣二)

松田賢一(野崎の弟)

広瀬登美子(野崎の妹)

大井理江子(野崎の妹)

藤本秀夫

森源太郎(刑事A)




丹波哲郎(明石辰雄)
川谷拓三(警官 刺客)

成田三樹夫(松永弘)





松方弘樹(坂井鉄也 藤田正一)




小林旭(武田明)



監督 深作欣二


☆☆

美能幸三はノークレジット


黒沢年男→黒沢年雄


 夏八木勲の役名はシナリオでは仲本博だ

が、本編字幕は杉本博になっている。


 丹波哲郎は回想シーンで制止画像で出演、

ノークレジット。役名は明石辰雄となっている。


川谷拓三はノークレジット


 成田三樹夫は『仁義なき戦い 代理戦争』の

粗筋紹介で静止画像出演。ノークレジット。


 松方弘樹は『仁義なき戦い』の粗筋紹介で

坂井鉄也役の映像も映っている。

☆☆

☆☆☆

美能幸三はノークレジット

☆☆☆

 画像・台詞出典 『仁義なき戦い 頂上作戦』DVD

☆☆☆

  台詞の引用・シークエンスの考察は、研究・

 学習の為です。 
 東映様にはおかれましては、ご理解・ご寛

恕を賜りますようお願い申し上げます。

 平成十年(1998年)八月十六日新世界東映

 平成十二年(2000年)十一月四日十三東映

 にて鑑賞

 ☆☆☆

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 仁義なき戦い 頂上作戦(七)酔いの悲しみ



 河西清が槇原組と対立して喧嘩になり射殺

される。


 親分広能昌三は山守義雄への復讐に燃える

が、明石組岩井信一や長老大久保憲一親分に

制止される。


   広能「儂がカッコつけとるから清はトラれ

       とるんぞ。」

 

 岩井は山守が昔の親分でトルことは仁義が

立たんと注意する。


   広能「この場に来て仁義も糞もあるかい!

       山守とったら儂も死んでやるよ。」


 上田は岩井に明石組のメンツが、呉のもんの

血か、どちらを重視されるか神戸本家三代目

の御意向を聞いて欲しいと岩井に頼む。


  帰路、大久保は上田に「余計なカバチを垂れ

」たと注意する。


 家の前に武田が立っており、大久保は「帰って

くれ」と頼む。広能が広島に出てくるようじゃったら、

「叔父貴さんでも遠慮なく首貰いますけん」と明は

厳しく警告する。


 武田は助っ人のやくざ達の遊興・飲食のつけの

払いを求められ、「山守の親父に払ってもらえ」と

筋を明かすが、若衆の古賀貞松から「御大は

ビタ一文出しよらんですけん」と嘆き、明は請求

書の山を見て嘆き呆れる。



seizou  akira


  武田「枯木も山の賑いじゃがのう、この分だと

      枯木に山が喰い潰されるわい。」



 ☆支払を強いられる子分☆


 広能の苦悩は、かつての親分に裏切られた悲

しみから子分を救えない痛みになりつつある。

 したたかに酔って河西を死なせてしまったこと

に悲痛さを覚える。山守との決戦に向かおうと

するが、岩井や大久保から諌められ、動きが

取れなくなる。


 第四部は菅原文太の静かな芝居が見どころに

なる。広能は苦悩の中でどうやって動けばよい

か分からず、拡大する抗争も止められず、内面

に悲しみが広がる。


 内田朝雄が大久保の保身を鮮やかに表現する。


 小林旭が智恵者武田明を深く勤める。大久保

を厳しく牽制する明だが、子分達から助っ人達

の莫大な出費のつけを払わされることになり、悲鳴

をあげたくなる。


 いつの時代も偉い人は莫大なお金を浪費して

助っ人や同盟者に忖度して大盤振舞をするが、

支払をさせられるのは、子分である。


 亜細亜太平洋戦争に青春期を過ごした笠原和夫

は、責任者たちの無責任を痛感した。


 現代においても政治の指導者は、高額の兵器を

買い、思いやり予算で軍事費を使っているが、同盟

国に忖度しすぎて、年金財源が破綻してしまった。

 つけを払わされるのは国民である。

 


   「枯木も山の賑いじゃがのう、

    この分だと

   枯木に山が喰い潰されるわい。」


 広島弁のウィリアム・シェイクスピア劇と呼ばれる

笠原和夫の名台詞だが、鋭く語ってくれた小林旭

の至芸も光っている。


 


                         合掌