仁義なき戦い 頂上作戦(四)義西会若頭 吉田貞次撮影作品 | 俺の命はウルトラ・アイ

仁義なき戦い 頂上作戦(四)義西会若頭 吉田貞次撮影作品

『仁義なき戦い 頂上作戦』

 

映画 101分  カラー

昭和四十九年(1974年)一月十五日公開

製作国  日本

製作    東映京都

 

企画   日下部五朗

手記   美能幸三

原作   飯干晃一

脚本   笠原和夫


 

撮影   吉田貞次

照明   中山治雄

録音   溝口正義

美術   井川徳道

音楽   津島利章

編集   宮本信太郎

 

 

出演


 

菅原文太(広能昌三)

 

 

梅宮辰夫(岩井信一)

 

加藤武(打本昇)

三上真一郎(川田英光)

 

松方弘樹(藤田正一)

 

監督 深作欣二

 

☆☆☆

美能幸三はノークレジット

☆☆☆

 画像・台詞出典 『仁義なき戦い 頂上作戦』DVD

☆☆☆

  台詞の引用・シークエンスの考察は、研究・

 学習の為です。 
 東映様にはおかれましては、ご理解・ご寛

恕を賜りますようお願い申し上げます。

 平成十年(1998年)八月十六日新世界東映

 平成十二年(2000年)十一月四日十三東映

 にて鑑賞

 ☆☆☆

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 割烹旅館の会談の席に広能昌三・岩井信一・打本

昇・川田英光らが着席する。義西会若頭藤田正一が、

昌三に近付き、耳打ちするように気持ちを語る。

 

   藤田「親父はすぐ見えられますけん・・・・・・

       伯父さん。儂等若いもんは伯父さん

       の側で立つと腹くくっちょりますけん。

       そのつもりで親父に押してみてつかい。」

 

   広能「ほうか、済まんの。こんな、胸のほうは

       どうな?」

 

   藤田「御陰さんで、今の所は・・・」

 

 藤田は咳き込んで退席する。

 

 ☆☆☆義に篤い若頭☆☆☆

 

 割烹旅館会談の席で広能昌三に旧知のやくざで義

西会若頭を勤める藤田正一が親しく声をかける。

 昌三と正一には仲間叔父甥の義がある。昌三にとっ

ても、正一は刑務所仲間で大切な友である。

 

 正一の親分岡島友次とも親しいが、堅い義で繋がり

合っている藤田の為にも、親分岡島は何としても仲間

の陣営に加わってもらうことを頼み、自陣に入って欲し

いと口説き落としたい。

 

 藤田は大切な広能叔父さんに協力し仲間・味方として

行動したいという意欲に燃えている。

 

 肺結核を病み、命の危機に立たされても、尊敬する叔

父貴広能の為に働きたいという義理に藤田は燃えてい

る。

 

 広能・藤田の会話は、『仁義なき戦い』第一作の坂井

鉄也葬儀において昌三が鉄っちゃんの遺影に語りかける

シーン以来の『仁義なき戦い』シリーズ菅原文太・松方

弘樹競演シーンとなった。

 

 シリーズの主役文太と準主人公弘樹の会話には、二大

スタアの男と男の芸と芸の激突があって銀幕に迫力が漲

る。

 

 広能・藤田の義の会話を静かに見つめる岩井信一の存

在感も重い。

 

 菅原文太・松方弘樹・梅宮辰夫の三大スタアが『仁義な

き戦い』シリーズワンシーンに集う場面は意外に少ない。

 

 割烹旅館の会談前の広能・藤田による協議前の会話と

岩井信一の喫煙は、静かな劇的緊張を盛り上げるものと

なっている。

 

 男達の義を、笠原和夫が書き、吉田貞次が撮り、深作欣

二が演出する。

 

 『仁義なき戦い』シリーズは男が輝く大傑作なのである。

 

 

                                合掌