後編その1に続いて、氷川神社の摂末社に行ってみましょう
改めてになりますが、氷川神社は成り立ちが非常に謎の古社と言われますが、主祭神は須佐之男命(スサノオ)とされています。
スサノオについての基礎知識を以下に説明します。これを知ると氷川神社のお詣りが格段に楽しめます 斜め読みで構いません また、日本神話に詳しい方からすると、おかしな部分もあるかもしれません
まず、スサノオは、初代神武天皇と密接に関わる日本神話の世界に登場する方です。あくまで神話上のお話ですが、基となるような出来事があったのでは無いでしょうか。
スサノオは、「古事記」では、黄泉の国(死後の世界)から帰ってきた伊邪那岐命(イザナキ:神武天皇の七代前の先祖で男神、妻は伊邪那美命(イザナミ))が禊(水浴)で、黄泉の汚れを落としたときに、最後に生まれ落ちた三柱の神々(三貴子)のひとりで、「天照大御神(アマテラス):イザナキの左目から生まれたとされる女神、太陽神」、「月読命(ツクヨミ):イザナキの右目から生まれたとされる神、男神ともされますが性別不詳、夜を統べる月神」のうちのひとりで、イザナキの鼻から生まれたとされる男神、海原の神です。
以上のことは神道の祝詞、祓詞にもあるようです(神主さんが呪文のように唱えている中に登場するとは知らなかった笑)。
天皇の万世一系上ではアマテラスに遡りますが、アマテラスが女神のため、後述する「うけい(誓約)」で誕生する五柱の神の親とみる場合は、日本人の男系上の祖とみることになります
漫画的な相関図が以下にありますので、ご覧ください
スサノオは、アマテラスの弟ですので、天の神様系「天津神」ということになりますが、諸事情により天津神の一員から追放(神逐(かんやらい))されたため、「根の国」に行き、地の神様系「国津神」となったとされています
以下の「天の岩戸伝説」にわかりやすく説明されています
「天津神」と「国津神」の分類は以下をご覧ください
「天津神」の主宰神がアマテラス、「国津神」の主宰神がオオクニヌシ(大国主大神:出雲大社の主祭神、スサノオの六世子孫)となります。
素行が悪かったため、国津神となり出雲国の肥河(島根県斐伊川)の上流の鳥髪(現・奥出雲町鳥上)に降り立ったスサノオですが、そこで改心したのか一躍英雄になります
それが、かの有名な「ヤマタノオロチ伝説」です。そのヤマタノオロチを退治して、妻としたのが櫛名田比売(クシナダヒメ)です。そしてヤマタノオロチを退治して、その尾から出てきたのが「草那藝之大刀(くさなぎのつるぎ):三種の神器で熱田神宮に本体があると言われます。」です
また、退治後にクシナダヒメと暮らすために移ったのが、出雲の根之堅洲国(ネノカタスノクニ、現在の島根県安来市)の須賀で、そこで日本で最初の和歌を詠んだとされています
「夜久毛多都 伊豆毛夜幣賀岐 都麻碁微爾 夜幣賀岐都久流 曾能夜幣賀岐袁 (八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣作る その八重垣を)
雲が幾重にも立ち八重の垣根をめぐらせている
妻を籠らせるために わたしも八重の垣根を作るのだ
雲が作ったその八重垣のように
カッコよすぎ笑
https://www.kokugakuin.ac.jp/article/150943
そして、「天の岩戸伝説」に出てきた「うけい(誓約)」によりスサノオから生まれた三柱の女神(宗像三女神)は、以下をご覧ください
非常に長くなってしまいましたが、以上がスサノオのプロフィールです
氷川神社では、主祭神スサノオに縁のある記紀の神々が、摂末社に祀られています そうやって、神社に行くと格段に楽しく、神社の神々から恩恵も得られそうですね
まずは、「宗像三女神」が祀られるこちらへ
総本社である玄界灘に浮かぶ沖ノ島の宗像大社に見立てられています。
続いては、「後編その3」へ
更新を早めます
そして、謎の氷川三社に続けて行く予定です
氷川神社の謎が見えてくるかもしれません