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歩行速度の低下は認知症リスクの上昇に関連することが
複数の研究で示されています。
また、歩行速度の低下と認知機能の低下の両方が見られる人では
これらの低下が見られない人と比べて
認知症リスクがより高いことが
これまでの研究で、すでに示されています。
ですが、その多くは認知症を発症した参加者が少なかったり
あるいは包括的認知機能または即時記憶のみを評価しているなどの
限界があったそうです。
オーストラリアのMonash Universityなどの研究グループは
歩行速度の低下に加えて認知機能の低下が見られた場合の
認知症リスクへの影響について、認知機能の領域別に検討しました。
2010~17年にかけて実施され
歩行および認知機能に関する長期データが得られた高齢者の
1万6,855例について解析を行いました。
歩行速度は試験開始時、2年時、4年時、6年時、2017年の試験終了時に評価し
認知機能は試験開始時、1年時、3年時、5年時、2017年の試験終了時に評価したところ
歩行速度と認知機能の両方が低下した群では
いずれも低下していない群と比べて認知症リスクが高く
歩行速度と記憶力が低下した群では
リスクが25倍だったことが明らかになりました。
認知症の発症リスクの評価では
歩行速度と記憶力の組み合わせが指標として適切なのかもしれませんね。
今後の研究に期待したいです。
詳しくはこちら。
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2792815