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保健所は感染症などの健康危機や災害対策だけでなく

 

何も起きていない日常から、地域の医療提供体制を維持し

 

住民の方々の健康を守っていくために

 

さまざまな仕事を行っているんですよね。

 

 

 

 

 

 

保健所の仕事の守備範囲は広くて

 

行っている業務は、大きく「対人保健」「対物保健」「企画調整」の

 

3つに分類されているのは、すでにお伝えした通りです。

 

その保健所が担う仕事をピックアップして

 

具体的に

 

どのような取り組みが行われるのかもご紹介してきました。

 

前回の記事はこちら。

 

 

今回は企画調整業務についてご説明しますね。

 

医事分野の業務

企画調整業務の中に医事分野の業務があります。

 

医事は読んで字の如く医療に関する事務のことです。

 

私たちが生活をする上で病気になったり

 

事故で怪我をしてしまったりした際に利用する病院は

 

保健所の認可が下りなければ開設することができません。

 

 

 

 

 

 

もし、仮に保健所を通さずに

 

誰でも病院が開設できるとしたら、不安ですよね。

 

そこで、保健所が開設許可をすることは、とても重要ですし

 

開設許可を出すだけではなく

 

運営が適切に行われているかを検査する業務も大切と考えます。

 

 

 

 

 

 

 

医療機関への立入検査(医療監視)

 

保健所の機能の一つに、「医療機関立入検査(医療監視)」があります。

 

病院、診療所などの医療関係施設に立ち入り

 

医療法や関係法令に従って運営されているかを検査し

 

必要に応じて監視や改善指導を行うのです。

 

 

 

 

 

 

その監視範囲は幅広く

 

例えば医療従事者の資格やその人数や

 

衛生管理と構造設備の状況に

 

診療録・助産録・帳簿書類のチェックなどをします。

 

 

 

 

 

 

なかでも、麻薬や毒薬の管理状況、感染廃棄物の処理状況など

 

最近問題になることが多い事項についても検査を行います。

 

 

 

 

 

 

監視、検査と言っても犯罪調査じゃない

立入検査を行う職員を医療監視員といいますが

 

医療関係機関が最低限守るべき基準を

 

満たしているかを立ち入り検査し

 

必要な指導だけを行うことを目的にしていますので

 

犯罪捜査を行うわけではありません。

 

 

 

 

 

 

医療機関は法令を当然守っているのが大前提ですので

 

万が一、基準に達していない医療機関があった場合は改善を求め

 

必要な指導を行っていくこととなります。

 

 

 

 

 

 

患者さんや妊産婦の方などが

 

科学的かつ適正な診療を受けることができるように

 

法律に基づいた調査や指導を行うのが医療監視員の職務なのです。

 

 

 

 

 

 

医療監視への医師の関わり

病院の場合は原則1年に1回

 

定期的に医療監視が行われています。

 

医師であれば、たいていはこの業務に関わることとなるでしょう。

 

医療監視員として検査に出向くだけでなく

 

担当を任された場合には、段取りからすべてを行うこととなります。

 

 

 

 

 

 

この業務を担当した場合の

 

仕事の流れの一例を紹介します。

 

コロナ禍前ですと

 

管轄地域のすべての病院と一部の診療所に複数の職員で

 

チームを組んで検査に出向いて検査を行っていました。

 

 

 

 

 

 

半年程度のスケジュールを立て

 

メンバーを組み合わせて計画し

 

医療監視員として派遣する職員の勉強会を実施して

 

検査に偏りがないようにするなどの準備をしてもらい

 

医師、保健師、薬剤師、診療放射線技師、事務職員など

 

可能な職員には、広く監視員として業務に関わってもらっていました。

 

 

 

 

 

 

多くの他の専門職種の職員と意見交換や

 

情報共有をすることになりますので

 

医療監視以外のさまざまな業務についても

 

より円滑に出来るようになったようになります。

 

 

 

 

 

 

コロナ禍以降は

 

オンライン診療の普及などの診療体制の大きな変化がありました。

 

例年通りの項目に加えて

 

「オンライン診療がルールに従って適切に行われているか」

 

「初診患者への電話・情報通信機器を用いた診療について、状況報告がなされているか」

 

などの点が加えられ

 

保健所からの医療監視員の派遣の代わりに

 

書面での検査などに変更になっていました。

 

 

 

 

 

 

今後も実施方法は変更になるでしょうが

 

このように医療を取り巻く状況に合わせて

 

医療監視の内容も変更、追加されながら実施されています。

 

 

 

 

 

地域住民の方の健康を広く守るのが保健所の仕事

 

臨床医として患者さんを診療する時には

 

経験できなかっただろう多くのことを経験できるんですよ。

 

保健所での医師の仕事は患者さんを診るだけではなく

 

多方面からの働きかけを行い

 

地域の健康課題を解決に導くということなんです。

 

 

 

 

 

 

患者さんを直接診るわけではないけれど

 

保健所の仕事は見えにくいことも多いけれど。

 

欠かすことのできないものなのだと思っています。