その5・トカンチンス河からシングー河・5
マラバのフィッシング&生きもの
さてさて、プライア・デ・ツクナレ上手の付近には、点々と小さな岩場島がある。N氏と、そんな岩場の一つに乗った。水中撮影のコーディネイトは何回もやっているけど、カメラマンは一度水に入ると、なかな~か上がってこない。すなわち、オレにヒマができちゃうってことね(笑)。時間潰しには、もちフィッシング、そして最近始めたコレクション用の淡水貝類採集がもってこいだ。
とりあえず、小型だけどピーコをやっつけた。ひさしぶりにピキティを釣った感があった。そしてドンコみたいなパイク・シクリッドも釣れた。
貝類もシングー河とは違った種類がある。尖った巻貝がなかなか格好よかった。
アマゾンの淡水貝類の研究は、そのうちにブログで公開するね。岩場の草にたくさんの、赤黒がきれいなハムシ系小型甲虫がいた。魚たちは、これを食ってるかなぁ。
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その4・トカンチンス河からシングー河・4
さてさて、トカンチンス河下流部のノウガキは、このくらいにして…… 空路でやってきたN氏とマラバで合流。翌日は、市内前から発動機ボートで少し上流の岩場に行った。マラバ旧市街は、マラバ・ピオネイロと呼ばれる地区で、トカンチンス河と支流のイタカイウーナ川の合流点に位置する。地区の真ん前に砂浜の島があって、プライア・デ・ツクナレ、すなわち「ピーコックバス・ビーチ」(笑)と呼ばれている。
乾期になると、このプライア・デ・ツクナレにテント群が林立し、老若男女が昼夜を問わずに酒飲んで騒ぐ(笑)。ピーコ・ビーチ・ビキニ娘の鑑賞もできる。しかし、一般にメタボ・おばさんのほうが多い(笑)。
島の上流を少し遡ると、鉱山鉄道のデカい架橋がある。鉄道は、カラジャス鉱山の鉄鉱石などの運搬にマラニョン州のサン・ルイス市まで施設されてるんだけど、週に2回ほど客車も走る。オレはまだ乗ったことがないけど、そのうちにサン・ルイス市まで行ってみたい。
マラニョン州探訪の目的は、スヌーク&ターポンのフィッシング、名物の泥ガニの食いまくり、なども魅力だけど、昔2回行ったアラカントラ海岸を再訪してみたい。以前のこと、この海岸で恐竜化石を掘ったことがあるのであ~る。
チャンスがあったら、アラカントラに近いカジュアル島のラージェ・デ・コリンガにも行きたいね。ここは、「ブラジル最大の恐竜の墓場」ってキャッチがあって、最近もブラジル最大のスピノサウルス類オシャライア・キロンベンシスが記載されている。同種の詳細は、「恐竜の楽園」URLを参照してね。
http://www.dino-paradise.com/news/300/cat4/304/200-1/
「恐竜の楽園」では、なにか勘違いがあったらしくて(笑)、「発見場所は、リオデジャネイロのすぐ近くにあるCajual 島……」、って記してあったけど、カジュアル島は東北ブラジル地方のマラニョン州ですよ~ん。
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その3・トカンチンス河からシングー河・3
トカンチンス河の下流
60年代半ばから70年代前半に奇跡の経済成長を見せたブラジルだったけど、その裏だては先進国からの融資だった。しかしオイル・ショック後、外資の導入が止まると経済は急激に低迷してしまった。そしてハイパーなインフレが始まった。累積債務に苦しんでいた政府は、アマゾン地域の熱帯雨林に眠る鉱物資源開発に目をつけた。
鉱物資源開発には、巨大な電力が必要だった。トカンチンス河を堰きとめたトゥクルイ・ダム湖は、琵琶湖の三倍半という膨大な熱帯雨林を水没させ、1984年に完成した。当然のことながら先進国の自然保護団体が黙っている筈がない。まず地球の貴重な生態系が大規模に破壊されたことに非難が集中した。また熱帯密林に造られたダムでは、冠水して死滅した樹林などのバイオ物質が急激に腐敗し、底層で大量の硫化水素を発生させる。これが酸性雨を起こす原因になるとして取り上げた。上層の水は栄養化しアオコのような状態となり、ほとんどの水棲生物は生きていけないと論じた。またインディオ村の住民の強制立ち退きも、人権保護上の問題があると非難した。
アマゾン・アルミやカラジャス開発に大きな政府間融資や民間企業投資をした日本は、その槍玉に挙げられた。途上国が開発を行なうことに関して、とやかく言う立場にないけど、もちろん自然が消えていくのは悲しいことである。
トゥクルイ・ダム湖では建設直後、富栄養化による酸欠で多くの水棲生物が死滅した。幸いなことにトカンチンス河は流量が大きいため、湖の水は数十日単位で入れ替えられていった。水質は次第に落ち着いてきた。一時の生物大量死により、そこは生態的に巨大な空き家になっていた。そして止水に適応した生物が猛烈な増殖を始めたのである。
まず藻類を食べる淡水エビや小魚が増えた。そしてそれらを食べるニベ科の淡水イシモチPlagioscion sp.とシクリッド(シクラ科)のピーコックバス類Cichla spp.が爆発的に増えた。喜んだのは漁師である。現地でペスカーダと呼ばれる淡水イシモチ、トゥクナレと呼ばれるピーコックバスは、共に食用魚として商品価値が高い。ダム湖のサシ網漁では、毎日大型トラックで何度も往復するほどの漁獲があった。生態的な空き家に新しい生物が入りこむと、始めのうちよく増える。エサとなる生物は防御に慣れていない。だから赤子の手をひねるように簡単に捕食できる。しかし、トロかったエサたちも減ってきて、また敵のいない場所にだけ棲むようになる。そうなると捕食者の数も減ってしまう。日本の闇放流ブラックバスがそうだった。トゥクルイ・ダム湖では人為的な採取も手伝って、ピーコックバスの数が減り、同時に漁師の数も減った。とはいえ巨大な水域である。まだまだ魚ストックのキャパシティは高い。
トゥクルイ・ダム湖に生息するピーコックバスは、3種類だ。まずは、もともと下流の住人、ピニーマ・ピーコックバス(シクラ・ピニーマ)。これはツクナレ・アスー(ジャイアント・ピーコックバス)の系統。ピニーマとは、トゥッピ系インディオ語源で、「斑点がある」を意味すると思う。昔むか~し、トカンチンス河下流のカメタ近郊で始めてニュースタークラウンプレコを発見したとき、現地のインディオ末裔がアカリ・ピニーマってのを造語したもんね。同種の詳細は、下のURLを参照。東北ブラジル地方のダム湖で12キロ近いのが釣れてるけど、一般に8キロ以下くらいまで。
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ケルベリィ&ピキティの2種は、アラグァイア・トカンチンス水系の特産種たちだけど、サン・フランシソコ河水系やラ・プラタ河水系に移植されている。
ケルベリィは、イエロー系だけど、「腹ビレ、尻ビレ、尾ビレの下半分に、細かい明るいスポット、あるいはレオパード模様がある」、が特徴。大きくて2キロくらい。同種の詳細は、下のURLを参照。
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ピキティは、ハイランド系で、現地でツクナレ・アズール(ブルー・ピーコックバス)と呼ばれる種。大きくて4キロくらい。同種の詳細は、下のURLを参照。
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その2・トカンチンス河からシングー河・2
アラグァイア・トカンチンス水系
「アマゾン河の流れは九州ほどのマラジョ島によって分断され、その河口の幅は300キロ以上に達する……」という記述を、ものの本で見ることがある。地図を眺めただけでは、そういう感じになっているよね。しかし、これは事実ではな~い(笑)。1853年に著された『アマゾン河探検記』(邦訳題)で、博物学者ウォレスは、パラ河(マラジョ島の南の流れ)がアマゾン河の分流であるかどうかの地理学的問題に触れている。彼は結論として、はっきり分流でないと記している。アマゾン河とパラ河は水路で繋がっているが、潮流の観察から、前者の水は一滴たりとも後者に入ったりしていない、とウォレスは断言している。実際にその通りである。彼はダーウィンと同時期に進化論を独自に考え、またマレー半島にあっては生物境界線(ウォレス線)を提唱した。ウォレスの自然観察眼には素晴らしいものがある。
グランデ・オガワは、ウォレスの生まれ変わりだという一説があるけど、しかし、これは事実ではな~い。グランデは、アマゾン広域で多くのインディオ娘にタネ馬した、博物学者ナッテラーの化身である(笑)。
現在ブラジルで出版されている流域地図でも、パラ河やトカンチンス河、またそれに類するグァマ川のような中型河川は、アマゾン河水系と別個に扱われている。ちょっと話が複雑になるけど、以上の事象はベレンやパラ河がアマゾンでないという意味ではない(笑)。アマゾン流域とアマゾン地方は重複しているけど、同じではないのだよ。ブラジルでは北部の七州(パラ、アマゾナス、アマパ、トカンチンス、ロライマ、アクレ、ロンドニア)と北東部マラニョン州の一部、中央西部のマット・グロッソ州がアマゾニア・レガル(公定アマゾン地域)に指定されている。これがブラジルのアマゾン地方であ~るね。アマゾニア・レガルの総面積は約520万平方キロで、ブラジルの約61%を占めている。
パラ河の最大流入河川がトカンチンス河である。ブラジルの地理用語では、この流域をアラグァイア・トカンチンス水系と表記している。二つの河川が併記されている理由は、両河川がほぼ同じ大きさを有しているからだ。水系全体の流域面積は、日本の二倍強の約76・7万平方キロある。その内トカンチンス河が38・5万平方キロ、アラグァイア河が38・2万平方キロを占めている。それぞれの流域が、日本くらいあると思えばよい。トカンチンス・アラグァイア河系は、南部でパラナ・パラグァイ(ラ・プラタ)水系と分水嶺を持ち、西側はアマゾン河支流のシングー河に面している。東北部は独立河川のパルナイーバ川、南東部はブラジル第三の大河サン・フランシスコ河に接している。ブラジル高原を流れる部分が多く、76%がセハード、すなわち半乾燥のサバンナ地帯である。熱帯雨林は下流部のみだ。
ブラジルの中央高原は、広大なテーブル状の地形を持っている。世界の大陸は、楯状地と呼ばれる先カンブリア代(35億年前から約6億年前)の基盤に支えられている。変成岩や花崗岩類など硬い結晶質岩石からなる安定した大地塊だ。高原の岩盤は、アマゾン堆積盆地と呼ばれる大きな凹みの下部で北側のギアナ高地と深部で繋がっていることがボーリングで確認されている。古生代初期(数億年前)、地球は激しい火山活動に揺れた時代があった。楯状地に溶岩が貫入し、熱接触の変成が起こり、蒸気による空洞が数多くできた。そこに色々な鉱物が生成された。宝石鉱物の源泉はこの時代の火山活動に由来している。火山活動に伴う熱水は、地中に平均的に含まれるゴールドも集約させた。
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その1:トカンチンス河からシングー河・1
4連ちゃんの開始
今年の7月~8月。4本のチームを催行した。まずは、中旬。野生動物の写真撮影が趣味のN氏のコーディネイト。いろいろな魚の水中写真を撮りたいとのご希望。アマゾン旅程は、9日間ほど。N氏から連絡を頂いたのは、今年の4月だった。まずオレの頭に浮かんだ案は、マット・グロッソ州の湧水だったね。同州には、ボニータって有名な澄水地区があるけど、オレはそれに匹敵できる好スポットを他にも知っている。たとえば、ノーブレス地区。2010年の11月に入ったけど、素晴らしい水質のヒアッショ(小さな川)がいくつもある。
しかし、N氏とメールで交信しているうちに、特にシクリッドやプレコに興味があるとのことが判明。ラ・プラタ系のマット・グロッソには、もちろんそれらも生息しているけど、アマゾン南岸の河川に比べちゃうと、やや魚相バラエティが弱い。そんな紆余曲折があって、最終的にトカンチンス河とシングー河を攻めることになった。
アジトを発ってバスでマラバ市に入った。ブラジルで2番目に広い州であるパラ州(ベレンが州都)では、現在、ここを分割して、「新州を2つ作ろう!」、という活動が進められている。一つはタパジョース州で、州都はサンタレンに置かれる予定。もう一つは、マラバを庁所在地にして、カラジャス州というのを新設する計画。現在のパラ州は、ブラジル国内でも有数の鉱物資源産出州となっている。サンタレン北方のトロンベッタス流域には、世界的なボーキサイト鉱山がある。マラバの南西のカラジャス地域には、世界最大の鉄鉱石鉱山の他、黄金を始めとした貴金属類や宝石鉱物が豊富だ。金塊で有名になったセーハ・ペラーダもある。豊穣な鉱物資源の後ろ盾があるんで、新州として独立しても、十分にやっていける、という算段だ。
ちなみにポ語のセーハは、ノコギリを意味して転化して山脈。ペラーダは、ペリ質(皮質)を意味して転化してハゲ(禿げ)。だから枯れた山脈(笑)。関係ないけど、スペイン語の禿頭の愛称は、ペラッチョ。日本語の尺八、すなわちフェ●チオと発音しても、十分に通じる(笑)。
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ブログ復活の予感
先週の金曜日は、9月7日。ブラジルの独立記念日だった。アジトにも記念行進のドンチャン太鼓やギャル嬌声などが聞こえてきた。どうやら冬眠から覚める季節が来たようだ(?)。
おぉ~お! ブログを一ヵ月半も休んじまった。この間に、「お元気ですか?」、「生きてますか?」、「チ●ポ、立ちますか?」、などのメ-ルを数々いただいた。ご心配、ありがとうございます。ブログ読者希望さんも増えてた。ごめんなさい、忙しかったんです。
★ しかし、アマゾンの巨星はまだまだ落ちていない。次回から、「アマゾン南岸の乾期」と題したシリーズで再開するからね。
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博研・52:外伝・21:日本最後の博物学者
直良信夫
博研・外伝も今日で最終回だ。何度も書いてるけど、昔のオレの専門は古生物学だった。ようするに化石屋ね。この変人種のユメってったら、偉大なるブツを発見することに尽きる。世界最大、世界最古、あるいは日本最大&最古、などなどハデなキャッチがついているようなヤツ。もちろん人類化石なんかは、いかにも素晴らしい。
アマゾンに関係ないけど、「最後の博物学者」って呼ばれるニッポン人が、直良信夫だ。肩書きは、考古学者、動物考古学者、古生物学者、文学博士。何といっても、明石人の発見者として知られている。1931年、病気療養中の直良は明石市西八木海岸で古い人骨(腰骨)を拾った。
標本は、残念ながら東京大空襲で消滅した。直良は旧石器人だと思ったけど、戦後になって石膏レプリカを研究した学者が、原人(ネアンデルタール系)であるとして、ニポナントロプス・アカシエンシスなんてのを記載しちゃったのが、争議の発端になった。日本にネアンがいた筈がないという反論、縄文人じゃないの?、という意見。なにしろブツがない(笑)。現在では、縄文時代以降の新人とする意見が大勢となっている。しかし、それじゃ~あ面白くない(笑)。
明石人ネタを町おこしに使わない手はないゼ。地元教育委員会では学会の定説など無視して10万年前にニッポン・サピー先祖が住んでたことにしちゃって遊んでいる。原人ファッション・ショーなんかもやっている(笑)。これはこれで、楽しい。
松本清張の短編小説「石の骨」の主人公は、直良をモデルにしたものといわれている。豊かな才能を持ちながら、学歴がないゆえに恵まれない市井の学徒を描いたらしい(オレは読んでない)。サピーってのは、頭が良くないから、常識を破るような大発見にまるで冷た~い(笑)。奇人扱い、時にインチキ、ついには詐欺師よばわりする。そこでメゲるようでは、ホンモノじゃないけどね。
(博物学者の研究は、ほんとに完)
さぁ~、次のシリーズは、何にしようかな?
★2012年度:フィッシング隊員募集中
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博研・51:外伝・20:恐竜学の最高権威
コルバート
USA博物学の末期にティラノサウルス・レックスを記載したのがコープ(博研史・その24)の弟子のオズボーンだった。そのオズボーンの博物屋スピリットを伝承したのが、前回ヒューネのくだりで触れたエドウィン・H・コルバートである。もちろん、立派な近代古生物学者で、博物学者とは呼ばれていない。
コルバートの著した「恐竜の発見」(前回登場)は、多くの評価を受けた。「唯一の欠点があるとすれば、著者の研究業績に触れてないこと」、とベタ褒められている。コルバートは、ブラジルでも活躍した。サンタ・マリア産の小型肉食恐竜スタウリコサウルスは、彼の記載である。
属名の意味は、「南十字星のトカゲ」。コルバートは、ブラジル南部で見たサザン・クロスが美しかったから、というおセンチなセリフを吐いている。こういう感性は、嫌いじゃないけどね。種小名のプライセイは、友人のプライス(前に登場)に送ったもの。
9164コルバートって小惑星は、彼に送られた命名。南極での彼の活動は、プレート・テクトニクス(大陸移動説)のもっとも重要な傍証となった。
博物屋は無数にいたから、ネタ切れじゃないんだけどね。そろそろ博物研究史・外伝も書き飽きてきたなぁ。次回で最終回にしようかな?
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博研・50:外伝・19:ブラジルのフォン・ヒューネ
フォン・ヒューネ
エドウィン・H・コルバート(次回登場予定)の著に、マン・アンド・ダイノソアがある。和訳の「恐竜の発見」の監修は、オレの古生物師匠O博士だった。たいへん面白い本だったんで、20回以上も(笑)読んだ。ネオサイソシオロの基本である反復学習である。同著から「ブラジルのフォン・ヒューネ」というくだりを、ちょっと引用する。
『1928年にヒューネは,南大西洋を横断した。今度の旅では、彼のお好みの三畳紀の地層で化石をさがすために、南部ブラジル地方へ向かうのだった。ヒューネの化石探査の場所は、小都市サンタ・マリア市の西方、リオ・グランデ・ド・スル州(南大河州)の中心部だった。この地帯から化石骨が出ることは知れ渡っていた。多くの人々が化石を発見していて、その中のいくつかは記載されていた。そこでその岩石が三畳紀のものであり、しかも化石を含んでいることは立証されていた。化石を含んでいるというような生易しいものではない。つまりサンタ・マリア層はどこもかしこも古代爬虫類の化石でいっぱいなのである(一部に削除・加筆あり)』
ヒューネは、20世紀前半のヨーロッパで、最も多くの恐竜を命名したドイツの古生物学屋さんだ。
チュービンゲン大学の古生物学の教授だった。彼は主にサンタ・マリアのシニカ地域で発掘を行った。ブラジルで採集した化石に、「これは恐竜である!」、とスポンディロソマ・アブスコンディタムを記載したが、現在では「恐竜でな~い」とも言われている(笑)。肉食爬虫類、プレストスクスも彼の記載だ。
プレストスクスは、準主竜類という、学者にも訳の分からない(笑)仲間に分類されるワニ型の爬虫類。全長5メートル以上。頭骨は、1メートルもある。顔つきが悪い(笑)。かなり凶暴な奴だったと思われる。標本は、けっこう数が出ている。
中生代の最初の時代は、三畳紀。肉食大型の脊椎動物は、ワニ型の主竜類が主流だった。
デカ頭のプレストスクス骨格は、格好がいいんで、東京の国立科学博物館にも展示されている。
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博研・49:外伝・18:ブラジル恐竜学の父
イヴォー・プライス
プライスは、前挙パウラ・コートより5歳年上。生まれは同じ南大河州(リオ・グランデ・ド・スル)だけど、中生代爬虫類化石産地で有名なサンタ・マリアで産声をあげた。両親は、アメリカ人だった。専攻していたケミカル(化学)を勉強するためにUSAに留学していたとき、アリゾナ地方を旅行したことが彼の生涯の方向を変えてしまった。彼はここでシカゴ大学のバーナム・ブラウン教授(当時の恐竜学の大権威)に出会い、恐竜化石の発掘に参加し、それに魅せられてしまった。化学(ばけがく)が化石学に化けた(笑)。DNPM(ブラジル国立鉱物資源調査所)の依頼で生国に戻ったプライスは、化石発掘と研究に没頭することになった。当時のブラジルの機関には、ろくな文献もなく、まったくゼロからの出発になった。
1948年、ミナス州ウベラーバのペイロポリスのカイエイラ採石場で恐竜化石群が発見された。調査に急行したプライスは、続く地層に大量の化石が埋まっている感触を得た。そして翌年から本格的な発掘が開始された。この作業は、実に10年もの歳月に渡った。
1991年。ウベラーバ市は、ペイロポリスに恐竜博物館を建設した。博物館は、「レヴェリン・イヴォー・プライス古生物研究センター」と呼ばれている。オレも訪問したことがある。展示で面白かったのは、ジュラシック・パークで有名になったマニラプトラ類のカギツメだった。
カイエイラ採石場でプライスが発掘した恐竜骨からバウルチタン・ブリットイやトリゴノサウルス・プライセイ(種小名は、博士に献上)が記載されている。
「一日の24時間が科学者」と言われたプライス記載のキモいヤツの白眉は、古生代のプリオノスクス・プルメリである。本種は、現在知られている史上最大の両生類と言われている。全長は、9メートルくらいあったとされているからスゴい。産地はアマゾンに近いピアウイ州。
プライス博士は、1980年に亡くなっている。オレは、直前にDNPMに博士を訪ねる予定だった。北海道の三笠地方から爬虫類の頭骨が発見され、エゾミカサリュウと名づけられていたけど、当時は所属が不明(現在は魚竜として決着がついている)、白亜紀爬虫類の権威であるプライス博士に写真を見せて意見を聞いてきて欲しいと、国立科学博物館のO博士から特命を受けていたからである。この件を完遂できなかったのは残念だった。ブラジル最後の博物学者に会っておきたかった。
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お知らせ
本日から数日ほど、トカンチンス河方面に行ってきます。シングー河とは並行関係の魚種がいるんだけど、上流部はラ・プラタ河水系とも関連がある大型支流ですな。ちょっと魚類探索です。
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