南米・鳥獣虫魚・探遊 -55ページ目

中南米クリエーチャー美形の研究:その1

序章&トケイソウ


今日から緋色の細胞神経、美の世界のお話しに入る。


美にはいろいろな種類があるね。彩色、造形、自然、芸術、天然ボケ、えとせとら。これらには物理的な量尺度がないから、各サピーによって感じ方が違っていて当然。ピカソの絵を美しいと思う奇人もいるし、オレのほうが絵が上手いゼと信じるオレのような美術家もいる(笑)。民族や国、各地の常識によっても左右される。例えば極東島国では、美学にわび、さび、粋(いき)、あるいは、いく・いくぅ~!(これはオレの美学)などよく訳の判らないものも入る(笑)。世界的な共通美に、肉体美ってのもある(メタボお断り)。



ブラジルのトップ・モデル、ジセーリちゃん


この研究では、対象を中南米クリエーチャー(生きもの)の中で、オレが勝手に美しいものと思うブツを登場させる。できるだけ実際に見たことのあるものを選んだ。主な審美は、彩色+造形。大きいだけのウドじゃ食えない。形のいいことも必要だ。昔むかし、「私の知ってる一番大きいものじゃないけど、一番格好がいいわ……」、と言われて、一抹の寂しさのなかに喜びも感じたからね(笑)。



クダモノトケイソウ類の美花


まずは花を愛でよう。アマゾン地方の野生でけっこう観られる美麗な花にクダモノトケイソウ類がある。こいつらは、綺麗なだけじゃなくて不思議な造形美も持っている。果実も美味しい。



クダモノトケイソウ類の美花


クダモノトケイソウは、新熱帯区のドクチョウ類の食樹である。幼虫は、この植物からアルカロイドを得るらしい。これについては、後述する予定。



Passiflora mixta


クダモノトケイソウは、ハチドリ類との関係も深い。典型的な例では、非常に長い花冠をもつトケイソウの一種Passiflora mixta の蜜は秘所の奥深くにあって、ヤリハシハチドリのヤらしい吻でしか吸うことができないと言われている。この2つは歩調をそろえながら共進化してきたと学者さんに考えられている。



ヤリハシハチドリ


クダモノトケイソウは、ポルトガル語でマラクジャ、スペイン語圏でマラクヤ、英語で果実はパッション・フルーツ。花はパッション・フラワーで意味は、「キリストの受難の花」。ジェズイッタ(イエズス会の宣教師)たちがラテン語で flos passionis と呼んでいたのを訳したもの。アッシジの聖フランシスコが夢に見た「十字架上の花」としてキリスト教の布教戦略に利用した。花の子房柱は十字架、3つに分裂した雌しべが釘、副冠は茨の冠、5枚の花弁と萼は合わせて10人の使徒、巻きひげはムチ、葉は槍と結びつけた。もちろん、コジつけだ。










クダモノトケイソウ類の美花たち


もちろん、つづく


グランデ・オガワとアマゾンの猛魚を釣ろう!

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カワイルカなお話し・8

いろいろ引っ張ったけど、いよいよ本題の新種カワイルカに登場してもらおう。2014年1月に記載されたアラグァイアカワイルカ(Inia araguaiaensis)は、アラグァイア・トカンチンス水系のみに生息している。イニア属3種の分布マップを挙げよう。アマゾンカワイルカ(マップの薄緑)、ボリヴィアイルカ(青)、そしてアラグァイアカワイルカ(赤)。



3種の分布


アラグァイアカワイルカの分布下限は、トカンチンス河のツクルイ・ダム湖である。建築された場所には、過去には激流地帯があった。瀑布とか激流地帯ってのは、水棲動物にとって上下ミグレーションの阻害になるから、そこを境に個体群が別系統になり得る重要なファクター地形だ。ボリヴィアカワイルカのチオトニオ(薄緑と青の境目の地点)を思いだしてちょうだい。



アラグァイア河のRTC


アラグァイアカワイルカは、オレはなんども何度も観ている。アラグァイア河のバナナル地区には、けっこう釣りに入っているからだ。こいつらとフィッシングには、けっこう深い因縁がある。「ピララーラ(レッドテールキャット=RTC)を釣りたかったら、ボットがクリマタの群れを食っているところの下流を探せ! そこに必ずピララーラの群れがいる!」、と教えてくれたのは、スケベ・イタリアンの末裔、今は亡きジアン・ピエトロだった。2005年に中国のオオタマさん親子と入ったとき、これが的中も的中、RTCをボコボコに釣った。



アラグァイアカワイルカの群れがクリマタ群を襲う飛沫


アラグァイア河の支流クリスタリーノとかでピーコックバスやアロワナをルアーで狙っていると、必ずボットがボートのそばを回遊する。カワイルカくんは、その辺にいるサピーより知能指数が高いから最近のアングラーたちが格好つけてキャッチ&リリースするのを学習している。リリースされた魚は、もちろんフラフラしている。それを頂くのは楽勝だゼ、とけらけら笑う(?)。なかなか釣れないと、ボートそばにきてブワッと息を吸う。もちろん、「おまえら下手なんじゃあな~い?」、って言っている(笑)。



3種類の遺伝的な系統樹


アラグァイア河のイルカは、アマゾン本流のヤツよりピンクがいない群だなぁ、程度には思っていたけど、新種とは知らなかったよ。



アラグァイアカワイルカの頭骨


さてさてさて、まだ100キロを超える新種の哺乳類がアマゾンにいるだろうか? マピングアリかなぁ?


カワイルカなお話し・おわり


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カワイルカなお話し・7

やはりアマゾン・ジモピーがマジに語っていたのが、メンス中の女性をカヌーに乗せちゃいけないってお話し。すなわち血の匂いに敏感。ボット(アマゾンカワイルカ)が襲ってきてカヌーをひっくり返し、女を水中に引きずりこむと恐れられている。もし、どうしてもカヌーに乗る必要があった場合、魔除けとしてニンニクを持っていくらしい。おいおい、そりゃドラキュラじゃあねえのか(笑)。ロザリオの十字架がカワイルカに効くかは、定かでない(笑)。



カワイルカにも効果があるんですか? 吸血鬼さん


アマゾン住民の伝承の中では、おおむねピンクのボットが悪ダマ、灰色トゥクシー(コビトイルカ)が善ダマというキャラになっている。ボットは溺れているサピーを引きずりこむけど、トゥクシーは助けてくれるってようなお話しも随分とジモピーから聞いた。アマゾナス州都マナウス市内に、トゥクシー・マークのタクシーがたくさん走っている。溺れてる者も安全に運ぶ、ってイメージ・キャラなんだろうね。



マナウスのタクシー


アマゾン地方でも風光明媚で知られているのが、タパジョース河下流の砂浜だ。パラ州サンタレン市の近郊にアルテール・ド・ション(台地の祭壇)って町がある。ここの砂浜のキャッチは、アマゾンのカリブ海。



アルテール・ド・ションの美景


このアルテール・ド・ションで11月に、ファスタ・ド・サイレーってお祭りがある。もともとは、17世紀にイエズス会宣教師が始めた儀式だったんだけど、近年は観光事業にデフォルメしている。



フェスタのピンクイルカ・デコ


お祭りは、カーニバル・ショー形式の山車を飾り、ボット・コール・デ・ローザ(ピンクカワイルカ)組とボット・トゥクシー(コビトイルカ)組に分かれて踊りまくる。要するに客寄せイルカだ。



フェスタのコビトイルカ・デコ


つづく


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カワイルカなお話し・6

イニア・ジェフレンシス、すなわち本家アマゾンカワイルカのお話しをしよう。ご存知のようにイルカの知能は高い。学習能力がある。SF映画では実際のキャパ以上の超能力で活躍したり会話もする。こんなストーリーもできる(グランデ創作)。



アマゾンカワイルカに育てられた少女


アマゾン上空を飛行していた小型機がジャングルに墜落する。唯一の生存者は、かわいい赤ん坊だった。人里はなれた奥地、このままでは死は免れない。湿った巨樹の陰から恐ろしい黒ジャガー、ほの暗い沼地から巨大なアナコンダが赤ん坊を襲いにくる。そこに忽然と現れて救ったのは、イケメンの若い騎士、もちろん白い服に帽子を被っていた(笑)。いつしか赤ん坊は少女に成長し、探検隊に発見されたときは、美しい野生の娘に成長していた…… お話しが長くなるんで、途中をはしょって(笑)、ストーリーは都会で悪い悪い乾いたヤツらがたくさんたくさん現れるけど、彼女は不思議な水妖術を使って次々に倒してしまうことにしよう。そしてラスト・シーン、最強の邪悪ボスが登場するに決まっている。その死闘で戦いが苦しくなるたびに、神仙幻妖となって彼女を助けるのは、老いたアマゾンカワイルカの化身だった…… えっ? イルカが頭がいいってお話しになってない? 適当に書いたんだから、いいんだ(笑)。



ピンクの強い個体


さてさて(笑)、アマゾンカワイルカはしばしば、ピンクイルカ、アマゾンピンクイルカとも呼ばれる。いろいろな色彩があって灰色、茶がかった灰色、クリーム風肌色、桃色、その他ブチなど。オレの知見にないけど、色彩変異が個体の遺伝なのか、エサなのか、季節や発情によるのか?



セルフィンプレコを捕らえたアマゾンカワイルカ


アマゾンカワイルカ属、すなわちイニア属は、普通のイルカみたいに三角形に張りだして立っている背ビレがなくて、ゆるい稜になった瘤状になっている。食性はほとんど魚。群れで魚群を追いつめて水飛沫をあげる。


つづく


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カワイルカなお話し・5

さてアマゾンカワイルカ類だ。もっとも知られているのがイニア・ジェフレンシス、すなわちアマゾンカワイルカである。ダーウィン前、用不用説のラマルクのパリ自然史博物館の同僚であるジェフロア・サンチレールに献じられた学名。



ジェフロアさん


アマゾンカワイルカってのは、けっこう起源が古いんじゃないかと考えられているらしい。南アメリカ大陸にスーパーパンタナルと呼ばれる広大な湿地帯あがった時代(1千万年前~6百万前)に太平洋から淡水に進入したという説を聞くけど、傍証になる化石の存在に詳しくないんで、ここでは能書きを書かない(笑)。化石記録で知っているのは、ブラジルのロンドニア州のマデイラ層からのもの。時代は、更新世(こうしんせい)。すなわち氷河時代で古くはない。しかし、これも化石画像を見たことがない(笑)。



ボリヴィアカワイルカ


カワイルカ類は、ライスという学者の研究(1998年)が有名だ。それ以前のアマゾンカワイルカ属は、博物学時代から2種以上とされていた。アマゾン最大の支流マデイラ河のイニア・ボリヴィエンシスも種扱いだった。しかし、ライスはボリヴィアものをジェフレンシスの亜種として、イニア・ジェフレンシス・ボリヴィエンシスに格下げした。しかししかし、近年のDNA解析で2008年、再び種に格上げされたのだった(笑)。ボリヴィアカワイルカ♀は、アマゾンカワイルカより頭部が小さく、歯の数が多い。



チオトニオ瀑布の衛星写真


ボリヴィアカワイルカは、マデイラ河で有名だった大瀑布チオトニオより上流に生息している。有名だったと過去形にしたのは、下流のサント・アントニオ・ダムがほぼ完成し、昨年末をもって滝は消滅した。ここでまた脱線する(笑)けど、この大きな滝には、懐かしい思ひでがポロポロある。1981年のこと、サンパウロ大学のエラルド・ブリスキー博士が画期的な彩色のナマズを記載した。当時の学名は、メロドントドス・チグリヌス、いわゆるゼブラキャットである。そしてTFHって雑誌に、その採集地点だった大瀑布チオトニオのレポートが載った。記憶では写真にでていたサピーの一人は、マナウスの名門・熱帯魚輸出組シュワルツ一家の代頭アドルフだったと思う。



ゼブラキャット


TFHのカラー画像は、世界の怪魚マニアに衝撃的だった。極東で松坂組を張っていたM親分もゼブラ捕縛に賞金を掛けた。当時のオレは、アマゾンの用無し犬だったから、楊枝を口端に咥えて懐に腕を組み、ふらりとチオトニオに現れた(笑)。ヤクザな世界で凄腕を知られていたオレは、死闘の末に賞金首をとったんだけど、捕縛ダメージで極東に送った2尾は涙の着死。実は損しただけだった(笑)。時は流れ、学名もブラキプラティストマ・チグリナムに変更され、ペルー・アマゾンから稚魚も採れるようになった。風雪は夢のごとし。


つづく


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カワイルカなお話し・4

カワイルカ上科4科4属の最後が、アマゾンカワイルカ科のアマゾンカワイルカ属(Inia spp.)なんであるけど、その能書きをちょっと飛ばして、アマゾン流域に生息する別系統イルカ、すなわちコビトイルカ(Sotalia spp.)のお話しをする。小人って語は、一般に放送や出版の禁句だ。よい子が読むのは、「白雪姫と7人の小柄なおじいさん」が正しい(笑)。



小柄ジジイたち人形


生物世界でもチビとかイザリ、メクラってのがついている和名を改ざんすることも目立ってきた。しかし、コビトイルカはまだ近世の禁句狩りをくらっていないようで、ウィキでもそうなっている。



チビメクラゴミムシの一種


現在の日本語ウィキでは、「コビトイルカ属はコビトイルカ1種のみで構成される・・・」、と明記されているんだけど、これってもう古典じゃあないの? ウィキの英語、 Sotalia をみてごらん。2種類になってるぜ(笑)。ブラジル・アマゾンでの呼び名は、TUCUXI(トゥクシーと読む)なんだけど、2007年から、Sotalia fluviatilis(コビトイルカ) と Sotalia guianensis(ギアナコビトイルカ) の2種が混じっていることが判明してるんである。しかし、オレにもまだその区別が判らない(笑)。



ギアナコビトイルカ


コビトイルカ属は、アマゾンカワイルカよりずっとイルカ的(?)な形態(特に背ビレ)を持っている。


つづく


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カワイルカなお話し・3

ブラジルの北部地方、すなわちアマゾン地方、そして上流部ペルーなど、アマゾン流域で広範囲に伝わるイルカ水妖伝説がある。お話しヴァリエーションが少なくて、おおむねこんな感じだ。


レンダ・ド・ボット(アマゾンカワイルカ伝説)


フェスタ・ジュニーナ(6月祭り)のころになると、河に住んでいたボット(カワイルカ)は、エレガントなイケメンに変身するのです。白い洋服を着て必ず帽子を被っています。化けた水妖は、祭りの会場にやってきて美少女をダンスに誘います。言葉巧みにコマして水辺へと誘惑します。そして孕ませてしまうのです……



スケベなボット・イメージ


注釈を加えよう。フェスタ・ジュニーナ(Festa Junina)とは、聖ジョアン・バチスタの日(624日)を中心に、聖アントニオの日(613日)と聖ペドロの日(629日)もフュージョンしたブラジル田舎の祭り期間である。♂ガキどもは破れた麦わら帽子に野良着を着せられ、夜には焚き火、ダンス会を行う。まあ子供をダシにしたお祭りだけど、オトナになりかけたアブない女の子が浮かれて子供を孕んでしまうこともある。水妖伝説は、ムスコに覚えのあるヤロウが、「これは、ボットの仕業だ!」、と逃げるために創作されたという説(グランデ説)もある(笑)。



ペルー・アマゾンのイキトス近郊キーストコッチャにあった壁絵は帽子を被ってない金髪(笑)


なんで帽子を被っているかって? それは頭頂に呼吸穴があるからだ。近寄ってくんくん嗅いでみると、少しだけ生臭いらしい。カワイルカ物語りのベースは、インディオ伝承にあるに違いない。美女妖怪が若い男を水に引き込み消してしまうイアラ伝説ってのとも融合して、イアラの正体はアマゾンカワイルカ♀だというお話しも多い。驚くほど多くのアマゾンの水辺の住民たちは、これら伝承を真実であると信じている。宗教観の薄い極東サピーには信じられないかも知れないけど、カトリックみたいに絶対神を崇拝するってことは、裏を返せば悪魔の存在を肯定すること(グランデ説)でもあるからだ。



水妖怪イアラちゃんのイメージ


有名な開高健さんの「オーパ!」に出てくるカワイルカを食うとインポになる説(開高さんも後に訂正している)は、月間プレイボーイで読んだときからガセであることを知っていた。アマゾン地方にそんなことを語る輩は皆無だからである。おそらくアマゾンに行ったこともない、カワイルカを見たこともないサンパウロ辺りの田舎日系人が、日本からの来客でもビビらせるため考えた出来の悪い捏造だろう(笑)。


つづく


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カワイルカなお話し・2

「イルカは、水中のカバである!」、と明言したら、カバ族系サピー(がっはがっはと笑うオジさんなどを含む)だったら、やっぱりオレって優雅なんだと鼻の穴を広げて喜ぶか、イルカ族系サピー(くねくね歩くオバさんなどを含む)だったら、逆さにしったってカバじゃないわよと怒るか、よく意味が分からないけど(笑)。


最新の分類に、偶蹄目(ウシ目)とクジラ目からなる鯨偶蹄目(くじらぐうていもく)ってのがある。DNAなんかを駆使した新しい体系だ。それによると、クジラに最も近縁な陸上哺乳類は、カバとされる。



イルカとカバは近縁である


現在知られている最も古いクジラ類は、数千万年前のパキケトゥスってヤツで、ちゃんとした四肢と蹄を持って歩いていた(笑)。しかし、頭骨部品のいろいろな特徴が原始クジラだった。



パキケトゥス類の化石頭骨


その後パキケトゥス類は、次第に水中生活に適応していった。墓場の鬼太郎に出演していた最初の水中完全体であるゼウグロノドン(現在は、爬虫類と勘違いしてつけられた学名バシロサウルスが有効になってる)なんかが現れ、その後に現生クジラの直系ご先祖さまが現れたらしい。



バシロサウルス化石骨格


さて、クジラ類の中に4科4属から成るカワイルカ上科ってのがある。おおむねが淡水産だ。



ガンジスカワイルカの頭骨


カワイルカ科はカワイルカ属 (Platanista spp.) のみである。ここにインドカワイルカ、ガンジスカワイルカ、インダスカワイルカの3種がいる。



ヨウスコウカワイルカの頭骨


次のヨウスコウカワイルカ科にヨウスコウカワイルカ属のヨウスコウカワイルカ(Lipotes vexillifer)がいる。もちろん長江に生息している。



ラプラタカワイルカの頭骨


さて南米に飛ぶ。ラプラタカワイルカ科のラプラタカワイルカ属のラプラタカワイルカ(Pontoporia blainvillei)は、汽水から海水に適応したカワイルカで、ラプラタ河口からブラジル沿岸に生息している。地質時代には、太平洋側にもいたらしく、Pontoporia 属の化石がチリで発掘されている。



チリ大学のコンスタンサちゃんが持ってるのが、カワイルカ化石


つづく


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カワイルカなお話し・1



偉大なるアマゾン熱帯雨林


2014年2月15日、こんな記事をオレはブログに書いた


『長いこと、ウマ目バク科の獣は、1属4種(マレーバク、ベアードバク、ヤマバク、アメリカバク)だと考えられてきた。100キロを超えるような大型の哺乳類にもう新種はいないぜ、と動物学会で常識的に考えられていた。しかし、ここでまた地球生物の多様性60%を保有すると言われる偉大なアマゾンの懐の大きさを見せる大事件(?)が起きちゃったのである(笑)。ごくごくつい最近、2013年12月のこと。ブラジルのミナス・ジェライス連邦大学の生物研究所のマリオ・コズオル教授らが「アマゾン産の新種バク」という論文を発表したのだ。新種は、タピルス・カボマニィと命名された。こ、これはぁ…… 過去100年まったく新種がなかった奇蹄類だぜ。バク類に限れば、最後の記載は150年前のヤマバク。ま~ったくスゴいことだ! 偉そうな顔してる学者さんって、実はたいしたことないなぁ(笑)、って批判もできる・・・』



カボマニィバクの頭骨


しかし、しかぁ~し、その論文の印刷インクがまだ乾かない(?)翌月の2014年1月、またまた100キロを超えるようなアマゾンの大型哺乳類の新種が記載されてしまったのであ~る。それは、学名Inia araguaiaensis 、現在ウィキでは標準和名不明になっているけど、どアホめ! アラグァイアカワイルカに決まっているだろう(笑)。


それでは、今日から何編かカワイルカのお話しなどしながら、その新種を紹介することにする。



カワイルカの一種(ラプラタカワイルカ)


クジラとイルカには分類的な区別点がないんだけど、古くから世界中のサピー族に別扱いされてきた。英語ではホエール&ドルフィン、ポルトガル語ではバレイア&ゴルフィーニョ。余談だけど、英語のドルフィンってのが紛らわしい。イルカも指すけど魚類のシイラも意味する。だもんで古い訳本でシイラの記述をしばしば海豚と誤訳した。ウォーレスの「アマゾン河探検記」翻訳でも間違っていた。子供がクジラをお魚さん、と思うことを笑う物知り顔オトナが多いけど、分類体系の大御所、哺乳類(マンマリア)って言葉を作った大学者リンネだってすら、そう思ってたんだぜ(笑)。お魚ちゃん、絶滅した爬虫類のイクチオサウルス、モササウルス、哺乳類のクジラやイルカ、マーメイド、アマゾン半魚人などは、水中遊泳生活に合理的に進化してきた。



人魚ちゃん


また余談だけど(笑)、マーメイドのモデルは、海牛類のジュゴンである説は有名だね。しかし、後だしジャンケンのコジツケだという説もある。ジュゴン説から派生して、アマゾンの人魚と言えば、マナティだね。日本の八百比丘尼(はっぴゃくびくに)物語りでは、人魚の肉を食べると不老不死になることになっている。オレは、実はむかし昔、ご禁制だったマナティの肉をカツレツにして食ったことがある(もう時効だ!)。


つづく


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博物画のお話し(付ピーコックバスの研究)・15

これで以下の5種(6枚)のピーコ博物画が描けた。


Cichla temensis

Cichla orinocensis

Cichla nigromaculata

Cichla melaniae

Cichla mirianae

Cichla piquiti



現在までにモデルとなったピーコ嬢たち


今回の3種の博物画もTシャツ・デザインを考えてみた。題して、「Tucunarés do Rio Negro」、もちろんネグロ河のピーコックバスたち。



ネグロ河のピーコックバス・デザイン


Tシャツにすると、こんな感じ。



Tシャツ・イメージ


現在、博物画はピーコックバスをちょっと休止しようかな? 、と思っている。なぜかと言うと、野生個体群が風前の灯火に近くなってきたインペリアルゼブラプレコなどを描きたくなってきたこと。それに、カショーロやタライロンもやってみようかな? 、って気分になっていること。これらができたら、また報告いたしやしょう。


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