南米・鳥獣虫魚・探遊 -57ページ目

剣歯魚の研究(study of sabretooth fish)・8

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剣歯魚の研究(study of sabretooth fish)・6

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剣歯魚の研究(study of sabretooth fish)・5

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剣歯魚の研究(study of sabretooth fish)・4

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剣歯魚の研究(study of sabretooth fish)・3

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剣歯魚の研究(study of sabretooth fish)・2

サーベル・トゥースの魚類


Sabertooth fish と呼ばれる魚にエソなんかを含む海水魚のヒメ類のエヴェルマネラ科のミナミヤリエソ類がいる。熱帯海に生息する魚族なんだけど、三重県近海でも採集されたことが1990年の魚類学雑誌で報告されている。



ミナミヤリエソの仲間


新生代第三紀中新世から鮮新世にかけて(1300万年~400万年前ころ)には、キングサーモンやアムール・タイメンなんか目じゃなかったSabertooth Salmon って巨大サーモン、オンコリンクス・ラストロサスが北半球に生息していた。全長は、約3メートル。フライ・フィッシングじゃ、ちと手ごわそうだ(笑)。



ラストロサス・サーモンの頭部化石と復元図


このサーモンの歯は、剣歯というほど長くないんだけど、サーベルって格好いい語呂を学者さんたちは使いたかったんだろう(笑)。


オレがクイアバのアジトから熱帯魚を輸出していた時代、クイアバ河本流の深いとこから採集したバンジョーキャットがいる。日本初登場になった本個体は、熱帯魚界の魔人Mが、サーベルバンジョーと名づけた。キバがあるんだよ、と言ってたけど、オレは確認していない(笑)。



サーベルバンジョーキャットの一種


オレが観たなかなかのキバ魚は、淡水イワシである(笑)。自分と同じ位のサイズのルアーに引っかかってくるから、けっこうなプレデーターなのかも知れないけど、15cmくらいと小さい。



シングー河の淡水イワシの顔(アルタミラ付近)


さてさて、ここまではアマゾンの有名なキバ魚群、キノドン科(Cynodontidae)魚族を登場させるための単なる複線である(笑)。キノドンには、たいへん紛らわしい連中がいる。まずキノドント類(Cynodont あるいはキノドン亜目)、このCynodontiaは、この研究の冒頭ページで載せたゴルゴノプスを含む獣弓目(広義には哺乳類も含む)の分類群の一つで四肢(よつあし)動物。意味はギリシャ語の、「犬(cyn)の歯(odont)」。そして、さらに困ったことに植物もある。Dog's Tooth Grassと呼ばれるキノドン(Cynodon)という芝のようなヤツ。これも「犬の歯」の意味を持っている。



植物のキノドン


カラシン目、キノドン科魚族の命名代表属は、あたりまえ(笑)にキノドン(Cynodon)。恐ろしい(?)ことに上記植物とまったく同じ属名だ。これも、もちろん「犬の歯」を意味する。


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剣歯魚の研究(study of sabretooth fish)・1

ひさしぶりに緋色の脳細胞神経の研究シリーズをやる。魚族についていろいろやってるもんで、「ぺっし・カショーロの研究」も、もうどっかでやっちゃたかなぁ?、と思っていたけど、おそらく(?)まるで思いだせない(笑)。最近、ちょっとキバ魚たちの新知見を得たので、まあやっちゃおう。



剣歯虎のイメージ


日本語の剣歯という語は、saber-tooth の直訳だ。多くのサピーでご存知なのは、氷河時代の新大陸に生息した剣歯虎(Saber-toothed cat)ってトップ・プレデーター哺乳類だね。サーベル・タイガーとも言う。属名のスミロドン(Smilodon)は、ブラジルのミナス・ジェライス州ラゴア・サンタに住んでいたデンマーク人のペーテル・ルンドが自ら洞窟で発掘した化石を基に1841年に提唱した。彼の記載種は、ポプラトールである。



スミロドン・ポプラトールの原図イラスト


大きくて尖った歯は、獲物を捕獲し切り裂く凶器として進化したに違いない。哺乳類系ではいろいろな肉食ものがいろいろな時代にそれを発達させた。古くは、古生代ペルム紀後期(2億数千万年前)の獣弓類ゴルゴノプス類だ。



ゴルゴノプス類の頭骨


コアラやカンガルーの仲間である有袋類にも牙屋がいた。南米の新生代後期(700万年~300万年前ころ)から化石が発見されるチラコスミルス(ボルヒエナ)類である。



チラコスミルス類の頭骨


野獣類に含まれる肉歯類(絶滅群)にもセイバー・トゥースがいた。例えば新生代始新世(ししんせい=5500万年~3800万年前ころ)のマチャエロイデスなんかだ。



肉歯類の一種の頭骨


スミロドン(ネコ科)が含まれる食肉目(ネコ目)のニムラウス科、始新世~漸新世(ぜんしんせい)のホプロフォネウスも格好がいい。



ホプロフォネウス類の頭骨


ちょっと時代を経た新生代第三紀中新世には、やはり食肉目のボルボウロフェリス科(800万年前ころ生息)のボルボウロフェリスなんかがいた。



ボルボウロフェリス類の頭骨


剣歯本家すじのスミロドンに近縁には、いろいろな剣歯ネコがいた。例えば、メガンテリオン。



メガンテリオン類の頭骨


これら先史時代の四肢クリエーチャーのサーベル部を見ると、皆さん剣の鞘には気を使ってますね、ってことに気がつく。むきみにして自分を傷つけない、大事な武器を傷つけないためだね。


つづく


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新作フィッシュ・スカル発表会(附・魚族の研究)・6



ピラーニャ・カマリ


2014年初頭の新作の最後は、ピラーニャ・カマリ(現地名)である。シングー河の源流に近いところから最後の大激流(ベロ・モンチ上手)まで生息している。おそらく、潮汐がきく最下流部にはいない。



シングー河源流部スイア・ミスー川のカマリ


このピラニアの色彩は美しい。大型になると頬部(眼窩下の板骨の上)が鮮明なオレンジ~鮮血色に染まる。日本フライ・フィッシング界の魁、東急ハンズなんかを企画したライフスタイル・プロデューサー、浜野あんこうさんは、このピラニアをシングー河で赤鬼(笑)と呼んだけど、得てして妙、よく的を射ている。



シングー河のイリリ合流付近で釣ったカマリ


このピラニアは、未成魚時期には背ビレ端と尻ビレ端が伸長して、なかなか優雅だ。



カマリの未成魚(アルタミラ付近)


吻部にも特徴がある。眼窩前で背部のカーブがすとんと落ちた形、すなわち壁か何かに鼻をブツけたような形状(矢印部分)をしている。



カマリとブラック系の吻部比較


さて、本種の学名だけど、欧米では一般にセラサルムス・マニュエリとされている。これが合っているのかは、オレには分からない。かなり昔むかし、日本のアクアマガジンでオレが始めて紹介したとき、学名が判らないので苦し紛れにスーパーノタートゥスって通称を造語したけど、編集が勝手にセラサルムス・ヒュメラリスってのを記してしまった(笑)。そのために混乱したピラニア・マニアが多かったと聞く。シングー河のピラニア・カマリは、飼育マニアに好まれているようだ。色彩もいいけど、ピラニアの中でもかなり大型に成長できるからだろう。オレが釣った最大個体は約3キロ、全長50センチ近くあった。



スカルになったカマリ検体


今年に組み立てたカマリ・ピラニアは、全長42センチ、重さは2キロ強あった。頭骨の全長(吻端~鰓ブタ後端)は、約14cm。高さは、約15cm。多くのピラニアに共通するんだけど、下顎の歯は片側7本、前上顎の歯は片側6本である。



カマリの上下顎部


下顎歯は前から順に小さくなっていく感じだけど、前上顎歯は前から2番目が一番大きく3番目が小さい。ピラニアを含むセラサルムス科の魚は、頭骨後部の上後頭稜(supraoccipital crest)が三角形の帆のように長く伸びていて、たいへん格好がいい。



ピラニア・カマリの上後頭稜


今まで南米悪役魚のスカル製品には悩みがあった。ピラニアは大型になればなるほど、年増の脂っぽさがたいへん増すのだ。この油脂は濃い旨みがあって、スープにすると♂サピー・アソコがずんずんのんのん巨大化して硬直する成分が含まれていると(笑)、多くの地域ジモピーに信じられているけど、乾燥アートの場合には難敵である。昨年までの手法では、完成後1年すると、酸化脂肪でやや黄ばんできた。限りなくホワイトで美しい永久保存アートを目指すオレには気に入らなかった。このシリーズ冒頭で記した東野氏伝授の脂抜き秘法で、これをかなり解決できたのがウレシイ。薬品代が高くなったけどね(汗)。それでは、2014年新作を発表します。



新作のカマリ・スカル


このスカルは大きいから、やっぱ格好いい。大きなピラニアの頭骨組み立ては、やってて楽しい。いずれ将来、60センチ級ピラヤなんか、やってみたいなぁ。


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新作フィッシュ・スカル発表会(附・魚族の研究)・5



ヒドリックス・
タタウアイア


お次の2014新作は、ヒドリックス・タタウアイアである。ブラジル南部から海岸線、アマゾン地方まで居住していた先住民系統に、トゥッピ・ガラニ言語族がいる。彼らの神話の中にボイタタと呼ばれる怪獣が現れる。密林で悪さをするサピーを燃やしてしまう巨大なヘビだ。有名な大蛇ボアの語源が、トゥッピ・ガラニ語のウンボイだけど、それに火を意味するタタをつけて造語されたファイアー・ビーストである。



ボイタタのイメージ


トゥッピ・ガラニ言語でウアイというと、尾っぽのことである。タタウアイアは、「火のように赤い尾」を意味して、サンパウロ大学教授のモニカおばさんに造語された種小名である。インディオ語文法だったらウアイタタのような気がするけど(笑)、まあどうでもいい。実際の魚の尾ビレは、炎の赤というよりも、オレンジっぽい黄色だ。ブラジル・サピーは、大袈裟が好きなんだ。熱帯魚界でもレッドテール・カショーロという。



ヒドリックス・
タタウアイア


アジトのフリーザーは一時期、冷凍魚頭が多くのスペースを占拠していたことがある。意外にがさばって食料スペースを圧迫していた。対処法として最近は、肉をざっと除去してからビニール袋に入れて冷凍という処置にしている。スカル作成初期時代は、各骨の位置関係をよく知らなかったけど、今はそれが緋色の脳細胞神経メモリーにバックアップできてるから、バラバラ死体でもかまわない。昨年9月にシングー河のエスペーリョの激流付近で釣ったレッドテール・カショーロもそうして眠っていた。



素材となった
タタウアイア検体


頭の骨の構造は、基本的に大型のシングー・ペッシ・カショーロと大きな差異はない。組み立てて気がついたのは、①前頭骨(frontal)が僅かに湾曲してるかなぁ。②頭骨後部の上後頭稜(supraoccipital crest)がやや上を向いているかなぁ、③下顎のキバが根元の付近で少し湾曲してるかなぁ、という3点である。



ヒドリックス・
タタウアイアのスカル側面観


本種は巨大な個体を観たことがない。おそらく全長ロクマルくらいが限度じゃあないかな? それでは、2014年新作を発表します。



2014年新作のレッドテール・カショーロ・スカル(約85mm)


ヒドロリックス・ウォレセイって種も、2011年にネグロ河で釣ったことがある。今思えば、そいつの頭も保管しておきゃ良かったのになぁ、と感じている。


つづく


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