南米・鳥獣虫魚・探遊 -58ページ目

新作フィッシュ・スカル発表会(附・魚族の研究)・4



パクー・デ・セリンガ


お次の2014新作は、パクー・デ・セリンガとシングー河で呼ばれているセラサルムス科の魚である。セリンガ(seringa)というのは、ポルトガル語の浣腸のこと。ブラジル・ポルトガル隠語でクーは、ケツの穴。しかし、「肛門に浣腸!」という意味ではな~い(笑)。浣腸あるいは注射器を意味するセリンガの語源は、大航海時代に新大陸からポルトガルに伝わったゴム樹のラテックスからきている。トウダイグサ科パラゴムノキは、セリンゲイロ(セリンガの樹)と呼ばれ、その果実をセリンガと呼ぶ。



セリンガ(パラゴムノキ果実)


アマゾン地方が雨期になって増水期を迎えると、ヴァルゼア(浸水林)を好むセリンゲイロの実が熟れる。実は薄い殻に包まれて、中に白っぽい硬めの蝋みたいな油脂が詰まっている。シングー河畔では実が熟れているパラゴムノキが岸辺にあるのは、眼をつぶってたって判る。ベニコンゴウインコやルリコンゴウインコがギャーギャー騒ぎながらセリンガを食っているからだ。大きさも色もウズラの卵みたいな果実は、鞘がパチンと弾けてパラパラと岸辺の水面に落ちる。するとどうだろう。水面に魚のライズが沸きでる。樹上ではアララ(コンゴウインコ類)、水中ではパクー・デ・セリンガの饗宴が始まった。



シングー河のパクー・デ・セリンガ


もともとセラサルムス族は、恐竜時代末期に果実食いから頭角を現した。いろいろな種類がいろいろな種子を食いながら進化した。ファミリー内で歯が鋭くなる方向に転向してった連中がピラニア族を興したと考えられている。パクー・デ・セリンガの学名は一応、プロソミレウス・ロンボイダリス(Prosomyleus rhomboidalis)ということになってるけど、正しいのかどうか判らない。



パクー・デ・セリンガの歯並び


パクー系の歯形と並びは、好んで食う果実に合わせて進化していると考えられるね。パクー・デ・セリンガは、下顎では大きな臼歯みたいなのが一列に並び、前上顎では左右で輪をつくるような形で歯が並んでいる。おそらく上顎歯の輪の窪みにセリンガを固定し、下顎歯でガリガリやるのだろう。上下顎ともスゴく骨が厚くて頑丈である。



素材になった検体


新作のスカル素材は、昨年10月にシングー河イリリ方面で得た個体。ずっと冷凍庫に入っていた。他のミレウス系でも観察できるけど、パクー・デ・セリンガの眼窩下の一連の板状の骨(infraorbital series)は顔の大きさに比べてかなり小さめ。下顎を何度も何度も大きく動かす必要があるので、邪魔にならないようになっているのかも知れない。



パクー・デ・セリンガの眼窩下の骨


それでは、2014年新作を発表します。



頑丈造りのパクー・デ・セリンガ・スカル(約10cm)


つづく


君もアマゾン・フィッシングに行こう!

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-177.html

アマゾン猛魚・頭骨博物館

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-81.html

シングー・クラフト

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-category-11.html

新作フィッシュ・スカル発表会(附・魚族の研究)・3

前記した論文のタライロン分布地図に載っていない、いくつかの別産地があるのは知っているけど(笑)、それは今は置いといて。外観からホプリアス・アイマラと他の同属の種を区別する特徴として、鰓蓋のビラビラ膜(opercular membrane)に黒い斑があること。これは、オレがサンパウロ大学博物館でオヤカワ博士から聞いて、日本の熱帯魚雑誌で報告したから、怪魚マニアには良く知られているね。



アイマラ種の黒斑はここ


骨相的にも見てみよう。上記論文にこんな写真が載っている。A.がホプリアス・アイマラ、B.がホプリアス・マラバリクス(普通のホーリー)だ。



2種の下顎形状の違い


オレの頭骨アートでも比較してみよう。やはり、A.がホプリアス・アイマラ、B.がホプリアス・マラバリクス。前者は、シングー河のエスペーリョ急流(イリリ合流の下流)産。後者は、シングー河最下流のヴィットリア・ド・シングー産。両方とも頭長は数センチ。



2種の下顎骨相の違い


下顎の湾曲以外にも、前者は後者に比較して頭幅がある。すなわちアイマラのスカルは幅広く、マラバリクスのほうは細長い。上から見ると、こんな感じだ。



2種の頭骨相の違い


論文には、眼窩下の一連の板状の骨(infraorbital series)のイラストも載っている。



アイマラの眼窩下骨イラスト


この部分を頭骨アートで見るとこんな感じになる。ここの眼窩下6つの骨から涙骨(るいこつ)にかけては、もろい部分。破損が多いんで、処理や組み立てに神経をつかうところだ。部品が紛失している場合も少なくない。



タライロン頭骨の側面


タライロンで面白いのは、イラストの一番上(ナンバー6)の板骨と前頭骨(頭てっぺんの骨)の接する角度が90度近くとなっていること。前から見ると、かなり角型だ。古代魚アミアもそんな感じで、タライロン・イメージが原始的に感ずる要因の一つかも知れない。



タライロン頭骨の前面観(四角っぽい)


前頭骨(frontal)は大きくて平たい。数多くのビッグ・タライロンをやっつけている大物ハンター、ボンバダ・テルちゃんは、ここが平らな個体とやや湾曲した個体が識別できます、って言っていた。♂♀差異なのかも知れないけど、今は判らない。



タライロン頭骨の上面観(頂上が平らだ)


2014年初頭に作ったタライロン・スカルは、長さ16センチほどと大きくはない。ウェイト、3キロ超くらいだろう。それでは、2014年新作を発表します。



新作のタライロン・スカル


大きめタライロン・スカルは、原始的なイメージがよく湧きだしてエキゾチック。できれば今年中に10キロ超級をやりたいね。


つづく


君もアマゾン・フィッシングに行こう!

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-177.html

アマゾン猛魚・頭骨博物館

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-81.html

シングー・クラフト

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-category-11.html

新作フィッシュ・スカル発表会(附・魚族の研究)・2



タライロン


さてタライロン・スカル新作の開始に当たって、2006年の論文、「Taxonomic Study of Hoplias Aimara (Valenciennes, 1846) and Hoplias macrophthalmus (Pellegrin, 1907)(Ostariophysi, Characiformes, Erythrinidae)」、を開いてみた。サン・カルロス連邦大学のジョージさん、サンパウロ大学のモニカおばさん&オヤカワおじさん、三賢者(博士さま)の共著である。お題のごとく、ホプリアス・アイマラ&ホプリアス・マクロフタルムス(タライロン)の分類研究だ。論文の重要な結論は、「マクロフタルムスは、アイマラのシノニム(別名同種)であ~る!」なんだけど、記述内にいくつかの興味点を再確認した。まずタライロンの生息分布について、「ギアナ・シールド(楯状地)とブラジル・シールドという分布様式は、しばしば他の魚種についても見られる事象である・・・」、というところ。たしかに、例えばペッシ・カショーロの大型種ヒドロリックス・アルマータスとタライロンの分布なんかはたいへん似ている。サンパウロ大学文献から両魚の分布マップを引用する。



ヒドロリックス・アルマータスのサンプル採集地点



タライロンののサンプル採集地点


その分布範囲が意味するところは、地質時代の地形と水路に関連があるのだろう。下の図は、学者さんに考えられている古代マップである。



新生代末期の南アメリカマップ


の時代には、現在のペルー東部~ブラジル北西部~ベネズエラ南部にかけて、ペーバス湖と呼ばれる大きな湖沼があった。メガ・ファウナの時代で湖沼堆積物から巨大なワニのプルースサウルス化石も発掘されている。魚類は、パレオホプリアスというタライロンのご先祖さまみたいなのもいた。



パレオホプリアス化石


オレは、ペルー・アマゾンのタミシャクというところで、同時代の化石採集をしたことがある。ホントウのことを言うと、そこでコハク(琥珀)を掘り当てて一攫千金という下心があった(笑)。お宝は掘れなかったけど、ワニの硬板はめっけた。



オレがみつけたワニ化石


現在のコロンビアに河口をもつマグダレーナ川流域からは、ペッシ・カショーロ系の化石が発見されている。ペーバス湖にいたご先祖さまたちは、水路の変化に伴ってギアナ高地とブラジル高原方面に移籍したのかも知れない。ヒドロリックス・アルマータスとタライロンの分布が似通っている要因は、おそらく高地斜面の急流という環境にキモがありそうだ。両種共に流れが急峻である場所に適応して進化したのではないだろうか?



楯状地斜面の激流


つづく


君もアマゾン・フィッシングに行こう!

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-177.html

アマゾン猛魚・頭骨博物館

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-81.html

シングー・クラフト

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-category-11.html

新作フィッシュ・スカル発表会(附・魚族の研究)・1

昨年(2013年)の11月、早川書房から裸体・写真集が出版された。しかし、キミの期待には残念ながら答えられない。それはリアル・ヘアヌード(笑)ではない。もっともっと身につけてるもんを究極にまで剥がした画像。お題は、『REAL BONES 骨格と機能美』。ハヤカワ宣伝文句は、「各動物群の骨格標本129種218点および詳細な解説を収録。アートとサイエンスが融合した革新的写真集」であ~る。



早川書房、
REAL BONES 骨格と機能美


数ある美しい骨格写真群の一角に、なんとシングー河産のヒドロリックス、すなわちペッシ・カショーロ頭骨の画像が載っている。標本製作者は、何を隠そう(笑)、アマゾン在の博物アーチスト、すなわちこのオレであ~る。



カショーロ・スカルのページ


ブツは、著者の一人である東野氏からの依頼で日本に送ったフィッシュ・スカル・アートだ。無事に到着したという氏の連絡メールで、「すばらしい標本・・・」という賛辞を賜った。ありがとうございます。頭骨エキスパート先生に褒めてもらってウレシイ。メールやりとりで、オレは骨内部の油脂分の抜き方について相談した。親切な氏は、標本作製のプロ技術者から貴重なコメントをもらってくれた。よぉ~し、2014年からの新作から、応用しよう。


2014年度版フィッシュ・アート・カタログのページ

http://xingu.web.fc2.com/artcata2014.pdf


今年に入って製作したフィッシュ・スカルはいろいろあるんだけど、その中でからいくつかを紹介しよう。まずは、タライロン。実を言うと、上記の写真集にタライロン頭骨を載せるというお話しもあったんだけど、そのときオレの在庫がなかった(汗)。カショーロの頭骨は、もちろん大キバがたいへん格好いい。しかし、タライロンには別の美がある。それは、幻想的とも形容できるプリミティヴなフォルムである。古代魚と言われるシーラカンスに通じる神秘さがある。



シングー河で釣ったタライロン


つづく


君もアマゾン・フィッシングに行こう!

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-177.html

アマゾン猛魚・頭骨博物館

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-81.html

シングー・クラフト

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-category-11.html

イトミアの舞う村

2月始めの某日、チャーター・ボート屋のオーナーのアントニオと雑談でもしようかと、シングー河畔にあるポルト・セイス波止場をふらりと散歩した。水が増えてるなぁ。濁りも強くなっている。アントニオが言った、これからカララオに行くボートがあるけど乗るかい? カララオってったら、イリリ川の右岸にあるインディオ村だ。行ちゃおうかな。アジトに戻ってハンモックと蚊帳、他に少々の荷物をザックに詰めて再び港に行った。もちろんフィッシング・タックルもね(笑)。



カララオ村


カララオは、ジェ言語幹を喋る北部カイアポー系の先住民族である。カイアポーは、ブラジル・インディオでも有名集団。長老ラオーニは世界的に有名だ。裕福な村もあってインターネットでフェースブック(オレはやってない)、そしてスマホ(オレは持ってない)も使っているらしい(笑)。



大増水のシングー河


90馬力で荷物ほとんどなし、パイロットと二人だけなんで足が速い。3時間ほどの遡上でイリリ川に入る。迂回水路で右岸をまいて、有名な大瀑布の上手を進む。イリリに入ってから水の色が少し澄んだ。パイロットはオレがフィッシング・チームを組んでいることを知っている。ちょっとペスカ(釣り)やるかい? 



増水時期でもピーコが釣れる


岩の小島にボートをつける。そしてパイロットは居眠りを始めた。おいおい、ボートを停めたのは実は眠かっただけじゃあないのぉ(笑)。下手に流れの落ち口があって深くなっている。上手からの投げたミノーが手前の岩に乗りあげる直前、ひったくるアタリ。ヨンマルくらいの元気なピーコだ。パイロットをたたき起こして(笑)、写真を撮ってもらう。もう1尾ゲットして2尾を夕食用にキープして終了。夕方前にカララオ村に着いた。



使っているのは石器ではない


岸辺では、いかにもインディオって感じ(アタリマエだ)のオバちゃんが魚をおろしていた。イリリのカララオ村には電話もなかった。もちろんフェースブックもやってないしスマホも使っていないからのどかである。ここはベロ・モンチ・ダムによる冠水の影響はない。でも工事をやってるエレットロ・ノルチからいろいろな支援(いわゆる懐柔オペレーションの一環)はあるようで、新築家屋用の板材なんかが積んであった。オレより流暢なポルトガル語で、ここにジャポネスが来たのは初めてだゼ、と若者が笑った(笑)。



村で飼ってたコンゴウインコ


村の看護士をやってるオバさん家の台所にハンモックを吊らせてもらった。夜になって外にキジ撃ち(小用)に出たら潅木に天の川が輝いていた。無数のホタルである。



村の長老さんと記念撮影


翌朝の朝、岸辺を散策するとシソ類みたいな雑草に小さな花が咲いていて、いろいろな種類のイトミア類が吸蜜にたくさん集まっていた。



イトミア類(スカシトンボマダラ系)の一種


イトミアってのは、Ithomia って綴るんだけど、トンボマダラってグループの蝶のこと。メキシコ~中米~南米で大発展しているタテハチョウ科の一族。細長い腹で頭も小さく、細長い触角の先端は棍棒状なっていない。そして、透明な翅をもつものが多いのが特徴だ。



イトミア類(マルバネトラフトンボマダラ系)の一種


イトミア類は体内にピロリジジン系のアルカロイドをもっていることで知られている。プレデーターが食べると不味い毒となって捕食を避けるとされる。



イトミア類(トラフトンボマダラ系)の一種


ピロリジジンは、フェロモンとしても利用しているらしい。♂後翅前縁にヘアペンシルがあって、そこから誘引成分を放出する。



イトミア類(クロフチトンボマダラ系)の一種(手前個体)


透明な翅をもつ理由は、天敵である鳥などから見えにくくすることとされている。



イトミア類(トンボマダラ系)の一種


オレは実はイトミア類のことに詳しくはない。だから名前が間違ってたら、ゴメンナサイ。



小型のイトミア類の一種


午前中、イトミアの舞うカララオ村に別れをつげた。


君もアマゾン・フィッシングに行こう!

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-177.html

アマゾン猛魚・頭骨博物館

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-81.html

シングー・クラフト

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-category-11.html

アジトクッキング・タライロン料理・3

さて仕上げだ。練りものには、いろいろあるよね。つくね、はんぺん、さつま揚げ系、そしてカマボコ類だ。タライロンもヴァリエーションをかけよう。まずは、つくね風。丸めて熱湯で茹でる。



つくね作業


次にさつま揚げ。手で形を整えてボールにしてフリッタする。ニンジンとかシイタケ刻んで混ぜて小判状にしてもいいんだけど面倒くさい。



さつま揚げ作業


次に焼きカマボコ系。木の棒に円柱状に張りつけて、電熱器で焼く。ちくわですな。



ちくわ焼き作業


試食してみると、小骨がわずかに感じられる。これは判っていたことでもある。ペーストを裏ごしにかければ口当たりがいいに決まっている。しかし、その手作業が面倒である。オレはあまりパシエンシア(忍耐)のない性格。面倒なことが嫌いだ。だから小骨を感じたら、歯で砕いて飲み込んでしまうほうを選択した(笑)。



できあがったタライロンのネリ製品たち


かなりの量ができてしまったね。もちろん、オレ一人ですぐには食いきれない。アマゾンのジモピーお隣さんにおすそ分けしたって、何ぁ~にぃ、この気味の悪いモンと裏でゴミ箱に捨てられてしまうのは必定(笑)。だから100グラムずつくらいの袋わけにして、こいつも冷凍した。塩分は、ペースト肉の重さ1%程度と薄め。煮物なんかに調理するときに醤油など足せばいいもんね。お味は悪くない。いや、充分に美味しい。かなりの労力と時間を費やしたかいはあったと言える。



タライロンのおでん(笑)


外には雪がしんしんのステージなら気分がでるけど、もちろん熱帯アマゾンおでんは似合わないのは分かっちょる(笑)。解決策として、部屋のクーラーをぎんぎんにしておいて食す。オレにもっとパシエンシアがあったら、ペーストを腸詰めして燻煙にかけて湯銭したスモーク・タライロン・ソーセージでも作ったらステキなオードブルになるんだけどなぁ。



頭部はトロフィー(売約)になる作業中


チーム隊員を募集中!

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-177.html

アマゾン猛魚・頭骨博物館

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-81.html

シングー・クラフト

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-category-11.html



アジトクッキング・タライロン料理・2

素材は内臓なしで約4キロ。全長は75センチほど。このくらいデカいと、処理にけっこう腕力がいる。



素材になったタライロン


まずは、頭部を分離する。ここだけで1キロはあるだろう。それからウロコを剥ぐ。タライロンのウロコは、けっこう大きい。直径2センチくらいもあった。こいつも捨てないで漂白剤に漬けた。もしかしたら、昔むかしやったアマゾン・フィッシュ・スケール装飾品作りをやる気になるかも知れない(今のところその気はないけど……)。



タライロンのウロコ


皮はきれいに剥がないで、少し肉を残した厚さで切りとった。この皮ぎわの脂がのっている部分は、フリッタ材料にしようって魂胆だ。オレは魚皮が好きだから、極東島国に存在している塩シャケ焼もの皮を残すサピーの感性がまるで理解できない。カラっと揚げた魚皮を刻んで、ゴマ酢味噌アエにしても逸品の肴になる。これは小口に切って、100グラムずつくらいに分けて冷凍庫に収容した。



タライロン皮身のフリッタ


次に肉身の部分。まだ2キロはあるぞ。肌色がかった白身に薄く赤みが乗っていて美味しそう。



肉部分


さてさて、こいつはペーストにしちまおう。切り身の肉を小型フード・プロセッサーにガガーっとかける。肋骨のような太目の骨は除去したけど、細い三叉骨はそのまま。強引に機械で小骨を砕いてしまおう。カマボコなんかを手作りした経験があるかたならご存知だろうけど、ペースト状にした肉に塩分を入れて混ぜると急激に粘性が強くなる。これがプリっとした食感につながるんだけど、フード・プロセッサー操作前に塩を入れてしまうとモーターにたいへん負担がかかる。実は、2010年ころにマナウスで買った機械のモーターをそれが原因で焼いてしまったことがある(汗)。昨年のパンタナル熱帯魚案内からの帰路、サンパウロ市に寄ってギョウザの皮を買いにいったとき、チエテのバス発着ステーションに近いショッピング・センターのデパートで新しい機械を買った。ド辺境アルタミラでは、そんな製品が見つけられなかったから。



ガガーっと機械を回す


肉は、とにかく温度を上げないように注意する。だから作業は、素材を冷蔵庫と往復させながら進めていく。温度が上がってしまったペーストは、プリプリ粘性が落ちるからだ。できあがったペーストに塩を混ぜて人力でこねる。



タライロン肉のペースト


続く


チーム隊員を募集中!

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-177.html

アマゾン猛魚・頭骨博物館

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-81.html

シングー・クラフト

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-category-11.html

アジトクッキング・タライロン料理・1

久しぶりにアジト料理のお話しをしよう。某月某日、某所より氷漬けになったタライロンを入手した。頭部標本を作るのが目的だったんだけど、大きなボディもある。もちろん、肉の部分をゴミ箱に捨てちゃうのは、もったいない(笑)。



シングー隊員のタライロン・フィッシング(2012年8月)


タライロンってば、イカツイ顔だけんど白身の肉がむっちりあって、なかなか旨いことに定評がある。へんなクセもない。しかし、やっぱりカラシン類だもんで、コイやウグイなどと同じように小骨が肉に入っているのがやや難点だ。それでも、タライロンの小骨はセラサルムス類(ピラニアやパクー)と比較すれば、けっこう軟らかめだ。これは、この系統の特徴なのだろう。同属のホーリー(タライーラ)にも同じ特徴がある。小骨が柔らかだと、高温にした油でカラっと揚げると、それがあまり気にならなくなる。



タライーラの姿フリッタ


前にどっかで書いたけど、サンパウロなどのブラジル南西部やもっと南部地方のジモピーは、タライーラのフリッタが大好きで、有名な専門レストランもある。 



シックなタライーラ料理店


くだんの地では、タライーラにけっこうな需要がある。そこで各地で養殖を試みてきた。しかし、こいつらは名うてのおたずねもの猛魚。孵化して口を使い始めると、幼魚でも猛烈な共食いをする。だから、けっこう難しいみたいだ。



キャンプでタライロンをフリッタ


シングー河キャンプでは、タライロンはやっぱり唐揚げにすることが多い。みんな美味しいって言ってくれる。でも入手したブツ。内臓なしで4キロほどもあった。このデッかいヤツを全部フリッタにしちゃうんじゃ、まるで芸がないし、考えただけで胸焼けもしそうだ。そこで考えた。


続く


チーム隊員を募集中!

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-177.html

アマゾン猛魚・頭骨博物館

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-81.html

シングー・クラフト

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-category-11.html

怪アルビノ魚・ニュース・2!

今日も怪魚ニュースだけど、得意の関係ないお話し(笑)からする。1989年USA最大の宝石イベントに奇妙な宝石が出展された。不思議な蛍光色を帯びた薄ブルーのトルマリンだった。イベントの最初の売値は、カラット当たり200ドル。予知能力があったら、ぜんぶ買占めしていたろう。



パライバトルマリンの原石


市場はあっという間に10倍、100倍と高騰し、最高級ダイアモンドを凌駕した。現在はカラット当たり3万ドルでも楽勝で売れるみたいだ。それが熱帯珊瑚礁の海というキャッチを持ったパライバトルマリンである。



パライバトルマリン・ルース


その後、ジュエル・バイヤーが希少価値をエサにして、美味しい鴨が多い島国サピーに売りまくり、採掘された宝石質ルース(磨き石)の半分以上はファー・イーストにあるらしい(笑)。



この石のお値段で鰻丼が何杯食えるか判らない


サンパウロの宝石店で実物を見たことがあるけど、米粒より小さかった(笑)。蛍光色青~緑の発色の要因は、単なる10円玉、すなわちコパー(銅)の含有である。トルマリン結晶はペグマタイト、すなわちマグマがゆっくりゆっくり冷えて生成される。そんな環境にコパーは非常にひじょうに稀なんである。だからパライバトルマリンは量が少ない。



パライーバ州の位置


宝石関係者やマニアには、超有名な石だけど、一般にブラジル東北部パライーバ州ってのは、知名度が高くない(諸外国でもブラジルでも)。海岸線に州庁所在都のジョアン・ペッソーア市がある。市内にアメリカ大陸の最東端があって、「アメリカで始めに陽が昇る」を観光キャッチにしている。オレも取り立てて行きたい願うとこでもない。グリル・イセエビを食いたいくらいかな(笑)?



こんなのは食いたい


さて、このパライーバ州にある某リザーバー。2009年の正月ころ奇妙な魚がルアーで釣れた。希少価値が高いアルビノ。魚種は、ピーコックバス(ツクナレ)である。



たいへん美しいアルビノ・ピーコックバス


胸ビレ、尻ビレ、尾ビレ下半分の独特なスポットからイエロー・ピーコックバス系のシクラ・ケルベリィであるのは一目瞭然。肉瘤のでた成熟♂だね。



リリースされたアルビノ


この個体はリリースされたから、もしかしたらまた釣れるかも? 貴兄や貴女、フィッシングに行ってみたら? 足元にパライバトルマリン原石が転がっているかも知れないよ。本文6割が余談(笑)というニュースでした。


君もアマゾン・フィッシングに行こう!

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-177.html

アマゾン猛魚・頭骨博物館

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-81.html

シングー・クラフト

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-category-11.html

怪アルビノ魚・発見ニュース!

カラシン目、エリスリヌス科のホプリアス属は10種が記載されているけど、それぞれが互いに良く似ているんで、識別が少し難しい。いろいろなとこで書いてるけど、この魚族は神秘的にプリミティブなフォルムをもっているんで、熱帯魚怪魚マニアにおおいに好かれている。もっとも古くから知られている種類にホプリアス・マラバリックスがいる。



ホプリアス・マラバリックスの顔


マラバリックスは、ブラジルでは一般にタライーラ(Traíra)と呼ばれる。日本では、属名をもじったホーリーが愛称。英語圏では、Wolf FishTiger Fish trahiraなどと呼ばれる。大人気のタライロン(アイマラ)みたいに大きくならないけど、充分に格好がいい。



アラグァイア河で釣ったタライーラ


生物界には、アルビノという遺伝現象があるね。メラニン合成に係わる遺伝情報の欠損により色素が欠乏する症状をみせる個体のことを指す。まあ、ほとんどの動物にあるけど、一般にたいへん稀にしか現れない。しかし、人為的な交配で固定もできる。シロウサギ、ウーパールーパー、シロコリなどだね。



シロコリ


アルビノでない白変という現象もある。これも色素が少ないけど、メラニン合成に係わる遺伝子欠損でない。一般に両者の違いは、眼の瞳孔で識別できる。すなわち、前者の瞳孔は赤く透けてるけど、後者では黒い。だからリアル赤目ならモノホン・アルビノに違いないとされる。



白変のワニさん


2011年6月21日、東北ブラジル地方のサン・フランシスコ河の某支流の某沼。白いオレンジ色の怪魚が地元アングラーに釣られた。瞳孔が赤い。何とモノホン・アルビノ・ホーリー!



世界で始めて? アルビノ・ホーリー


野生魚は孵化すると同時の共食い、そしていろいろなプレデーターの脅威にさらされる。中でも先天的に白い個体は隠蔽色が使えずに目立つから、自然の生存率はたいへんたいへん低い。このアルビノ・ホーリーも宝くじどころのお話しじゃないくらいの強運で生き延びたはずだ。それがたかがアホウな釣り人(笑)のエサのついたフックを食っただんだから、栄光が蹴つまづくってのは、こんなもんだろう(笑)。水槽飼育者はアルビノ個体の希少性を知っているから、マニアチックに値段が上昇する。過去には何十万円、何百万円で取引されたアルビノ熱帯魚も少なくない。もしこのアルビノ・ホーリーが生きて日本に入ったら、いったいおいくらの値段がつくのだろう? この個体は、解剖の結果♀だった。標準体長(吻端から肛門まで)が31.8センチ、全長は39.4センチあったから立派なオトナ。彼女は某沼で産卵を何回かやっているだろう。アルビノ系DNAを保有した子孫たちがそこに棲んでいる可能性はけっこうある。 



冗談(でないかも?)ポスター


魚足だけど、…… この世界には熱帯魚ハンターを職業にしているアウトロー賞金稼ぎがいる。渡世を洗って堅気になったけど、オレも昔やってた(笑)。某所の某池でアルビノ・ホーリー稚魚を10尾も採集できたら、けっこう稼げるぜ。冒険をやりたいヒトいたらオレに連絡をくれ。秘密ポイント(GPS緯度経度も知ってる)を教えよう。そのかわり、敵を倒したら賞金の何割かいただくぜ(大笑)!


君もアマゾン・フィッシングに行こう!

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-177.html

アマゾン猛魚・頭骨博物館

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-entry-81.html

シングー・クラフト

http://amazonfishing.blog134.fc2.com/blog-category-11.html