今回は現地5日に開幕するユーロリーグについて。
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ユーロリーグは実質的にヨーロッパの主要リーグの優勝候補筆頭格が集う大きなリーグで、ユーロカップやBCLのようにマイナーなリーグから参戦しているチームは要件の問題もあって存在しない。
一応ヨーロッパのトップクラスが集まったチャンピオン大会に近いが、ユーロリーグ内の資金力格差も上位と下位で凄まじい開きがある故に成績面でも国内では常勝チームの王者が安パイになっていたりと過酷なリーグになっている。
強豪国代表チームのエースやNBA主力経験者も多数いるので非NBAのオールスターリーグとなっており、レベルもNBAに次ぐもので非常に高い。
昨季は連覇していたエフェスがプレイオフにすら進めず、参戦2戦目のモナコが3位になるなど勢力図が少し変わる予兆を示した。
そんなユーロリーグではほとんどのチームにスター選手がいて全チーム注目と言えるくらいなので全チームを紹介。
オリンピア・ミラノ
昨季のLBA王者で資金力はバルサ、レアルに次ぐ多さでヨーロッパトップクラス。
もちろんロスターも各ポジションにスーパースターがいるような豪華ぶりであるが、何故かユーロリーグでは不甲斐ない結果に終わるシーズンが多い。
昨季もそうだが、ハッキリ言って成績がメンバーに見合っておらず、金の無駄遣い感が強いシーズンが多いので最低でもプレイオフは出場して欲しい。
オフの動きは以下リンク記事LBA特集で述べたので割愛。
ガードはパンゴス、バロン、ローと攻撃力高い選手が集まり、ウイングはホールやシールズなどオールラウンダーで固め、ビッグマンはワールドカップ優勝に貢献したヴォイトマンや機動力抜群のメッリとヨーロッパNo.1プレイヤーのミロティッチなど今季も錚々たるメンバーに。
ネイピアーがいなくなってPGが若干弱体化した気がするが、ビッグマンはユーロリーグでもトップレベルのスーパービッグマンが揃っているのは相変わらず反則的。
恐らくハインズとポイスレスですらPTが少ないか、国内戦での起用がメインとなることからもビッグマン層の分厚さが異常なことが分かる。
個人的注目選手はミロティッチ。
未だNBAで主力としてプレイ出来るであろうヨーロッパ最強プレイヤーでシュートやポストプレイで外でも中でも得点してくる。
ディフェンスでもポストディフェンスは素晴らしく、ヤブセレなどのポストアタックをヘルプなしでも守り切る。
ミロティッチと組むヴォイトマンとメッリは器用な選手で相性的にも抜群なはずなので、どれだけ破壊力があるか楽しみにしたい。
アルバ・ベルリン
ドイツ2強の一角であるが、ユーロリーグでは狩られる側のチーム。
昨季はユーロリーグでも大きく負け越しで15位だったのは順当としても国内でもプレイオフ1回戦負けだったのは余りにも期待外れすぎた。
そういった事情もあったのでオフに補強を入れるかと思ったが、特に大きく戦力増強は見られず、それについても以下リンク記事BBL特集で述べたので割愛。
それどころか、ユーロリーグではスーパースターのいないチームだったところからシクマやローといったスター選手まで抜けてしまったので今季も下位は避けられそうになさそうである。
若手のホープが集まっているのでポテンシャルは高そうだが、彼らが何年もベルリンに留まる保証はないので将来性に期待するのも難しそう。
個人的注目選手はサマー。
スロベニア代表の若手ビッグガードでドライブとゲームメイクが上手く、今季がユーロリーグ初プレイとなるのでインパクトをどれだけ残せるか注目したい。
レアル・マドリード
昨季王者でACBでも準優勝の超名門。
レアルと並んでヨーロッパでも圧倒的な資金力を誇り、ロスターには各国エースクラスや将来のNBA選手など若手からベテランまで層が非常に厚い。
主力のハンガとウィリアムスゴスがいなくなったことやベンチ外や低ローテーションが多かったコーネリがいなくなり、カンパッソでウィリアムスゴスの実力的な穴埋めは出来たが他2人は後任の選手の方が見劣りする印象で層が若干薄くなったと見ている。
それでもスーパースターだらけの超豪華ロスターなのでプレイオフ出場は当然として優勝候補なのも変わらないはず。
10代の選手が増えたのも楽しみである。
個人的注目選手はデック。
アルゼンチン代表のフォワードで屈強なフィジカルと抜群の身体能力を持つ。
ドライブやポストプレイが得意でトランジションでも強烈なフィニッシュ力を見せる。
ヘゾーニャとの併用ではブレイクの連発が見られそうで楽しみ。
パナシナイコス
ギリシャ2強の一角で近年は予算が減ったのかと思うようなロスター編成が続いており、カラテス移籍以降はライバルのオリンピアコスとは国内外成績でもロスターでも大きく差を付けられていた。
しかし、今オフは予算が爆増したのかと思うような大幅強化がなされた。
退団はポーランド代表スコアラーのポニトカ、東京に加入したグダイティス、スコアリングガードのアンドリュース、シューターのトーマス、220オーバーのパパヤニス、攻撃的ガードのリー、ドライブが強烈なベーコン、スコアリングもゲームメイクもこなせるガードのウォルターズ、フィジカルと身体能力抜群なフォワードのウィリアムスなど主力が一気に退団。
残留はシュート力抜群のグリゴニスが主力唯一の残留。
新加入はACBプレイオフで絶大なインパクトを残したガードのガイ、フィジカルと機動力の優れるビッグマンのレソート、昨年のユーロバスケで優勝に貢献したフアンチョ、アルゼンチン代表ガードのヴィルドーザ、ヨーロッパトップ10サラリーのスルーカス、ユーロカップで大暴れしてユーロリーグに戻ってきたグラントなどスター選手をガッツリ獲得。
なんとパルチザン、ツルヴェナ、オリンピアコスから主力やエース格を引き抜いており、フェネルバフチェやミラノからも低ローテーション選手を獲得、さらに非ユーロリーグのチームからもユーロリーグレベルの選手を獲得しするなど気合が入っている。
ベーコンとウィリアムスがいなくなって穴埋めが出来ていると思えないフォワードの層が心配ではあるが、近年のパナシナイコスからは想像できない補強となった。
特にフアンチョとスルーカスは驚くべき移籍で、フアンチョはNBAからバルサやレアルでもなく、スルーカスはライバルのオリンピアコスからパナシナイコスに移るのは予想出来なかった。
スルーカスはヨーロッパでもトップクラスにサラリーをもらっていた選手であり、パナシナイコス加入でサラリーが下がった可能性が高いが、オリンピアコスでベンチスタートが増えたことが移籍の決めてかもしれない。
同じユーロリーグ下位グループのベルリンなどと比べると雲泥のロスター差で、そこまで資金力の差が大きかったかと思うほど。
上位の壁を崩すのは難しいかもしれないが、スタメンは上位陣にも大きく劣らないはずなのでプレイオフ出場のサプライズがあったら面白くなりそう。
個人的注目選手は新加入のガイ。
Gリーグ時代から日本で見たいと思っていた選手で、Gリーグからそのままユーロリーグチームに行くと思っていたが、非ユーロリーグチームを挟んでのユーロリーグ挑戦となった。
得点力が非常に高く、ホーベントゥートではタフショットを何度もねじ込みつつドライブでディフェンスをこじ開けるなど獅子奮迅の活躍だった。
ユーロリーグでも問題なく活躍すると思っているが、タレントだらけのチームなのでホーベントゥート時代のように飛び抜けたスタッツにはならないはず。
オリンピアコス
同じくギリシャ2強の一角で昨季はRS1位かつリーグ準優勝、さらに国内で優勝とユーロリーグでは中堅クラスの資金力でありながら国内外で凄まじい成績を残している。
ただ、今オフは流動は少ないとはいえ、オリンピアコスはもちろんのことユーロリーグ全体に影響をもたらしそうな移籍が起こったので、オリンピアコスの強さが彼らによるものなのかHCの力が大きかったのかが判明するシーズンになるかもしれない。
退団はヨーロッパ屈指のガードのスルーカス、そして数年前からNBA移籍が噂されていた得点王のヴェゼンコフ、さらにオフボールフォワードのボロンボーイなど主力が退団。
残留は非凡なパススキルを持つウォークアップ、ストレッチビッグマンのピーターズ、スコアリングガードのカナーン、スラッシャーのマキシッチ、セブンフッターのファルなど多くが残留。
新加入はリムアタックが持ち味のミルティノフ、攻撃的ガードのウィリアムスゴス、ビッグマンでありながらプレイメイカーにもなれるIQを持つシクマ、リトアニア代表オールラウンドフォワードのブラズデイキスなど。
スルーカスとヴェゼンコフのユーロリーグで共にトップクラスのオリンピアコス2大巨頭がいなくなってしまったが、2人の莫大なサラリーが浮いたせいか新加入選手は個人で比べたら2人には劣るかもしれないが、タレントの枚数は増える結果になった。
ヴェゼンコフの圧倒的な個の力はなくなってもチーム全体の力は上がったとさえ思えるメンバーであり、スタメンだけでなくベンチメンバーもほぼ実力的に変わらなさそうな今季の方が強そうに感じる。
もうトルコ2強くらいの予算を投じてるのではと思わないと揃えられないようなメンバーなのでもちろん優勝候補だろう。
個人的注目選手はウォークアップ。
シュートとゲームメイク、アシストが非常に得意なコンボガードの選手で、トランジションでのバウンドパスなどは芸術的。
オリンピアコスのガードはカナーンやウィリアムスゴスのようにスコアリングタイプのガードが多いのでウォークアップのゲームメイク力は重宝されそう。
アナドゥル・エフェス
トルコ2強の一角で資金力はバルサ、レアル、ミラノに次ぐトップクラス。
昨季は3連覇を目指していたが、まさかのプレイオフ進出すら逃すという衝撃の結末で国内での優勝のみに終わった。
オフの動きは以下リンク記事BSL特集で述べたので割愛するが、ヨーロッパNo.1ガードとも言われていたミチッチの退団は痛く、昨季多くはプレイ出来なかったラーキンとの2枚看板は解体された。
一方で、ユーロリーグ初挑戦のウィリスとジョーンズを獲得するなどビッグマンは強化された。
ガードとウイングは特に攻撃力ある選手が揃っているのでクラッチタイムの攻防でボールを持たれると怖い選手が多いのは厄介。
ミチッチ退団がどれだけの影響をもたらすか楽しみである。
個人的注目選手は新加入のウィリス。
かつて名古屋に加入を予想したオフボールタイプのビッグマン。
シュートやカットが抜群に上手く、トランジションでの走力もビッグマンとは思えないほどのスピードで走るだけでなく自らもプッシュする。
ディフェンスもペリメーターディフェンスが素晴らしく、日本でずっと見たかったとともに何故ユーロリーグチームからオファーがないのか不思議だった選手なのでエフェスでのプレイが楽しみ。
間違いなく活躍して今後しばらくはユーロリーグでプレイすると思っているのでジョーンズやプライスとのコンビにも期待したい。
バルセロナ
スペイン2強の一角で資金力はレアルと並んでヨーロッパ随一であり、昨季はRS2位でリーグ4位、国内では優勝とやはり好成績を残している。
今オフにはヨーロッパNo.1プレイヤーのミロティッチが退団したが、パーカーとエルナンゴメスをNBAから獲得するなど桁違いの予算は健在。
それ以外の選手もヴェセリーやヨクバイティスなど強豪国代表主力などユーロリーグのスーパースターが集結しており、優勝候補筆頭格のロスターなのも従来通り。
個人的注目選手はラプロヴィットラ。
ACBで得点王経験もあるほどのスコアラーで、今季はミロティッチがいなくなったのでトップスコアラーになることもあり得る。
シュートもドライブもハイレベルで、ラプロヴィットラの得点力が他の選手のフリーも作り出すのもバルサの強み。
バスコニア
スペインから参加のチームでACBではレアルとバルサに次ぐ3番手のチーム。
ユーロリーグでは資金力も実力も中堅クラスだが、かつてはプレイオフでも好成績を残していた。
今季は効率的プレイが持ち味のモニークが入ったが、トンプソンとギエドライティスが退団して全体的には戦力ダウンと感じる。
個人的注目選手は新加入のモニーク。
NBAでは結果を出せなかったが、ユーロリーグに定着出来るかどうかが今季で決まりそう。
オフボールでのフィニッシュやドライブが強烈な上にディフェンスもペリメーターディフェンスをはじめとして優秀なのでホメスとは違うタイプのフォワードとして大活躍すると見ている。
バレンシア
スペイン4番手のチームでユーロリーグでは資金力下位のチーム。
昨季は国内でも苦戦しており、そこから長年主力だったドゥブリエヴィッチが抜けるなどロスターは強化されたとは言い難く、今季もプレイオフ出場は難しそう。
ガードはジョーンズとハーパーがいて強力なのだが、デイビスが入ったとはいえドゥブリエヴィッチがいなくなったビッグマン層は厚いとは言えない。
個人的注目選手は新加入のデイビス。
かつてはヨーロッパNo.1センターとも呼ばれていた機動力抜群のビッグマンで、ドライブやトランジション、オフボールでの合わせが持ち味。
機動力も数年前ほどではなくなっているとはいえ、もっと上位チームでプレイすると思っていたのでバレンシア加入には驚かされた。
ドゥブリエヴィッチとのコンビが見たかったが、全く違うタイプのデイビスがドゥブリエヴィッチと同等の活躍が出来るか注目したい。
マッカビ・テルアビブ
イスラエルから参戦の国内王者で昨季はユーロリーグ内でもトップクラスの補強をした甲斐もあってプレイオフに出場。
昨季は凄まじい豪華メンバーで予算の増加があったのではと推察されるくらいだったが、今季は流石に昨季のロスターを維持するのは難しかったようだ。
退団はオールラウンドスイングマンのヒリアード、強靭なフィジカルによるリムアタックが持ち味のポイスレス、オールラウンドビッグマンのマーティン、コンボガードのアダムスなど有力選手が含まれる。
残留はユーロバスケ優勝の立役者のブラウン、スコアリングガードのボルドウィン、オールラウンドフォワードのコルソン、シュート力に定評あるディバートロメオ、リバウンドが強いソーキン、ストレッチビッグのコーエン、フィニッシャーのニーボなど。
新加入はロールマンのリヴェロ、スコアリングガードのクリーブランド、ディフェンシブフォワードのウェブなど。
残ったメンバーが強力とはいえ、出ていったメンバーと入ったメンバーの比較ではどう見ても出ていったメンバーの方がタレントでは上回っており、昨季比では戦力ダウンに感じる。
特にヒリアードとマーティンは非ユーロリーグチームに移籍しており、来季はまたユーロリーグチームに戻ってくる可能性が高いとはいえ驚かされた。
2人とも高水準なオールラウンダーだったのでいなくなった影響は大きいと見ており、プレイオフ進出にも大きく影響しそうだが、下位進出の可能性は全然ありえるのでボーダーラインの争いに注目したい。
個人的注目選手はボルドウィン。
得点力高いガードの選手で、ウィナーリーグ決勝では試合全体の確率は良くなかったが、勝負所でのミドルゲームや3Pの決定力は圧巻だった。
ブラウンとの破壊力抜群のガードコンビで得点をどれだけ荒稼ぎするのか楽しみである。
パルチザン
昨季のABA王者でユーロリーグ王者のレアルを1回戦敗退寸前まで追い込んで昨季最も評価を挙げたチーム。
昨季から予算が増えたと推察されるロスターだったが、それでもチーム成績が一気に上がって選手の評価が高騰したと思われるだけにロスターの維持や補強では難しいのではと思っていたところで更に予算が増えたのではと思わせるオフの動きがあった。
退団はフォワードのパパペテロウ、フィニッシャーのレソート、NBAに戻ったオールラウンドスイングマンのエクサム、シューターのマダーなど主力含む。
残留はオールラウンダーのナナリー、中でも外でも得点出来るビッグマンのレデイ、得点力とシュート力抜群のパンター、身体能力抜群のスマイラギッチ、安定感あるアンドゥーシッチなど。
新加入はポーランド代表主力のポニトカ、セルビア代表のヤラマズ、Gリーグで高得点を叩き出していたドジャーなど。
レソートとエクサム、マダーの退団は痛いが、NBAに行くともバルサに移籍するとも伝えられていたパンターを残せたことが最も大きい。
パンターは間違いなく昨季ユーロリーグで評価が急騰した選手で、プレイオフではレアル相手に一方的に王手を掛けた後で不必要な乱闘からサスペンドを食らってパンターがいない間にイーブンに戻されてしまう要因にもなった。
レアル側もサスペンドがあったとはいえ、選手層が違いすぎるのでヤブセレとデックがいなくなるレアルとパンターがいなくなるパルチザンとでは影響が全く違った。
パンターがサスペンドにならなければレアルに勝っていた可能性も十分にあったので、勿体無かったが、それほどに圧倒的で他のチームも狙っていた選手を残したパルチザンの頑張りは見事。
さらにユーロリーグ最優秀HCと呼び声高いオブラドヴィッチも続投し、今季もプレイオフが十分に期待出来そうである。
個人的注目選手はもちろんパンター。
昨季の3P%は4割以上でFTも9割以上のスーパーシューター。
C&Sもそうだが、OTDもあり得ないようなセレクションやタフショットでも高確率で決めてくるのでディフェンスは絶対止めようとしてFTを与えてしまう悪循環に陥る。
ユーロリーグプレイオフでもABAプレイオフでもアンストッパブルなシュートは唖然とするしかないような決まりぶりで上位チームが狙うのも当然のインパクトだった。
今季も同じようなプレイが出来るか他のチームのスカウトからも大注目の選手だろう。
ジャルギリス
リトアニアから参戦のLKL王者でユーロリーグでは資金力下位かつ豪華ロスターというわけでもないのに昨季はプレイオフ出場のサプライズを起こした。
ジャルギリスは他のユーロリーグチームと比べて外国人選手の数が少なく、リトアニア人選手でもギエドライティスやブトケヴィシャスなどは他のチームからも引くて数多なのでリトアニア人選手ですらベストメンバーを集められないなど制約が多い点で不利かもしれない。
なので補強は外国人選手もリトアニア人選手も限られた選手の中で行わなければならず、今オフもキャリアの浅い選手などが補強対象となった。
退団はイタリアンフォワードのポロナラ、以下リンク記事で群馬加入を予想したフォワードのキャバノー、スコアリングガードのテイラー、ドライブの得意なブラズデイキスなど。
残留はコンボガードのエバンス、リムプロテクターのヘイズ、フォワードのウラノバス、ラトビア代表ビッグマンのシュミッツ、ペイント内の得点力に優れるビルティス、シュートの上手いディムシャなど。
新加入は新人ながらオーストラリアで強烈なシュート力でインパクトを残したマネックなど。
シュミッツ、エバンス、ディムシャを残せたのは良かったが、キャバノーやブラズデイキスが退団したのは痛い。
新加入の有力選手もマネックのみでキャバノーの穴埋めくらいしかできていない。
今季のチームでまたプレイオフに出場することになれば大快挙と言える。
個人的注目選手は新加入のマネック。
昨季がプロ初シーズンの新人ながらオーストラリアとトルコで大活躍したオールドルーキー。
オーストラリアでのシーズンが終わった後に名古屋の外国人選手に怪我人が出ていたので密かに来日を期待していたが、ウィリアムズで実現ならず。
今オフもどこか日本のチームが狙うと思っていたが、ジャルギリスが狙っていたのであれば納得。
シュートが非常に上手く、カットでも得点するオフボールタイプの選手でユーロリーグでも間違いなく活躍すると思っている。
キャバノーに代わる4番の得点源になることを期待したい。
バイエルン・ミュンヘン
ドイツ2強の一角でプレイオフに出場したこともあるが、資金力が下位故に成績でも下位が定位置。
BBL特集でオフの動きは述べたので割愛するが、ギルスピーやバッブやオブストを残せた上にブッカーとフランシスコ、イバカを獲得して戦力強化に成功したと見ている。
スーパースターはいないが、スター選手はいるので資金力に見合ったロスターと言える。
今季もプレイオフ進出は難しそうだが、昨季の成績を超えるかどうか注目したい。
個人的注目選手は新加入のイバカ。
NBAで長くプレイしたビッグマンで、スペイン代表でも活躍するなど経験豊富な選手。
かつては優秀なショットブロッカーであり、インサイドのみならずオフェンスではシュートも磨くなどプレイの幅を広げていた。
もっと上位チームに行くと思っていたが、久々のヨーロッパでどれくらい活躍するか楽しみにしたい。
フェネルバフチェ
トルコ2強の一角で昨季はプレイオフに最終枠で出場。
かつては優勝戦線の常連でもあったが、近年は遠ざかっており、復権が期待される。
オフの動きはBSL特集で述べたので割愛するが、サンリ、ドーシー、マダー、パパヤニス、セスティーナなど新加入選手は強力な選手ばかりで戦力増強に成功したと見ている。
優勝候補とまでは思わないが、プレイオフ進出は狙えるチームのはず。
個人的注目選手はピエール。
ディフェンスの非常に上手いフォワードであるが、オフェンス面でもシュート、ドライブ、ポストプレイ、トランジションなど様々なパターンで得点が可能かつスキルが高い。
どのチームでも活躍出来るタイプの選手で、バランサーとしても優秀なピエールの攻守での貢献に注目したい。
アスベル
フランスから参戦のチームでかつてはフランスの盟主的チームであったが、徐々に凋落が始まっており、モナコに大きく差を付けられつつある。
昨季は国内で決勝に行けず、ユーロリーグでも圧倒的最下位で、非ユーロリーグチームでアスベル以下の資金力でもアスベルより強いチームがいくつかありそうなくらいの位置だと思っている。
オフの動きは以下リンク記事LNB特集で述べたので割愛するが、戦力的にはリーやキャバロット、ウンバイやジャクソンの加入でアップしたと見ている。
下位チームには珍しく、スーパースターのデコロがいるが、今季も下位から抜け出すのは難しそうである。
個人的注目選手はデコロ。
かなりのベテランになってしまったが、未だにユーロリーグでも国際大会でもトップクラスのガード。
シュート、ドライブ、ゲームメイクなど全てがハイレベルでアスベルの要である。
昨季最下位のチームをどこまで上げられるか注目したい。
モナコ
フランスの新しい盟主で昨季はLNB優勝とユーロリーグ参戦2年目ながらバルサを倒して3位の大偉業を成し遂げた新興勢力。
資金力も相当なものだと思われ、アスベルの倍くらいあっても驚かないくらいの豪華ロスターを揃えている。
オフの特集動きはLNB特集で述べたので割愛するが、モニーク以外有力選手は流出しておらず、逆に加入選手はターペイ、ケンバ、ジャイテ、コーネリなど予算がどれだけあるのかと思わせるような有力選手の獲得で更にロスターを強化した。
もはや優勝候補の一角と言って差し支えないレベルにまでなっており、スペイン2強やトルコ2強との対決は特に楽しみである。
個人的注目選手は新加入のジャイテ。
非常にフィジカルの強いビッグマンでペイント内でんl強さはユーロリーグでもトップクラス。
モナコにはポストゲーマーのビッグマンはいないので的確な補強と言える。
ポストプレイ以外にもダイブで得点が可能でリバウンドも強く、プットバックからの得点も期待出来る。
シュートやFTは期待出来ないが、それ以外の部分が強力なのと他の選手も強力でジャイテの弱点を補完出来る点でそこまでのデメリットにはならないと見ている。
ツルヴェナ
昨季ABA準優勝でユーロリーグでは勝率5割ちょうどと資金力の割に好成績を残したチーム。
同じパルチザン同様に予算が増えたのではと感じるロスター編成が昨季から続いており、今オフは有力選手も多く抜けたが、補強も凄まじかった。
退団はスイングマンのホランド、アルゼンチン代表PGのカンパッソとヴィルドーザ、スコアラーのドブリッチ、島根に移籍したマーティン、NBAに移籍したペトルシェフ、群馬に移籍したベンティルなど主力の大半が退団。
主力の残留はネドヴィッチとラジッチくらいでユーロリーグチームでありながら解体を余儀なくされた。
しかし、新加入はオフボールビッグマンのボロンボーイ、スロベニア代表ビッグマンのトビー、スコアリングガードのネイピアー、NBA挑戦を終えたシモノヴィッチ、ハンガリー代表フォワードのハンガ、ベテランフォワードのビエリツァ、リトアニア代表ウイングのギエドライティス、ブラジル代表ガードのヤゴ、ヨーロッパトップクラスのアシスト能力を持つテオドシッチなど強力な選手が多数。
出ていった選手も入ってきた選手も良い選手だらけで比較するのは難しいが、カンパッソとペトルシェフは惜しいとしても全体で見ると入ってきた選手の方が強力だと感じる。
各ポジションにスター選手がおり、相当に予算が増えたのかと推察させられる豪華ロスターでプレイオフ出場も十分狙える。
特にガードの充実ぶりは凄まじく、昨季のヴィルドーザとカンパッソも凄かったが、今季はヤゴとテオドシッチとネイピアーで層は明らかに厚くなった。
昨季はパルチザンがサプライズを起こしてくれたのでライバルのツルヴェナも続いてくれることを期待したい。
個人的注目選手は新加入のヤゴ。
ブラジル代表のPGで昨季のドイツBBL特集でも注目選手に挙げたが、その後BBLでは主力として優勝しMVPも獲得。
今オフのワールドカップでもブラジル代表として活躍し、当然ながらユーロリーグチームに移籍した。
今までなぜブラジルでプレイしていたか不思議な選手で、ユーロリーグでも間違いなく活躍するはず。
シュートやドライブなどのスコアリングに加えてゲームメイク能力も抜群であり、テオドシッチとネイピアーも強力なガードなので誰が1番手になるか楽しみである。
ボローニャ
昨季からユーロリーグに参戦したイタリアの新興勢力であるが、モナコほどの急激な成長曲線にはならなそうである。
昨季は国内で準優勝、ユーロリーグでも期待していたが勝率5割未満でデビュー1年目はユーロリーグの洗礼を受けた。
オフの動きはLBA特集で述べたので割愛するが、テオドシッチ、ウィームス、ジャイテ、バコ、オジェレイなど主力がいなくなったが、ダンストンとケイコック、ドブリッチはいいとしても全体で見ると戦力ダウンに感じる。
ビッグマンのプレイスタイル的にフロアバランスも悪そうなロスターに見えるのもどうなるか楽しみである。
さらに国内での優勝を逃したのとユーロリーグで不振だったのが原因なのか、開幕直前にスペイン代表に数々の栄光をもたらした名将スカリオロHCを解任しており、迷走気味である。
成績が理由ならスカリオロ解任は正直悪手としか思えない。
今季もプレイオフ出場は難しそうであるが、スカリオロ解任がどう影響するか注目したい。
個人的注目選手はミッキー。
フィジカルと身体能力に優れたフォワードでポストプレイやオフボールの合わせ、ドライブなどペイント内での得点が持ち味。
ディフェンスも素晴らしく、サイズがあるわけではないがブロックも得意。
スペーシングに苦労しそうな今季のボローニャで他のビッグマンとの連携をミッキーがどうするか注目したい。
以上18チーム見てきて、やはり良い選手が多く、上位チームのロスターは異常とも言える豪華ぶりである。
プレイオフ出場チームを予想するならバルサ、レアル、モナコ、パルチザン、オリンピアコス、ミラノ、ツルヴェナ、エフェスの8チームとしたい。
フェネルバフチェやパナシナイコス、バスコニアあたりも可能性がありそうで難しいが、好きな選手の多いチームなどを選んでみた。
優勝予想は
本命:バルサ
対抗:モナコ
大穴:ツルヴェナ
レアルのオリンピアコスも入れないという思い切った予想にしてみたが、ツルヴェナは期待したくなるようなロスターになって1番楽しみなチームなので快進撃を信じたい。
今季もハイレベルなユーロリーグを楽しみにしたい。